<04-49 2001年09月29日(土)公開>
我が国における過去の健康危害の実情を調査し、過去に一定の頻度で血圧低下、呼吸困難又は意識障害等の重篤な健康危害が見られた症例から、その際に食した食品の原材料の中で明らかに特定された原材料を、特定原材料とする。 特定原材料として表示が義務づけられたもの:乳、卵、小麦、落花生、そば 特定原材料に準ずるものとして可能な限り表示するよう奨励されたもの:あわび、イカ、いくら、エビ、オレンジ、カニ、キウイフルーツ、牛肉、くるみ、さけ、さば、大豆、鶏肉、豚肉、まつたけ、もも、やまいも、リンゴ、ゼラチン |
厚生労働省は、2001年4月よりアナフィラキシーを起こす原因となる食品を微量でも含む「容器包装された加工品」は成分表示を義務付けました(しかし、1年の猶予期間が設けられました)。その食品は表のごとくで、重篤なアナフィラキシー症状を起こした頻度、または重症度が高い食品を上げています。アナフィラキシーを起こしやすい食品の含有がきちんと表示されれば、その食品にアレルギー反応を起こすことが分かっている患者さんは大きな恩恵を受けることになります。
表示が開始されてから、「今まで大丈夫と思って食べさせていたが、表示が急に変わってから卵が入っていることが分かった」など、理由が分からなかったアレルギー症状の原因を発見したという報告が増えており、アレルギー治療をすすめる上で画期的なことと思われます。きちんと成分表示を見る習慣をつけるようにしましょう。
しかし、頻度が少ないということで表示義務・表示奨励からはずされたその他の食品でもアナフィラキシーは起こっています。さらには候補にあがらなかった食品ではアナフィラキシーが起こらないということはなく、今まで大丈夫と思っていた食品や素材に対して、ある時突然アレルギー反応を起こし始めるという経過がアレルギーの一般的な反応です。したがって、特定の素材だけでなく、アレルギーを起こした食品には含まれるすべての原材料が表示されている事が大切になります。今回提示されている表示方法の不十分な点を改善し、今後アレルギーの患者さんが使いやすい有効な表示方法を検討していく必要があります。
関連記事 2001年05月10日 読売新聞 『弁当業者は四苦八苦 格段に多い原材料、どう表示するか?』
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