5−2 はじめのいっぽからの返事−食べもの編
f−1:
《F−1:乳児湿疹”とは言われたが、“アトピー”では無いので食べ物は気にしないで何でも食べさせている?》
お医者様のご指導でそうしたお考えになっているのでしょうけど、お子さんの症状の変化を見ていて気が付かないお母さんにも問題があると思います。毎日、毎回の食べたものと出ている症状を記録しておいて、比較してみれば気が付くことが殆どです。血液検査の結果より、こちらの方がず〜っと“信憑性”があります。ぜひ、お試し下さい。
お医者様の中には“アレルギー”に熱心な先生達に対して「何でもかんでも“アトピー”と言い過ぎる」とおっしゃる方がいらっしゃいますが、本当に信念をもってそうおっしゃっているのか、一般論で言っているのか、又、失礼な言い方になりますが人気取り(食べ物をうるさく言わない先生の方がお母さん方には好まれるようですので)で言っていらっしゃるのか私には判りません。只、疑わしき症状があるのですから“アレルギー”として対応して何処に問題(栄養等については後述します)があるのでしょう?
私は過去に色々な病院にかかりながら、一度として「“アレルギー”である」とは言われず、母親が食事の指導も受けてこなかったために、子供に好き勝手に食べさせてきてしまい、症状を悪化させてしまった例を沢山見ています。“アレルギー”であるか否かの判断はともかく、食事の指導をしないお医者様の見識を疑います。はっきり言って勉強不足以外の何ものでもありませんし無責任だと思っています。今は「食事の指導をしないで、好き勝手に食べても健康になれる!」時代ではないのです。有り余るほどの食品の中で、「きちんと選択をして食べないと生活習慣病になる可能性が大」であることは周知の事実です。それなのに直接お母さん方と接する機会があり、食事指導ができる立場にあるお医者様が何も指導しないのでは誰がすれば良いのでしょうか?
今のお母さんには「正しい食事」とか「身体に良いおやつ」とかの知識が有りません。マスコミの情報を自分の都合の良いように選別して受け留め、手っ取り早く結果の出る健康食品や機能性食品に飛びつき、自分が好きなもの・自分が食べたいもの(身体に良い物は殆ど無し! 甘いもの・脂っこいもの・味付けの濃いもの・柔らかいものが殆どのはずです)は何が何でも止めず、そんなお母さんによって育てられた子供達に植え付けられた味覚や嗜好と言えば、欲しがるものはやはり身体に悪いものばかりです。
何でも食べさせることが子供達にとって本当に幸せなのでしょうか? 一時的に治まったとしても、「今後ももう出ない」という保証は何処にも無いのです。将来の健康のことを考えても、受験期(ストレスにより免疫力が落ちる)等に再発させないためにも、食事を気をつけることは大切だと思います。
f−2:
《F−2:皮膚科の先生には「食べ物は関係ない」と言われた?》
皮膚科の先生と小児科の先生(の中でも食べ物を大切にする先生と薬で治そうとする先生に分けられますが)とでアレルギー・アトピー性皮膚炎の原因に対する見解が大きく異なっている(ので、当然“治療法”も違っている)点で、お母さん方に不安があることも事実です。しかし、お医者様の数だけ異なった考え方・治療法があると思っています。それを肝に銘じた上で、信頼できる説明をして下さるお医者様を選ぶべきだと思います。
確かにアトピー性皮膚炎は皮膚に出ている症状です。ですから、皮膚科に行きたくなるのも判ります。「食べ物のことをうるさく言われない」となると尚更ですね。出された薬を塗って翌日には症状が治まった(“治った”訳ではない! 症状を隠しただけなのです)として、その薬を一生使っていく覚悟があるのならそれでも良いのかも知れません。でも、殆どの場合でその薬を止めると又症状が出てくることを考えれば、それが根本的な対処法でないとは思われませんか?
将来にわたっての“健康”を考えても食べ物に気を付けることは大切だと私は思います。
f−3:
《F−3:うちの子は症状も軽く、食べものも関係ないので幸せだ?》
正直言って、症状の軽い子は何をしても一時的には簡単に良くなります。しかし、当店では「症状の軽い子ほど長引く!」し、「できるだけ早い時期に、できるだけ“ひどく”出た子の方が勝ち!」と認識しています。
当店をご利用戴いていますお客様のうち、重症だった子の母親始め家族の人達は食事の怖さも大切さを痛感していますので、症状が改善した後も食事や生活に気を付け、元の悪い生活には簡単には戻ろうとはしません。ですから、意外と安定します。しかし、症状の軽い子の母親は、症状が良くなれば「治った!」と勝手な解釈をし、又元の悪い食事に間違いなく戻るからです。つまり、「良くなった→悪い食事に戻る→症状が悪化→食事を気を付ける→症状が改善→悪い食事に戻る」の繰り返しなのです。
f−4:
《F−4:血液検査では何も出ていないのに、先生から食べないように言われたけれど、どうして食べてはいけないの?》
入門者用コーナー 5.「“アレルギー”の4つのタイプ」の中で詳しく書きましたが、“アレルギー”には4つのタイプがあります。中でもT型の“即時型アレルギー”は一般のアレルギー検査(=IgERAST法)で反応が出るのですが、W型の“隠れ型アレルギー”は反応するもの・反応の仕組みが違うのでこの検査では出ないのです。
殆どの先生はT型の“アレルギー”しか“食物アレルギー”と認めていませんので、一般の血液検査で反応が出なければ食べものを気を付けるようには指導しません。
しかし、W型(の検査=“リンパ球”で調べる)でも食べものと反応することは、実施したことのある先生は判っていることですし、何よりも“アレルギー”と疑われる症状が出ている以上、“アレルギー”として対処した方が“アナフィラキシー(=劇症型アレルギー)”予防や表面に出ないところで進行させないようにするためにも、そうする方が安心だからです。
f−5:
《F−5:お医者様から「ちゃんとしたお醤油やお味噌を使って下さい!」と言われたのですが、ちゃんとしたのとしていないのとでは何処が違うのでしょうか?》
「本来の製造方法で、長期間掛けて作ったもの」か、「最新技術を駆使して、短期間で製造したもの」かの違いです。例外も幾つか有りますが、基本的にはお醤油は大豆と小麦と天日塩で、お味噌は大豆とお米で作ります。当店で扱っていますお醤油は1年半以上、お味噌の場合は7ヶ月から1年以上掛けてじっくり発酵させて作られたものです。そうすると“アレルギー” の原因となる大豆や小麦やお米のタンパク質が“アミノ酸”まで分解されますので“アレルギー” が起きにくくなるのです。
しかし、スーパー等で売っているものは途中の手順を省き、約3ヶ月余りの“促成”で作られたものが殆どです。そのために原料のタンパク質がアミノ酸まで分解されていませんので“アレルギー”が起こりやすいのです。お醤油やお味噌は調味料の代表選手ですので言われたのでしょうが、これ以外の調味料にも本来の製造方法と変わったものが沢山あります。お勉強してみて下さい。
f−6:
《F−63:お医者様から「手づくりにして!」と言われたが、一ヶ月に一回くらいの外食もダメでしょうか?》
何故「手づくりにして!」と言われたのでしょうか? お子さんにアレルギーがあるからではないのですか?
