有機農産物及び特別栽培農作物に関わる
表示ガイドライン
(平成4年10月制定、平成8年12月・平成13年4月JAS法改正)

全国共通【有機JAS】マーク
有機JAS認証マーク


ア)認証マーク

 JAS法(農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律)を改正(20014月)し、第三者機関の検査・認証を受けたものだけに【有機】と表示できるようにする。  ※それ以外のものは今までどおり


イ)農水省が決めた【有機農産物】の検査・認証制度

有機食品の規格をFAO(国連食糧農業機関)・WHO(世界保健機関)の食品企画委員会(コーデックス委員会)の規格に準拠して制定する。
農林水産大臣に登録した第三者認証機関(登録認定機関)が、圃場ごとに検査して認定する。
第三者認定機関が認定した生産者が生産したもののみに【有機】と表示し、流通させることができる。それ以外のものは【有機】の表示ができない。
【有機農作物】とは、化学的に合成された肥料及び農薬の使用を避けることを基本として、播種又は植付け前2年以上(多年生作物にあっては、最初の収穫前3年以上)の間、堆肥などによる土づくりを行なった圃場で生産された農作物で、遺伝子組み換え食品は含まれない
【有機農作物加工食品】とは、有機農作物のもつ特性が、製造や加工後も保持され、化学的に合成された食品添加物や薬剤の使用を避けることを基本として製造された加工食品のことで、この場合、食塩及び水の重量を除いた原材料のうち、有機農産物及び有機農産物加工食品以外の原料の占める割合が5%以下でなければならない
【転換期間中有機農産物】とは、6ヶ月以上、化学肥料や農薬を使わなかった農地において収穫された農産物

ウ)宮城県の有機農産物等認証制度

宮城県が認証する【有機農産物等】の認証マーク
「無農薬・無化学肥料」認証マーク 「無農薬・減化学肥料」認証マーク 「減農薬・無化学肥料」認証マーク 「減農薬・減化学肥料」認証マーク
@化学合成農薬、化学肥料又は化学合成土壌改良資材を使用していないこと。
A天然系の農薬の使用は可。
B堆肥等による土づくりは有機農産物と同じ
@化学合成農薬を使用していないこと。化学肥料を慣行の5割以下に減らしている。
A天然系の農薬の使用は可。
B堆肥等による土づくりは有機農産物と同じ
@化学肥料を使用していない。化学合成農薬を慣行の5割以下に減らしている。
A天然系の農薬の使用は可。
B堆肥等による土づくりは有機農産物と同じ
@化学合成農薬と化学肥料を慣行の5割以下に減らしている。
A天然系の農薬の使用は可。
B堆肥等による土づくりは有機農産物と同じ

エ)表示

農林水産省ガイドラインによる表示

無農薬栽培農産物
(化学肥料使用)

栽培責任者 ○○○○
住所      ○○県○○市○○町△△△
連絡先    ○○○−○○○○−○○○
確認責任者 ○○○○
住所      ○○県○○市○○町△△△
連絡先    ○○○−○○○○−○○○

■無農薬栽培(無化学肥料栽培)農作物

 農薬(注)又は化学肥料を使用しない栽培方法により生産された農作物。但し、当期作においてのみ農薬又は化学肥料を使わなかったと言うことであって、有機農作物と異なり、前作までの農薬等の使用状況は問わない。

 又、農薬を使わなくても化学肥料を使った場合は「化学肥料使用」の表示をすることになっています。

(注)化学合成のもの、天然物由来のもの、いずれも含みます。
 ※天然系の農薬=除虫菊や天敵、天然鉱物等を原料とする農薬のこと

農林水産省ガイドラインによる表示

減農薬農産物

−当地比○割減−

栽培責任者 ○○○○
住所      ○○県○○市○○町△△△
連絡先    ○○○−○○○○−○○○
確認責任者 ○○○○
住所      ○○県○○市○○町△△△
連絡先    ○○○−○○○○−○○○

■減農薬栽培(減化学肥料栽培)農作物

 化学合成農薬又は化学肥料の使用を、同じ地域の同じ時期に慣行的に行なわれる回数又は量の5割以下に減らして生産された農作物。

 この表示に際しては、減らした割合、使った化学合成農薬又は化学肥料の名称及び用途、回数等を併せて明示することとしています。(注)削減割合を示します。

 これらの事項が明示されない場合には、「減農薬栽培農作物」等の表示そのものができません。



化学合成農薬の使用状況

使用資材名 用途 使用回数
○○○○○
□□□□□
△△△△△
殺菌
殺虫
除草
1回
2回
1回

    
セット表示です









オ)改正に至った状況

公正取引委員会通達
昭和639
「農作物の「無農薬」「有機栽培」等の表示についての要望書」
  当委員会が、「無農薬」「有機栽培」等表示されている農作物について、流通段階における実態を調査したところ、
     ・農薬が使用されているのに「無農薬」と表示されているもの
     ・農薬や化学肥料が使用されているのに「完全有機栽培」と表示されているもの
     ・流通段階において生産者の表示にかかわりなく「有機栽培」と表示していると思われるもの
が見受けられました。
 このような表示は、一般消費者の適正な商品選択を阻害するおそれがありますので、貴協会におかれましても会員業者に対して、こうした不当な表示が行なわれることのないよう指導されることを要望します。
東京都立衛生研究所
(974月から983月)
東京都内の市場で購入した4種類24検体を調べたところ、24検体17から有機塩素系殺虫剤1種、殺菌剤2種、カーバメイト系殺虫剤1種が検出された。

カ)これまでの問題点

ガイドラインであり、法律に基づいたものでない=罰せられることが無かった
チェックする機関が無い=偽表示が氾濫
表示がわかりにくい=表示を簡単に→【有機農産物】と【特別栽培農産物(無農薬栽培農産物と減農薬栽培農産物)】の2種類に分類
             →表示の信用性を高める=今回の改正

キ)認証制度の流れ

ク)罰則その他の処分

JASマークの貼付に係る違反 1年以下の懲役又は100万円以下の罰金(指示に従わなかった場合、氏名の公表)
「有機」表示に係る違反 表示の除去、販売の禁止等の命令(従わなかった場合、50万円以下の罰金)

ケ)これからの問題点

生産者の負担増大=認証を受けるための手続きに必要な膨大な書類の作成とそれに掛かる時間と費用の問題
認証機関による「チェック」、「認証」がどこまで徹底されるか
認証の基準値の妥当性=近隣の地域からの(農薬・化学合成肥料等の)影響
罰則の妥当性と実効性

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