<02-05 2000年05月14日公開>
生活環境にあるものすべてが“アレルギー”を起こす可能性があります。その中でも“アレルギー”や過敏症を起こす可能性が高いもの、“アレルギー”を誘発しやすいものを表にしました。
食物 |
卵・卵製品、ブロイラー鶏肉、牛乳・牛乳製品・牛肉 |
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吸入物質 |
家のほこり |
ダニ・ダニの糞、 |
カビ |
カンジダ・ピテロスポリウム |
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花粉 |
スギ、ヒノキ |
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接触性物質 |
ダニ、カビ、食べ物、ソバガラ、動物の毛やふけ・唾液、花粉 羊毛・羽毛・絹、ゴム、洗剤・柔軟仕上げ剤、漂白剤、衣類の化学糊、薬品、農薬、殺虫剤、化粧品、塗料、金属、漆、石油製品等 |
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薬物性物質 |
解熱鎮痛剤(アスピリン、ボルタレン等)、抗生物質等 |
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食品添加物 |
防カビ剤、合成保存剤、合成着色剤、亜硫酸塩(酸化防止剤)、硝酸・亜硝酸等の発色剤、漂白剤等 |
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食品残留物 |
農薬、殺虫剤、飼料中の抗生物質や化学薬品、ホルモン剤 |
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石油化学製品と |
自動車の排気ガス(特に、ディーゼル車排気微粒子)、シンナーやペンキ、接着剤、クリーニング液等 |
とにかく食べ過ぎています。親の鶏またはブロイラーの食べている飼料中の残留農薬、抗生剤、合成色素剤が問題。卵に天然に含まれるレシチン(腸粘膜からの吸収を高める)、加工食品中に含まれる食品添加物が問題。卵は油脂の量が多く“アレルギー”を誘発します。また油脂が多いため、脂溶性の環境汚染化学物質を蓄積している可能性があります。
牛乳は、本来は大人になった哺乳類が飲む物ではありません(乳糖分解酵素を持っていない)。親の牛が食べている飼料中の残留農薬、抗生剤、ホルモン剤、アイスクリームなど加工品に含まれる食品添加物が問題です。油脂が多く、“アレルギー反応”を亢進させること、脂溶性の環境汚染化学物質が蓄積されている可能性があります。
輸入小麦は有機リン系の殺虫剤が残留しています。とくに学校給食のパンは輸入小麦の2等粉(外皮に近い部分)を使うため残留が多くなります。日本のパンは添加物が多く、“アレルギー”を起こしやすくなっています。パン食にすると副食としてバターやチーズ、牛乳、卵などの油脂類、砂糖、食品添加物を摂りすぎる事になります。素材を大切にした和食にはかないません。粉で保存されるため、ダニが繁殖し、“ダニアレルギー”の人が食べると“アレルギー”を起こすことがあります。
とにかく使用量が多く、ほとんどが農薬の残留する輸入大豆が使われています。遺伝子組換えの大豆の問題もあります。スナック菓子や冷凍食品は大豆油を多用すると同時に、食品添加物も多く問題です。日本人が古来使用してきた食品であり、今までは、強いアレルギーを起こす例があまりありませんでしたが、遺伝子組換えで大豆そのものが強制的に変えられたことで、強いアレルギーを誘発する可能性があります。
スナック菓子や冷凍食品に米の油が使われています。原料の米ぬかには、使用された農薬や水田の脂溶性汚染物質が移行している可能性があります。また、米油が使われた商品は添加物の多い物が多く問題です。多量に食べて米のアレルギーを起こすと、普通の米も食べられなくなってしまうことがあります。
激しい“アレルギー”を起こしやすい食品の1つです。