何故外食がいけないのでしょうか? 「何が使われているか判らない」からではないのでしょうか?
ちゃんとした素材と調味料を使い、調理方法も確認できて、お母さんが普段ご自宅で作っているのと同じように気をつけて作って下さるお店(美味しさを期待できても、安全性は期待しない方が無難です。母親の愛情以上に深い愛情はありません!)を開拓すれば可能なのではないでしょうか。その努力もしないで外食をしたがるのはお子さんに何を残したいのか、何を伝えたいのかが見えません。
今あるお店の中で、安心して連れて行けるような所はまず少ないと思います。それは、あなたのお子さんのせいではなく、お店側の意識や考え方の問題ですので、皆さんの声でお店を変えていって下さい。これからは“アレルギー”を考慮しないお店は商売が成り立たなくなるほど“アレルギーっ子”が増えます。宿泊施設や飲食店等には「私が指導してあげる!」くらいの自信と責任を持って話しを持っていってみて下さい。但し、初めから「総てお任せ!」ではダメですヨ。何を気を付けて、どう調理すれば良いのかをちゃんと教えてあげられるように普段から心掛けていなくてはなりません。それが出来て、初めて実現への“芽”が出てきます。
例えば、旅館やホテルにお願いしたい場合、早めに調理担当の責任者の方にお手紙を書き、詳しい症状や注意している食品を伝えます。ここで「何故、調理担当責任者へか?」と申しますと、フロントやホテルの責任者の方ではまず何か問題が起きた時の責任問題を考えますので殆ど断ってきます。しかし、調理の担当の責任者の方はそれなりの権限もある上に、様々な病気の方の食事づくりを経験していることが多く、限られた食材の中で調理することぐらい大した問題ではないと考えていらっしゃるようですし、何よりも自分が作った料理を「お客様に喜んでもらえるためなら」と一生懸命作って下さる、本当のプロの方が多いように感じられるからです。タピオカ粉やさごやし粉等の特殊な材料もご存知な方もいらっしゃいましたしネ。
今までの場合ですと、たいていは料理長さんからFAXかお手紙でお返事をいただきました。そこで更に詳しい打ち合わせをしました。材料の問題(野菜や肉の種類 有機農産物でないとダメか? 手に入るルートがあるか?等々)、調味料の問題(使える調味料、手に入れ方等々)、メニュー・調理方法の問題(宿泊予定日の予定のメニュー・材料・調理方法等を聞き、検討します)、部屋の問題、寝具の問題等々。そして、メニューはたいていの場合その日に出されるメニューを参考にしてこちらで考えました。それは料理長さんの頭の中には “アレルギーっ子”が使える食材だけで作れるメニューのレシピは沢山あり過ぎて、却って何を作ったら良いのか迷ってしまうようだからです。普段食べているものや食べ方、好きなメニュー等々を聞かれたらすぐに、そして的確に話せるように心掛けておいて下さい。そして、初めていくところでしたら調味料等は一週間くらい前に前以て送っておく等しておくと調理の担当者の方々に味見等をしていただくことができ、先方も安心して受け入れて下さると思います。
当店のお客様の時は、当店にまでご相談の電話を下さったり、食材を見に来て下さった料理長さんもいらっしゃいました。このようにして、定期的に泊まれる宿泊先を自分達で開拓しているご家族もいらっしゃいます。できれば『ガイドブック』等に載っているところよりも、このようにして開拓していかれることをお勧めします。より安心してご旅行ができると思いますので。
※角田先生の「アレルギーっ子の生活」/05-10/『アレルギーっ子のおでかけグッズ』のページへ戻る
f−7:
《F−7:もうすぐ1歳の誕生日なのでケーキを食べさせてあげたいのですが?》
当店に問い合わせの多いもののベスト3が『マーガリン・マヨネーズ・ケーキ』です。きっと皆さんも頷いていらっしゃることでしょう。しかし、当店には「置きたくない!」ものばかりです。
まず、「1歳の子がケーキを欲しがるのか!」と叱ります。それまでにご家族(特に母親、次に兄弟姉妹)がその子の目の前で食べていなければ、1歳の子供が誕生日にケーキを欲しがる訳が無いからです。そして、子供が欲しがっているのではなく、お母さんが食べたいか、食べさせることの問題をしっかり考えないで言っていることが殆どです。
角田先生はよくおっしゃいます。例えば「クリスマスはキリストの生誕を祝う日で、ケーキを食べる日ではない!」、「バレンタインデーは愛を告白する日で、チョコレートを贈る日ではない!」と。クリスマス症候群・バレンタイン症候群と名付けられ、その日以降具合が悪くなり、入院を余儀なくされる子供達が毎年何人もいます。注意されても、注意されても、そうした子供達が後を絶ちません。『母親の自覚と強い意志』が求められています。1度ケーキを食べさせてしまったら、1粒飴を舐めさせてしまったら、もう甘いものを欲しがる子になってしまいます。薄味のものを食べない子になってしまいます。アメリカでは麻薬の一種に捉えられ、『砂糖病』という本も出されているくらいです。ですから、自分で、自分自身をある程度コントロールできる年齢になるまで与えないで済ませられるものなら済ませたいものです。親がわざわざ我が子の身体に悪いものを与えなくても良いのではないでしょうか? それとも、ケーキの力を借りなkれば“愛情”を伝えられないのでしょうか?
