アレルギーっ子の生活

<05-15      2001年10月27日(土)公開>

【アレルギーっ子とおねしょ】

 アレルギーっ子には、おねしょをする子が目立ちます。何故でしょう? 小学校に入学するころになってもまだおねしょが治りません。お母さんは心配になってきます。どうしたら良いのでしょうか?

 アレルギーっ子がおねしょをしやすい理由があります。

その1。アレルギーっ子は寝た後すぐに眠りが深くなりません。
おしっこに起きられない場合

 アレルギーっ子がフトンに入ると、フトンのダニ抗原やカビを含んだホコリを吸い込んでしまい鼻が詰まったり鼻水が出たり咳が出て気持ちよく眠られません。また、ほこりに触って体が痒くなり、なかなか眠れません。眠りは浅くなり、脳の下にある脳下垂体から抗利尿ホルモンの分泌が少なくなり、尿が起きている時と同じように作られ、膀胱には尿が溜まっていきます。眠りは徐々に深くなり、同時に膀胱が満杯になり、眠ったままおしっこをしてしまいます。

 寝た後すぐに眠りが深くなりぐっすり眠ると、脳下垂体から抗利尿ホルモンが分泌され尿の作られる量は少なくなります。一度ぐっと深くなった眠りは徐々に浅くなり、膀胱が尿でいっぱいになった頃には、眠りはかなり浅くなり、おしっこをしたくなった感覚で目覚め、お便所に行くことができます。

 なかなか寝付けない原因は他にもあります。気管支喘息の発作を治すために使う薬、テオフィリン製剤は興奮し、尿がいっぱいでます。喘息で薬を飲んでいるときは、おねしょはしかたがないかもしれません。喘息が起こらないように環境整備や食事に気を配り、薬を飲まなくてもいいようになりましょう。他にも、寝る前に刺激的なテレビを見たりゲームをして興奮したり(特にテレビゲームは眠れなくなります)、カフェインの入っているお茶やコーヒーを飲んだりすれば眠りは浅くなってしまいます。

 寝る前には静かに本を読んだりお話をしたりしてぐっすり眠るようにしましょう。もちろん、寝る直前に水物を飲みすぎないように、寝る前のおしっこは忘れないように。

その2。あまりに親の面倒見がよすぎるとなかなかおねしょはなおりません。

 ぐっすり寝たままでおねしょをしてしまい、本人がおねしょにまったく気づかない場合があります。そんな時、親がそっと服を着替えさせ寝具の処理をしてしまうと、本人はおねしょをしたという記憶がまったくありません。この場合はおねしょを治すことはできません。おねしょをすると気持ち悪いので、「気持ち悪くならないようにしたい」という気持ちから治していくのです。おねしょをしたら本人を何とか目覚めさせ、おねしょをして気持ち悪い感触を味合わせて下さい。きれいなタオルをお湯で湿らせおしっこで濡れた部分を拭いて下さい。拭いた後の気持ち良さがわかるとおねしょはなくせるかもしれません。紙おむつをしたまま寝ていると、濡れた嫌な感じがわからず気持ち良く眠れるため、おねしょは治せません。見てね!

その3。アレルギーがあると膀胱の筋肉のコントロールができず、頻尿になるためおねしょをしてしまいます。

 アレルギーがあるものを食べたり、吸い込んでしまうと膀胱の反射が強くなり、おしっこが近くなります。少し尿が溜まるだけでおしっこをしたくなり、朝まで持ちません。アレルギー対策が必要です。

 アレルギーっ子たちは、神経や内分泌・免疫系がうまく調和して働くことが出来ないことがあります。胎児期からさまざまな化学物質の影響を受けているためかもしれません。そのために、排尿の調節がうまく出来ずおねしょが続く可能性もあります。前述の3つの事を考え、実行しながらのんびりと、まあ中学生になるまでに治ればいいかと思っていましょう。

稀に腎臓の病気などがある時におねしょが治らないことがあります。あまりに続く時は、きちんと検査が必要です。検査をしても異常がなければのんびりと治すようにしましょう。

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