ピーナツには粘膜にむくみを起こす物質(アレルギー反応起因物質であるチラミン)が入っているため、ピーナッツそのものに“アレルギー”がなくても体調の悪い時に食べたり、多量に食べると、じんましんになったり鼻血がでたり気管支喘息がひどくなったりします。
毎日パンを食べる習慣の家庭に生まれた赤ちゃんはこの“アレルギー”を起こしている場合が多々あります。
節分の時などに殻付きの落花生をまき、それを食べて“アレルギー”を起こしたり、殻から出た粉で気管支喘息発作を起こした場合などがあります。
そばは大半が輸入物。ポストハーベスト(収穫後の作物に農薬を使用すること)の問題があります。ソバそのものにヒスタミンなど“アレルギー”を起こさせる物質が含まれています(=仮性アレルゲン)。ソバが好きで食欲がないときにソバを多食した妊婦さんから生まれた赤ちゃんは、強い“ソバアレルギー”を起こしている例を多く経験します。
油が多く、粘膜にむくみを起こす物質(チラミン)が含まれています。とにかく食べ過ぎです。バレンタインデーでもらったチョコで“アレルギー”を起こすことがあります(バレンタインデー症候群と呼んでいます)。ニッケルやクロムなど金属の含有が多く、“金属アレルギー”があるとチョコレートで症状を起こします。
最近、予防接種に含まれるゼラチンでじんましんや“アナフィラキシー”を起こす子供が増えてきています。ゼラチンは主には牛の骨からつくられます(豚皮からも作られます)。ゼリーの多食、グミキャンデーやゼラチン入りヨーグルト、牛乳・牛肉の多食は要注意しましょう。
日本人は食べ過ぎです。輸入エビは漂白剤などを使ってある物が多く、注意。輸入エビに使われた漂白剤(亜硫酸塩など)で、口唇が腫れあがる人もいます。エビに“アレルギー”があると、カニやジャコエビ、アミなど他の甲殻類にも反応することがあります。
アイスクリームに含まれる油はココナッツ(ヤシ)から採っているためアイスクリーム大好きの家庭ではココナッツの“アレルギー”を起こしている例があります。人工ミルクにも同じ油が使われています。
健康食品と言われるゴマも“アレルギー”を起こすことがあり、増加しています。
ゴマソフトクリームを食べて“アナフィラキシー”を起こした小学生を経験しました。妊娠中に練りゴマをパンに塗って頻回に食べ、生まれた赤ちゃんに強いゴマの“アレルギー”を作ってしまった例もあります。
ゴマはビタミンEなども含み栄養価が高い食品ですが、食べ過ぎは避けます。特に、ゴマ油を使うと“アレルギー”を起こしやすくなります。ゴマを使いたいときは、洗いゴマを使用直前に炒ってからすりつぶして食べると香りもよくでて、油も酸化せずに食べることができます。
1990年頃から魚の“アレルギー”が急増しています。魚は海の中で食物連鎖の頂点近くにいるため、海の汚染の影響を確実に受けています。特に魚の油脂部分・魚卵には、ダイオキシンやPCBなど脂溶性の化学汚染物質が蓄積されているため、油の多い魚は“アレルギー”を起こしやすいようです。また、魚の油は酸化しやすく、酸化した油は“アレルギー反応”を強くさせます。
薬品等で処理された物は特にひどい症状を起こすことがあります。
イクラなどの魚卵は、卵の“アレルギー”がある人では“アレルギー”を起こすことがあります。また、これらの魚卵加工品は発色剤や着色剤なども多用されています。
魚貝類の中にはそれ自身が“アレルギー症状”を起こさせる働きをする物質(=仮性アレルゲン)を含む物があります。イノリン(サンマ、タラ、サケ)、トリメチールアミンオキサイド(エビ、カニ、イカ、タコ、アサリ、ハマグリ、カレイ、タラ、スズキなど)などです。これらの魚貝類は体調が悪い時に食べると、急に“アレルギー症状”を起こすことがあります。
魚の“アレルギー”が強い場合は、魚を焼いた煙を吸い込んでも激しい症状を起こすことがあります。