誕生日にはお母さんの愛情いっぱいの料理で十分なのです。それを定番にしてしまえば良いのです。当店で勧めているのは『ちらし寿司』や『変わり太巻き寿司(最近、何冊か出版されていました)』(近日中に写真とレシピを公開します)です。見た目もきれいで美味しいし、何よりも子供達にも安心して食べさせられるからです。飾り付けと切り方を工夫すれば、まるで『ごはんのケーキ』です。
どうかもう少しお考え下さい。殆どの方は「“アレルギー”の原因となる材料が入ってなければ良い!」とお考えでしょうが、本当に怖いのは“アレルギー”よりも“生活習慣病”やダイオキシンや環境ホルモンなどによる遺伝子レベルの損傷や神経伝達の異常です。
「甘いものと脂肪分の多いものには気を付ける!」ことはどの健康雑誌を見ても書いてあります。しかし、現実には、今の子供達の中には1日に1週間分以上の糖分を取っている子もいますし、脂肪分も同様に過剰摂取気味です。それにも関わらず、外で遊ばないので運動不足から肥満となりますし、又、見た目痩せていても中身はコレステロールがたっぷりで、殆どの子が間違いなく“生活習慣病予備軍”状態なのです。甘いもの、脂肪の多いものにもっともっと気を配って欲しいものです。
f−8:
《F−8:“アレルギー”用のマーガリンやマヨネーズが欲しいのですが?》
当店では扱っておりません。《F−4》の答えと似てしまいますが「いくらアレルギー用であったとしても、マーガリンやマヨネーズを使う食生活は生活習慣病につながります。ましてや、常温では液状の植物油脂がどうしたら半固体のマーガリンになるのか考えたことがおありですか? マヨネーズだって脂肪分の摂取が多くなるだけですよ」とお話しします。
常温では液状の植物油脂が、半固体状態のマーガリンとなるためには水素を添加します。その時、難しい言葉ですが位置異性体・幾何異性体が出来てしまいます。これらは「通常、液体状のものを無理やり固体や半固体にしようとするために生じ、これがどういう作用をもたらすか判らない」という心配があります。ラットを使ったテストでは“早死”という結果が出ています。
又、アレルギー用のマヨネーズの場合は、しばらく放置しておくと分離しているので、乳化剤は使われていないようですが、マーガリンには使われています。角田先生は「乳化剤の入っているものは脂肪が大きい分子のままでどんどん血管に入っていくのでアレルギーを悪化させる」として、摂取することを禁止しています。
中には乳化剤と表示されていなくても ショートニングでも同様な作用があり、又、それは卵・大豆を原料としている場合もありますので尚更注意が必要です。
又、油脂分の摂取の多さとダイオキシンや環境ホルモンの汚染度は比例します。それは、それらが水には溶けず、油脂分の中に溶けて蓄積されているからです。今、食物連鎖から見て私達「人間」の身体が一番汚染されているのですが、その原因食品の第一位は魚介類となります。そう言えば、最近、日常的に一番魚を食べていると思われる、漁港に近い区域の子供達に重症の子が多いように感じています。この様なことからも、油を使った料理が多くなりますと食材中のダイオキシンや環境ホルモン等を胎内に入れてしまうことになり、アレルギーを悪化させるばかりでなく、様々な疾病や症状を引き起こすことが徐々に確認されてきていますので極力控えるに超したことはありません。それでも、もし食べたいのなら“食物連鎖”の少ない小魚を、出来るだけ“油”を摂取しないように調理して食べる方が無難です。
f−9:
《F−9:この飴は甘いのでしょうか?》
一応甘いものに心配りしているところは好感が持てます。しかし、飴である以上、例え『塩飴』であったとしても『梅飴』であったとしても、材料が砂糖や水飴であることには変わりがなく、味よりも中身に問題のある食品です。どうしても必要な時には、日常使われているお砂糖を焦がさないように煮溶かし、アルミホイルや耐熱皿の上に適当な大きさで垂らし、冷やして固めた、より安心で、より少ない糖分の摂取で済ませられる、手造りの飴を作っていただきたいと思います。煮溶かす際に入れる水の替わりに果汁を入れて味を付けることも可能です。基本的にはお勧めしません。念のため。
f−10:
《F−10 :このクッキー は甘いのでしょうか?》
甘くないクッキーなんて本当に食べたいのでしょうか? アレルギー用のクッキーの場合もかなりの脂肪分と糖分が含まれています。生活習慣病になりたいのなら別ですが、主原料が現在の三大アレルゲンの1つである“小麦”ですので、出来る限り食べ(させ)ないに超したことはありません。
もし、どうしても食べさせたいのなら手づくりにして下さい。その時に、そのまま当り前の作り方をしますと(てんさい糖等の)糖分はかなり入れないと甘味を感じられないはずですので、材料の生地の中に糖分は入れないで、焼き上げてから温かいうちに袋の中にクッキーと一緒に入れ、混ぜ合わせて周りに付け、後は余分に付いた糖分を払ってお召し上がり下さい。こうすれば少ない量の糖分で甘味を感じられるはずです。この方法はゼリーを作る時にも応用出来ます。糖分は寒天の中には入れず、後から振り掛けるかシロップを作って、掛けて食べれば同じように摂取する糖分の量を少なく出来ます。
f−11:
《F−11 :どのお菓子が美味しいですか?》
《F−12》、《F−13》の答えと似たようなものになってしまいますが味は好みです。 美味しさも人それぞれです。当店では「あなたの好みが判りませんので、ご自分でご確認下さい!」とお話しします。
当店では 売れ筋 と皆さんが求められる美味しさ とは一致しないと考えております。又、当店では美味しさよりも安全性を第一に選考しております。私にとっては、どのお菓子もそれぞれに個性 があって、それが 「美味しい!」と感じられるのですが……。
f−12:
《F−12 :この“カレー”は辛いですか?》
《F−14》、《F−16》の答えと同じようになってしまうのですが、味の好みは人それぞれです。辛口でも甘く感じる人もいます。“甘口”のものでも辛く感じる人もいます。又、「カレー粉とはスパイスの集合体の総称」であり、どのメーカーのものにもそれぞれに特長があり、使われているスパイスの種類・数も異なっています。本場のインドやスリランカの家庭では、カレーは各家庭ごとにスパイスを挽くところから手づくりしますので、使う材料も味も総て違うそうです。基本的には『ターメリック・クミン・コリアンダー』の3つがあれば良く、それ以外のスパイスは味や香りを広げるものです。市販のもので約20種類、専門店になりますと約30種類のスパイスが使われているようです。中にはアレルギーでは注意が必要な小麦粉やそば粉が入っているものもあるようですので確認が必要です。
又、アレルギー用の食材は製造過程においても手づくりのものが多く、作る度に味や見た目にばらつきのあるものも出てしまいます。これは自然の製造においては仕方の無いものですので、ご理解の上、ご家庭でも味を調整するようお願い致します。
f−13:
《F−13 :“あわ”や“ひえ”ってどんな味ですか?》
《F−11》、《F−12》への答えと似てしまいますが、「あわはあわの味。ひえはひえの味」としか言い様がありません。これは何の味を聞かれても同じお答えしか言えません。お米のささにしきとこしひかりと秋田小町 の味の違いや、小麦と大麦、オーツ麦、デュラム小麦の味の違い等々、上手に表現できる方はお教え下さい。
初めてのものを食べるのに不安があるのは判ります。しかし、味には好みがあります。ましてや、雑穀には自己防衛のために持っている特有のエグミがあります。殆どの人には好まれませんが、これを好む人もいます。これらを美味しいと感じられる人は、他の人達よりも広い世界を知っていることと同じです。あなたはどちらでしょう?
f−14:
《F−14 :小麦に “アレルギー”は無いのにパンは止めるように言われたのですが?》
「小麦に アレルギーは無いのにパンは止めるように言われた」のであれば、腸内にカビがあったか日常の食生活に問題があると思われたので言われたのだと思います。
私達の腸内には 乳酸菌やビフィズス菌等の“善玉菌”とカンジタ菌・大腸菌等の“悪玉菌”が両方で数100種類、総数で約100万個ほど存在していると言われています。これがバランスよく存在している時は問題ないのですが、
@体調の悪い時
A抗生物質をよく飲んだ人
Bパンをよく食べる人
C甘いものが好きな人
は“悪玉菌”が増えてしまっていることが多く、そうなってしまいますと腸内が荒れ、いくら良いものを食べたとしても消化吸収が妨げられてしまいますのでアレルギーが良くなりません。これは、北海道のあるお医者様がアメリカの文献から見つけた“イースト・コネクション”と呼ばれるものなのですが、この先生の患者さんで「アレルギーの原因食物を避けているにも関わらず症状が改善されなかった方に、これに対する治療法を試してみたところ、症状が劇的に改善した」と学会で報告され、それ以後、我が国でも一部の先生方が積極的に取り組むようになったものです。最近では、様々な機会に「“腸内細菌叢”が乱れ、免疫力が低下している」とおっしゃるお医者様が出て来られました。これ以上の解説はありませんでしたが、これがこの状態に相当します。
対策としましては
@整腸剤を飲む
Aパンを止める(イースト菌が悪玉菌を増やす)
B甘いものを食べない(悪玉菌の餌になり、元気にさせてしまう)
Cネギ・ニンニク・生姜・ニラ等を食べる(ニンニクの場合、食べ方によっては却って胃を荒らしてしまうので注意が必要。よく加熱し、量を加減する)
D重症の場合は腸の洗浄を行う
等々です。
角田先生の患者さんでは、約8割の子供達がこの状態だそうで,、食の乱れを痛感させられる実例です。ここで発見されたから良かったものの、この“イースト・コネクション”を知らないお医者様や食事の指導をされないお医者様にに掛かっていると中々症状を改善できない場合が多いようです。>
f−15:
《F−15:小麦に “アレルギー”が有るのですが、何を食べたら良いのでしょうか? うちの子はパンが大好きなのですが?》
申し訳ございませんが、当店では子供達に「好きなものや美味しいものを食べさせてあげたい!」とは考えていません。基本的に、小麦は肉を食べる際の副食品としてのパン、揚げ物としての油料理に使う小麦粉・パン粉、油菓子としてのビスケット・クッキー・ケーキ・スナック菓子に使われることが多く、生活習慣病の原因となる最たるものと考えております。
特に『パン食』となりますとジャムやマーガリンを塗ることでの糖分と脂肪分の摂取、大人でしたら飲み物がコーヒーか紅茶で中に砂糖・ミルクを入れれば糖分・脂肪分の摂取、子供ならば牛乳かジュースで脂肪分や糖分の摂取、おかずが炒めものが多くなり脂肪分の摂取、これに果物でも加わればこれまた糖分の摂取となり、どうしても『ご飯食』に比べると糖分と脂肪分とも過剰摂取気味となってしまいますので極力控える様指導しております。
当店のお客様のお子さん(高校2年生)でしたが、やはりパンが大好きで、「パンが食べられないなら死ぬ!」と言ってお母さんを困らせた子がいました。とにかく症状もひどかったので「取り敢えず3ヶ月間だけ我慢してみよう!」と説得して取り組んだ結果、本人も驚くくらい症状が改善したので、それ以後、お母さんが「少しくらいなら食べても良いのよ!」と話しても食べようとはしなかったそうです。この場合、症状が改善されたからだとは思うのですが、“糖分”と“脂肪分”の摂取を減らしただけでも症状は結構良くなるものです。パン食の害をよくお話しされて、“家族全員”で出来るところから取り組んでみて下さい。何も努力をしなければ、何も変わりません。
もし、小麦が大丈夫なのでしたら野菜が一緒に食べられる『うどん』がお勧めですが、お好み焼きやクレープにして、上に色々載せたり間に挟んで食べるのでしたら“糖分”や“脂肪分”が控えられますので時々なら良いのではないでしょうか。
最近では、多くのお医者様が「健康のためには“和食”が一番!」と言って下さるようになりました。しかし、今のお母様方にはそれが出来ないようです。お勧めしている調理方法は「煮る・炊く・蒸す・焼く」です。この中では小麦が使われることはあまり有りません。ご飯に味噌汁に漬物をメインにして、豆や野菜や乾物を使った煮物をおかずにし、肉や魚は食べられるものがあればそれを時々食べるくらいで十分なのです。後は、それを「いかに変化させるか!」だけです。
f−16:
《F-16:小麦にアレルギーがあるのですが、うちの子は『パン』が好きなのでお米で作ったパンなら食べても良いしょうか?》
『パン』を食べ(続け)る弊害は《f−12》でも書きましたのでここでは書きませんが、『お米のパン』の問題を挙げておきます。
@アレルギー用に開発された『Aカットパン』について
このことはこのパンを扱っていた他のお店の方も知らなかったことなので、当然そこで購入されていたお客様も知らなかったことです。当店に買いに来られて(一度扱っただけなので、その時はもう無かったですが)、私に言われて食べるのを止められた方も大勢いらっしゃいます。メーカーさんにも伝えてあることですので、今は“表示”も変更されているかも知れません。現在、召し上がっておられる方はご確認してみて下さい。
袋の後にかかれている『原材料名』のところです。『米・植物油脂・増粘多糖類・糖類・食塩』と書かれています。皆さんはこの『植物油脂』は何だと思われていますか? 殆どの人が『PCAなたね油』と思われているのではないでしょうか? これが違うのです。本当は『A−1マーガリン』だったのです。これは《f−5》でも書きましたように、製造過程で水素添加していますので幾何異性体や位置異性体も出来ているはずですし、乳化剤も香料も入っています。しかし、これらは原材料に含まれているものとして表示しないで良いことになっています(近い将来「使ったものは全て記載する」ことになるはずですが、それでも問題は残る)。乳化剤も香料もアレルギーには良いものではありませんので、いくら法律的には表示しなくても良いものでも、「それで具合の悪くなる子がいると認められている以上、アレルギー用の食品を作っているメーカーとしてはちゃんと表示すべきだったのではないでしょうか?」と、申し入れました。その後、どうしたのかは返事をいただいておりません。メーカーも販売店も親もモットモット慎重に取り組むべきです。その子の命や人生に大きく影響することをしっかりと肝に銘じるべきです。ある時、お付き合いのあるアレルギー食品のお店の方からも、このパンで体調を悪くした子供がいたことを教えられました。やはり、無理して作ったものには問題が残ってしまうようです。
A最近、巷で流行りの新潟産の特殊な微粉末の米の粉を用いて作った『お米のパン』について
最近では朝の人気番組の1つである「はなまるマーケット」でも取り上げられていましたし、新聞の三大誌でも取り上げられたよう(朝日新聞と読売新聞は見ました)なのでご存知の方も多いと思いますが、このパンの中には“小麦のグルテン”が約10〜15%含まれているものが殆どだそうです。
このパンはアレルギーっ子を対象に作られたものではありません。お米の拡販のために開発されたものです。ですから、対象はあくまでも“一般”の人達なのです。食べやすくて、おしゃれで、健康に良さそうなイメージを売りにしているものです。
それが、小麦の水溶性の蛋白質が極微量にしか含まれていないため小麦にアレルギーがある(=水溶性蛋白質IgEが陽性)子が食べても大丈夫だったケースがあったために「小麦アレルギーでも大丈夫!」と広まってしまいましたが、本当に大丈夫なのでしょうか?