アジ、ニシン、イワシ、サバやサンマ、ハマチ(ワカサやブリ)、スケソウダラ、イカなどの魚(特に内臓に多い)には、アニサキス幼虫という長さ20〜40oの糸状の寄生虫が住み着いていることがあります。魚にアニサキスが寄生していることを知らないで食べて“アレルギー”を起こし、“じんましん”や“アナフィラキシー”を起こすことも、最近目立つようになってきました。お魚の好きな40歳以上の人に多くみられます。40歳以上の年齢では、魚に“アレルギー”はなく、アニサキスに“アレルギー”があり、40歳以下の年齢(特に乳児や幼児)では魚介類と同時にアニサキスも“アレルギー”があるという例が増えてきています。
果物のアレルギーが最近増えています。
濃縮還元されたリンゴジュースを毎日のように飲む子供たちが増えており、この子達はリンゴの“アレルギー”を起こしてしまいます。リンゴがだめになると、同じ『バラ科』の果物もだめになることがあります。
バラ科の果物 リンゴ・イチゴ・なし・さくらんぼ・もも・ビワ・アンズ・ウメ
ウリ科の果物 スイカ・メロン・マクワウリ・キュウリ・カボチャ・カンピョウ・ズッキーニ
バナナ
農薬が多用された物が多く、果肉まで農薬が染み込んでいます。安くて、おいしく、ナイフも使わず、洗わなくていい果物であるため、お母さんたちは安易に赤ちゃんに与え、“アレルギー”を起こしています。
キウイ
それ自体が“仮性アレルゲン”で、中に“アレルギー”を起こす物質が含まれます。果物の中では最高に強い“アレルギー”を起こさせます。
木の樹液から作られるゴム成分は、様々な植物に同様な成分が含まれるため、ゴムに“アレルギー”を起こすとバナナやキウイ、ピーナッツなど様々な植物に“アレルギー”を起こしてしまうことがあります。小さい時からゴム製品はなるべく触らない、しゃぶらないことが原則です。
気密性の高く湿度が高い部屋の中で異常に増殖しています。赤ちゃんは床に近いところで生活しているため、寝具やジュータンの中にいるダニで“アレルギー”を起こしやすいと思われます。
気密性の高い室内で動物を飼うと、濃厚な接触で“アレルギー”を起こしてしまいます。屋外で飼った場合は“アレルギー”を起こしにくくなります。
気密性が高く結露が多い室内や、寝具の中、風呂場や、台所にはカビが大発生しています。
同じバスタオルを連日使用するとタオルにカビが増え、皮膚にも感染し、“カビアレルギー”を起こさせますので、毎日洗濯したものを使用するようにします。
腸の中や皮膚に増えた『カンジダ』等の酵母の仲間に“アレルギー”を起こす人が増えています。腸の状態を正常に保つことが必要です。パンやビールに使われるイースト(ビール酵母:サッカロミセス)に“アレルギー”を起こす人も増えています。日本人は日本の風土にあったカビ(コウジカビ:アスペルギルス)の方が体に合っているようです。
カモガヤなど『イネ科花粉』は水田の近くや道端によく生えます。農薬の散布(特に空中散布)や自動車の排気ガス(特にディーゼル車の排気)等で空気が汚れた地域では花粉症が多くなります。
自動車の排気ガス(特にディーゼル車の排気)等で空気が汚れた地域では花粉症が多くなります。
『スギ』の“アレルギー”があると、『ヒノキ花粉』でも“アレルギー症状”を起こすことがあります。
交通量の激しい道路の道端のタンポポを採って遊んでいると、タンポポの“アレルギー”を起こすことがあります。
花粉が風に乗って飛ぶ風媒花(ヨモギやブタクサなど)では“アレルギー”を起こしやすくなります。
「熱が出た」「頭が痛い」、すぐ解熱鎮痛剤…と使っていると、『アスピリン過敏症』を起こす場合があります。解熱鎮痛剤に過敏になると死亡するような強い反応を起こすことがあります。食品添加物の人工香料、保存剤・人工着色料などにも“アレルギー”を起こすようになってしまいます。また、解熱鎮痛剤は腸管の吸収を異常に亢進させ、腸内の未消化の大きなかたまりを吸収することで“アレルギー“を起こしやすくさせる可能性があります。熱は体内に入った病原体を体外に排除するための防衛反応なので無理に下げないこと。
安物のニッケルやクロムなどを使ったメッキの飾り物を使っていると金属で“アレルギー”を起こします。直接肌に触り汗をかきやすいところにイヤリングやネックレスはしないようにします。最近、大きなメッキ製のベルトの留め金を使い、お臍を中心に湿疹が広がっている若者が目立ちます。