そこで、当店が指導を受けています専門医 角田先生にお聞きしました。
「一般のアレルギー検査であるIgE検査で調べられる“小麦のアレルギー”の場合は小麦のグルテン以外の部分(=水に溶ける)です。ですから、「小麦のグルテン」にアレルギーがあるかどうかを調べるにはグルテンのIgEを調べなければなりません。小麦IgE(水溶性蛋白IgE)で陽性の人で、年齢が中学生近くなった時はグルテンのIgEも調べます。グルテンは消化が悪いため、運動前に食べていると未消化の状態で吸収されてしまい、運動誘発性アナフィラキシーを起こすと言われています。ですから、パンにグルテンを入れて小麦アレルギーの人に食べさせることは危険です」と先生はおっしゃっています。
さらに付け加えて、「ただし、小麦アレルギーがあり、グルテンアレルギーはない人が、日本人、または低年令では多いので、食べても大丈夫な人が多いのでしょう。小麦IgEが高い人は低年齢でもグルテンアレルギー陽性者がいます。日本では水溶性の小麦蛋白アレルギーを一般的に小麦アレルギーと言っていますが、アメリカでは小麦アレルギー=グルテンのアレルギーのようです」とのことでした。
※今までのお答えの中に一部表現・内容等に誤りがありました。ここにお詫びし、改めて訂正させていただきました。
小麦アレルギーの子供が一時的にこのお米のパンを食べられたとしても、その後食べ続けていれば「小麦のグルテンアレルギー」や「アナフィラキシー」を引き起こしてしまう危険性は十分考えられ、そうなってしまった時には却って大変な思いをさせてしまうのでは……と危惧しております。その危険性を覚悟の上でお召し上がり下さい。
Bこの度、小麦のグルテンも植物油脂も乳化剤(ショートニング)も使われていないお米のパンが開発されたことを角田先生より知らされ、(基本的にパンは食べていただきたくは無いのですが)本当により安全・安心で美味しいものであるならば、毎日の食生活に“アクセント”を持たせる上で役立つならと、定期的にでも入れてあげられないかとメーカーさんにご連絡をとりました。
そのパンの名前は『BRice(ブライス)』と言います。
現在は北海道産の低農薬ゆきひかり(アレルギー用のお米として一部の先生・地域では評価されているお米)と上白糖、生イースト、ラフィノース(オリゴ糖)だけで作っているそうですし、歯応えは小麦のパンよりありますが、今まで食べたどのお米のパンよりもパンらしく、ふっくらしていて、クセもありませんでした。
これで右の写真のようにケーキのスポンジも作ってくれます。
当面は月に2回(第2・第4土曜日)に入荷(ケーキスポンジについては打診中)します。入荷数に限りがありますので『予約』を優先致します。
賞味期限は常温で4日、冷蔵で20日、冷凍(スライスしてからの方がgood!)で約3ヶ月とのことです。しかし、北海道から送られてきますので着くまでに2日かかります。土・日に取りに来れない場合は冷蔵か冷凍になりますのでご承知おき下さい。
価格はお米のパン『BRice(ブライス)』が1本750円(送料・税別)、ケーキスポンジは1,500円(送料・税別)です。
※現在取り扱いを休止しております!
当店の患者さんではないのですが、BRice(ゆきひかり)を召し上がって“小麦アレルギー”によると思われる“アナフィラキシー”を起こされた事故が発生致しました(詳しくは、ヘルシーハットさんのHPをご覧下さい)。当事者であるヘルシーハットさんとメーカーである株式会社 おこめ安心食品さんとでは検査結果も見解も違っております(メーカー側のは株式会社 おこめ安心食品安心さんのHP内の「お知らせ」をご覧下さい)が、当店としましてはヘルシーハットさんの主張されていることを支持し、BRice(ゆきひかり)に関する表示や製造上の改善がなされる旨確認されるまで取り扱いを休止したいと考えております。(2003年11月30日)
f−17:
《F−17:この店にあるのはうちの子はどれも食べられるのでしょうか?》>
何を気を付けるかも言わないうちにこう切り出される方が大勢いらっしゃいます。「アレルギー用であればどれでも食べられる!」と思われているようです。しかし、残念ながら使われている材料、お子さんの味の好み等により食べられるものもありますし食べられないものもあります。又、『アレルギー用』だとか『敏感肌用』だとか『アレルギーパッチテスト済み』だとかいう表示は“絶対安全”という意味合いにはならないということをご認識下さい。
f−18:
《F−18:牛乳飲まないで本当に“カルシウム”不足の心配はないの?》
1955年(昭和30年)が14.2g、40年後の1995年(平成8年)が144.5g。これは何の数字かお判りでしょうか?
私達日本人が1人当たり、毎日摂取してきた『乳および乳製品』の量(四訂 食品成分表 1999年版より)です。この40年間で約10倍になっています。でも、今の人達の方が“骨粗鬆症”の心配をしております。これだけ見ても「牛乳が私達の骨を強くする!」とは言えないと思いませんか? 先日、角田先生とのお話しの中で“骨密度”の話しになりまして、牛乳を飲むと確かに“骨密度”が高くなるそうです。しかし、“骨密度”が高いからと言って強い骨だとは言えないそうです。「牛乳を飲んでいる人の骨は一見しっかりしているように見えるけど折れやすい」そうです。大事なのは骨の“密度”ではなく骨の“質”だそうです。そう言えば、あるお宅の 男の子と女の子の一卵性双生児の双子ちゃんは男の子の方が“アレルギー”がひどくて牛乳はもちろん卵も食べていなくて少し痩せっぽっち君でした。しかし、女の子の方は何もアレルギーが出ていなかったので牛乳は飲んでいて、俗に言う“健康優良児”タイプの少しポッチャリちゃんでした。でも、何かの時に骨折していたのは牛乳を飲んでいた女の子の方だったのです。このことを実際に見た私としては「やはり牛乳で骨は強くならない!」と感じざるを得ませんでした。
又、次の数字をご覧になって下さい。可食部100g当たり100mgと27mg(四訂 食品成分表 1999年版より)です。これは別の食品の、同じものの“含有量”を表している数字です。「100g中100mg含まれているもの」と言ったら『牛乳』と気付く方も多いことと思います。ピンポ〜ン! 大当たり〜! そして、100g中27mgしか含まれていないものは『母乳』です。当たりました〜?
この場合、自然界の法則から言って、もし本当に人間に異種タンパクである牛乳のカルシウムに頼らなければいけないほどのカルシウムが必要であるとしたら、きっと『母乳』にもそれに匹敵するだけのカルシウムを含ませていたはずです。そうでなければ赤ちゃんがちゃんと成長できなかったはずだからです。でも、皆ちゃんと成長してきたではないですか。中には母乳の出が悪くて、成長に何か問題の出てしまった子もいたでしょう。でも、それでも、それは“母乳”の問題ではなく、“母体”の問題だと思います。
ある専門家の考えでは、「アジアの人達は平均して1日に200〜400mgの“カルシウム(量)”しか取っていない。日本人もアジアの一員なんだからそれくらいで十分なはずだ! しかし、“糖分”や“リン酸塩”の取りすぎや、外で遊ばなくなった(ビタミンD不足)こと等が骨をもろくしている大きな要因!」とのことでした。それに当てはめれば、「唯一欠乏しているミネラル」と言われている“カルシウム”は、今でも約550〜600mg弱
(四訂 食品成分表 1999年版より)は摂取していますので足りないどこらか多過ぎるくらいなのです。後は食事を気を付けて甘いものやリン酸塩の含まれている加工品を多く取らないようにすること、そして、太陽の下で元気よく遊べるようになれば心配する必要は無いはずです。
哺乳動物の中で、成人してもお乳 (それも異種の動物である牛のお乳を)を飲んでいるは人間だけです。そんな人間の中にも住んできた地域・気候・風土・環境等により、牛乳や母乳に含まれている“乳糖”を分解できない人達がいます。残念ながら、私達日本人の中には約9割以上の人達が“乳糖”を分解できない人達と言われています。よく大人の方達の中に「牛乳を飲むとおなかがゴロゴロする!」とか「便通がよくなった!」とおっしやる方がいらっしゃいますが、それがその証明であり、この状態ではいくら“栄養価”の高い牛乳でも、「身体を傷つけこそしますが何の栄養にもなっていない」状態です。それが日本人の“普通”なのです。
私達、日本人の身体は2歳頃までは“乳糖”を分解する酵素(ラクターゼ)が出ていて母乳を飲めるようになっていますが、離乳食を始めていくとやがて乳糖を分解する酵素に替わってご飯等の“デンプン”を分解する酵素(アミラーゼ)が 出てくるようになります。このことからも、私達日本人の身体はお米を食べるように作られているのが判ります。
f−19:
《F−19:離乳食を始める時期なのですが、何を食べさせたら良いのでしょうか?》
今のお母さん達は「離乳食=ベビーフード」とか「特殊な食事」だと思っているようです。あなたのお子さんは何が食べられないのでしょうか? 卵? 牛乳? 大豆? 小麦? お米まで言われる子は早々いないとは思いますが……。
まず“離乳食”とは何なのか考えてみましょう。“離乳食”とは文字通り「母乳及びその代用品から離れるための食事」です。《F−18》でも書きましたように、人間の場合、乳児の時は“乳糖”を分解する酵素(ラクターゼ)が出ていますので母乳を飲めるようになっていますが、やがて乳糖を分解する酵素に替わってご飯等の“デンプン”を分解する酵素(アミラーゼ)が出てくるようになっています。その“移行”をスムーズに行うためにするのが“離乳食”なのです。ですから、“消化”しやすいように料理したものであれば良いのです。お父さんとお母さんがお子さんが食べられるものだけで作ったものを食べていらっしゃれば、それを潰すなり柔らかくしたもの(土鍋で調理したものであれば尚結構)を与えれば良いのです。あなたのお子さんが日本人であるならば「ご飯と味噌汁と野菜の煮物」をメインにあげて下さい。その他のものはお子さんの体質や体調等を考えて合わないものは止め、大丈夫なものは過剰摂取にならないよう(これは“離乳食”以降も同じです)に気を付けてあげて下さい。その際の味付けは極力“薄く”して下さい。私は三歳までに基本的な人格や味覚が備わってしまうと思っています。この時期に“濃い味付け”のもの、“甘い”もの、“脂っこい”ものを与えてしまいますと“薄味”のものを食べなくなり、私達の体質に合った食事を敬遠するようになってしまいます。
f−20:
《F−20:お米にアレルギーが出ているのですが、何を食べさせたら良いのでしょうか?》
それは「主治医の先生とよくお話し下さい。」と言うのがお答えです。何年か前でしたら殆どの先生が「お米にアレルギーが出ている!」のでしたら間違いなく“雑穀”や“低アレルギー米”を使っていました。しかし、今は出来るだけ“お米”を使うようにされている先生が多いようです。と言うのも、
@“雑穀”もお米と同じ『イネ科』であり、お米にアレルギーがあるなら“雑穀”にも反応が出る場合が多い
Aもし反応が出た場合、お米よりも“雑穀”の方がひどいようですし、何よりも食べづらいので続けさせにくい
からみたいです。雑穀には玄米と同じように豊富な栄養がありますが、続けられなければ意味が無いですものね。
お米でも雑穀でも“糯(モチ)系”と“粳(ウルチ)系”だったら“糯系”の方がアレルギーが出やすいことはご存知だと思います。でも、細かく言えば、次に書くように“銘柄”でも“栽培方法(農薬・化学肥料の使用・不使用)”でも異なりますし、もっと細かく言えば“産地”や“生産者”や“畑”・“収穫時期”・“炊く際の道具”・“食べ方”によっても違いが出てくる(場合がある)と考えています。お米に関してのアレルギー
の出やすさは概ね次のようになります。
←アレルギーが出やすい アレルギーが出にくい→ | |||||
---|---|---|---|---|---|
基本 | 糯(モチ)米 | 粳(ウルチ)米 | 低アレルギー米 | 高度精白米 酒米 |
Aカット米 ファインライス |
玄米 白米 | |||||
粳(ウルチ)米 | コシヒカリに近い(ひとめぼれ・あきたこまち等) コシヒカリに遠い(ササニシキ・ゆきひかり等) | ||||
農薬・化学肥料 | 使用多い 使用少ない | ||||
あわ・ひえ | 西日本産 東日本産 | ||||
炊く道具 | 薄地の鍋・釜 厚地の鍋・釜 土鍋・セラミック鍋 | ||||
研ぐ回数 | 少ない 多い | ||||
食べ方@ | 早食い ゆっくり、時間を掛けて食べる | ||||
食べ方A | 水分で流し込む よく噛んで食べる | ||||
食べ方B | 怒られながら・いらいらしながら 楽しく食べる | ||||
(朝食の場合) | 起きてすぐ食べる しっかり目覚めてから食べる |
この中で注意して欲しいのは『低アレルギー米』と『高度精白米・酒米』との違いです。
一般にはアレルギー用のお米は『低アレルギー米』と呼ばれて売られていますが、その内容には大きな“差”があります。当店が『低アレルギー米』として売っているお米は“あけぼの米”の『酒米』です。しかし、殆どの場合は「2〜3回精米」した『2度搗き米』、『3度搗き米』です。その“差”は“精米度合い”で、『酒米』の場合が約40〜50%も削ってあるのに対し『3度搗き米』の場合でも20%前後しか削れていません。その違いは“精米方法”によるものなのですが、アレルギーが「その食品のタンパク質で起きる」と言われていることを考えると、この“精米度合い”はアレルギーの出方に大きく影響します。そのため、お医者様によっては『酒米』を「お米のアレルギーにならないうちに、予防ために食べた方が良い!」と言っているくらいですから。しかし、「アレルギーが出なければ良い!」と言うものではありません。
当店のお客様の中で『酒米』を食べているのはアレルギーっ子よりも腎臓病の方の方が多いくらいです。それは、「『酒米』がお米の表面を削った“低脂質米”であることから長く食べすぎると『低コレステロール血症』になる怖れがあるのでなるべく使いたくない!」とする角田先生のお考えからです。先生によると大人の人に食べさせたらあっという間に『低コレステロール血症』になってしまったそうです。コレステロールも多ければ問題ですが、少なくても問題ということです。※1
『Aカット米』はタンパク質の中でも食塩水で溶質できるタンパク質“グロブリン”を高圧処理と洗浄で減らしたお米で、『ファインライス』は同タンパク質を酵素処理したお米ですので、あなたお子さんのお米のアレルギーがこの“グロブリン”が原因であるならこれらのお米は有効ですが、これ以外のタンパク質が原因の場合には役に立たないこともあります。
※1 前回の−それは、「『酒米』が“低タンパク米”であることから「『低血糖』になる怖れがあるのでなるべく使いたくない!」とする角田先生のお考えからです−は表現的にも、内容的にも誤りがありました。謹んでお詫びし、訂正させて頂きます。
f−21:
《F−21 :商品の裏の“原材料名”の表示の中に、我が子のアレルギー源となるものが書かれていなかったら食べても良い?》
まず、皆さんにご質問します。
@スーパー等で売られているお醤油の裏には次のように表示がしてありました。『原材料名 脱脂加工大豆、丸大豆、小麦、塩、アルコール』 さて、このお醤油の場合、何が問題なのでしょうか?
A豚肉は大丈夫なので“ミンチ”や“スライス”を『スーパー』や『生協』や『肉屋さん』で買っている。 これで大丈夫?
B『ノンオイルドレッシング』には“オイル”は入っていない?
C卵・牛乳・大豆・小麦にアレルギーがある子のために、『この商品には大豆と卵と牛乳と小麦は入っていません』と書いてあったら、安心して買う?
Dパッケージの裏の『原材料名』の中に書かれていない『食品添加物』は入っていないと思う?
どうですか?
@の場合は「原料に使われた大豆(遺伝子組み換えの場合もあります)と小麦の栽培時に使用された農薬等」と、「短期間で作った(=発酵させた)ものですので大豆と小麦のタンパク質が大きな分子のまま残っている」こと、それに「本来の作り方ですと必要の無いはずのアルコールが使われている」ことにも注目して欲しいと思います。基本的に“脱脂加工大豆”とは大豆油を絞った後の“カス”です。
A基本的に、お肉屋さんにしてもスーパーや生協等のお肉のコーナーにしても“ミンチ”にするのも“スライス”にするのも機械(“ミンサー”や“スライサー”)でしていると思います。そして、当然その機械では鶏肉や牛肉等の他の獣肉も処理しているはずです。そのために、その獣の“成分”が買われた豚肉に入ってしまっている可能性が高くなります。買って食べてみたら「何か合わないな〜」と感じられましたらこのことを疑ってみて下さい。対処の仕方としては“ブロック”で買って、ご自分で“ミンチ”や“スライス”にすれば済むことです。“ミンサー”は1台あると便利ですね。魚が大丈夫でしたら小魚を骨ごと“ミンチ”にして色々な料理が作れますし、ウィンナーも簡単にご家庭で作れます。その他にも“育て方(抗生物質等の使用他)”の問題もありますので、出来るだけ安全で健康的に育てられた豚の肉を探されることをお勧め致します。
Bの場合は『ノンオイルドレッシング』には“オイル”は入っています場合が殆どです。『ノンシュガードリンク』の中には“砂糖=糖分”は入っていませんが“糖アルコール=糖質”は入っています。これは近い将来に表示方法が変わるかも知れませんが、現状としては我が国の法律が“許可”していることなのでそれを理解し、それに対応する以外にはありません。 我が国の『食品の表示に関わる法律』としては厚生省が決めた『食品衛生法施行規則』、農水省が決めた『品質表示基準』、公正取引委員会が決めた『公正競争規約』等があり、又、『栄養の表示』に関しては『栄養改善法』があって、それぞれに表示の方法や基準が定められているのでとても判りにくくなっていますが、『ノンオイルドレッシング』の“オイル”の量に関しては『栄養改善法』の中で、
栄養成分 | 含まない旨の表示が出来る(未満) | 低い旨の表示が出来る(以下) |
熱 量 | 5Kcal | 40Kcal (20Kcal) |
脂 質 | 0.5g | 3g (1.5g) |
糖 質 | 0.5g | 3g (1.5g) |
ナトリウム | 5mg | 120mg (120mg) |
と書かれていますので基本的には“0.5g”までは『ノンオイル』と言って良いのですが、但し、「ドレッシングタイプの調味料(『ノンオイルドレッシング』等)については、脂質の“含まない”旨の表示については“0.5g”を、当分の間“3g”にする」という“付記事項(特例)”がありますので“3g”までが『ノンオイルドレッシング』として認められています。アレルギーの場合、『大豆(油)』に反応する子は“混入”という“超微量”でも反応しますので、この“3g”は多すぎますよね。
C安心して買えません! あるアレルギー用の食品のパッケージの表には、商品名の上に「卵・牛乳・小麦を使わない食品」と目立つように書かれています。しかし、裏に書かれている原材料の中には「野菜・オーツ麦・なたね油・甜菜糖・天然酵母・食塩・タンパク加水分解物・香料」と書かれていました。この商品を買われるお客様の殆どがこの商品には「小麦は使われていない!」と思って買われていました。確かに“小麦”は使われてはいません。しかし、“小麦”の親戚関係である“オーツ麦”が使われています。アレルギーの場合、そのものだけでなく“親戚関係”のものにも注意を払います。“卵(=鶏のもの)”がダメな場合、鶏の卵だけでなく合鴨や七面鳥にも気を付けます。(もちろん魚の卵にも気を付けます) これと同じように、いくら「“オーツ麦”だから“小麦”とは違う」し、“小麦”よりも出にくいからと言って「使っていない」と表示して良いものなのでしょうか? これが一般の食品のメーカーさんのものだったら「仕方が無い!」とも思います。しかし、これでは本当に「アレルギーっ子のことを考えて作った!」と言うよりも、「商売になる。もっと売りたい!と言う気持ちの表れではないか」と感じるのは私だけでしょうか? 《F−13》の答えの中でも書きましたが、これもメーカーさんにはお話ししましたが、未だにお返事も対応もされていません。ちなみに、当店では小麦に反応が出なくなったら国産の無農薬の薄力粉やオーツ麦やデュラム小麦で試すことはしますが、血液検査に出ているうちはオーツ麦もデュラム小麦も“使用禁止”にしています。
D厚生省はこの『添加物の表示に関して、表示を免除する』場合を次のように定めています。
a.加工助剤
最終食品の完成前に除去されるもの、又はその食品の通常含まれる同じ成分に変えられ、しかも、その成分の量を明らかに増加させて いないもの、又は最終食品中に含まれる量が少なく、その成分による影響を受けないもの
……食用油脂製造時に使用される溶剤のヘキサン等
b.キャリーオーバー
食品を製造又は加工する際には添加物を使用していないが、その食品の原材料を製造又は加工する際には使用されていて、最終食品 にその添加物が残っていたとしても、その添加物が効果を発揮することが出来る量よりも少ない量しか含まれていないもの
……《F−13》に書きました『お米のパン』に使われたマーガリンを製造時に使用した乳化剤や揚げ物に使われたパン粉の製造時に使われた様々な添加物等
c.栄養強化の目的で使用されるもの
ビタミン等を添加物の用途として使用する(酸化防止や着色等)のではなく、あくまで栄養成分(タンパク質、ビタミン、ミネラル等)を強化するために使用するもの
a.量り売り、対面販売の場合
b.容器包装されていないものの場合
c.包装面積が30p2以下のものの場合
と決められています。
アレルギーっ子の場合、一般に「問題ない」とされる微量なものにも反応します。安全だと思って与えたものでも反応が出た場合に、こうした決まりを理解しておくことは様々な原因を推察する上で大切なことです。
f−22:
《F−22 :アレルギー用食品を、アレルギー食品店で買えば安心だ?》
残念ながら「Yes!」とは言えません。それは「“アレルギー用”食品で“アナフィラキシー”を起こしたケースを数多く知っている」からです。
その中でも一番多い原因は(厳しい言い方になりますが)「買う側のミス」としか言いようがありません。自分の子供が食べても大丈夫かどうかを自分で判断して買うことが出来なかったのですから。原材料の表示の中にもちゃんと書かれてあったのに確認しないで買ってしまい、我が子に食べさせてしまったケースで、小麦に強いアレルギー反応を起こす子供に、小麦の入ったものを確認もせずに買って、食べさせて“アナフィラキシー”を起こしてしまったケースがこれに当たります。
その際にも、お店の人も「小麦が使われていますが大丈夫ですか?」と一言確認して下されば良いのですけど、お店の人が“アレルギー”をよく理解していない場合や勉強不足の場合等はそれもされていない場合が多いようです。こんな例がありました。甘味料として使われている“ステビア”が“キク科”の甘味料であるのに、客が「私には“キク科”の花粉症があるのだけれど大丈夫ですか?」と確認したのに、そこの店の店員が「うちのは“アレルギー用”に作られたものだから大丈夫!」と言ったので購入し、食べて体調を悪くしたケースです。「自分で判断し、自分で選べるようになって欲しい!」と願う理由はここにあります。自分に“キク科”のアレルギーがあり、“ステビア”が“キク科”のものであることまで判っていながらどうして買ってしまったのでしょう?
ご自分や我が子の身体を守るためには自信を持ってご自分で判断して欲しいものです。 《F-13》のところでも書きましたが、『お米のパン』に使われている“植物性油脂”が“A−1マーガリン”であることを知らされないで購入していたケースでも、「このパンを食べてアナフィラキシーを起こした子がいた」のですから……。
この他にも、原材料名が3つ書かれた食材(デュラムセモリナ粉・ベーキングパウダー・パーム油)で、そのお子さんはその全ての材料を別々の機会に食べたことがあり、その時は大丈夫だったそうです。しかし、同時に食べたその時(誕生日のケーキ)は口にしたとたんに苦しみだし、アナフィラキシーを起こしたそうです。商品に問題があったのか、母親がそれで調理した時に問題があったのか、それ以外に原因があったのかは判りません。単独で食べた場合は大丈夫だったものが、いくつかが一緒に身体の中に入ってきた場合には合わなくなることも考えられます。しかし、私は何よりも「“アレルギー用”食品(特に加工食品)だからと言って安心せず、出来るだけ“素材”を購入し、自分の手で調理(加工)することが一番安全で、確かなんだ!」と言いたいです。自分の子供の“健康”を他人任せにして、後で後悔することのないようにして欲しいものです!
f−23:
《F−23 :アレルギー用のミルクはいつまで飲んでいて良いのでしょうか?》
きっと“牛乳”にアレルギーが出たために、“アレルギー”用のミルクを飲んできたのだと思います。この相談は他のお子さんたちが“フォローアップミルク”を飲み始める頃や、“牛乳”を飲めないことから来る“カルシウム不足”に対する不安が芽生えた頃によくきます。
当店では、機会ある毎に言わせて戴いていますが「アレルギーが有ろうと無かろうと“牛乳”は必要ない!」と思っています。母乳の時期は、出来るだけ“母乳”を飲ませられるよう努力して戴きたいのですが、どうしても“母乳”が飲めない状況であるならば“代替ミルク”が必要の場合もあるでしょう。しかし、それも、歯が生えてきて、物をちゃんと噛めるようになる2歳近く(体内の消化酵素が離乳食期を境に、乳糖分解酵素の“ラクタ-ゼ”よりデンブン分解酵素の“アミラーゼ”の方が強くなってくるから−島田彰夫著「食と健康を地理からみると」より−)までは母乳を飲んでいても良い!」と思っています。しかし、それ以降は他の哺乳動物でも“お乳”を飲ませることはしません。ちゃんと身体に合った食事を取ります。ちゃんとした食事をとっていながら、ましてや“異種タンパク”である他の動物の“お乳”の飲んでいるのは人間くらいです。基本的に間違っているのです。
しかし、お子さんの主治医の先生が何を考え、何のためにそれを使うように奨めたのかは私には判りません。それなりの“理由”があるのだと思います。それを、無視して「止めなさい!」とは言えません。やはり、主治医の先生にご相談して頂く以外にはありません。
お医者様の中には、
@体重が増えないため、
Aカルシウムの補給のため、
に“代替ミルク”を使われた方がいらっしゃいました。それは、お医者様の判断ですし、お医者様の仕事の“領域”です。私がとやかく言えることではありません。
f−24:
《F−24 :アレルギー用のフォローアップ的なミルクは飲ませる必要は無いのでしょうか?》
今では、一般の場合、普通のミルクの次に“フォローアップ用のミルク”を飲ませることが“常識”のようです。
しかし、ここでよ〜く考えてもみて下さい。お母さんの”母乳”が時期が来たら成分が変化(=栄養分が増加)しますか? 変化なんかしないでしょう。成分はそんなに変わりません。只、飲む量が増えるだけです。“フォローアップミルク“なんか必要の無いものなのです。そんな当り前のことさえも判らなくなっっている。自分で判断出来なくなってしまった。これでは、“アトピー・ビジネス”に狙われるだけです。
アレルギー用の“フォローアップミルク”はありません。必要の無いものです。時期が来たら“離乳食”を始め、ちゃんとした食事から必要な“栄養”が取れるようにして下さい。