<04-28 2001年08月23日(木)公開>
反応 | 小麦が含まれる食品 |
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軽 | 大豆しょうゆ(大豆・小麦) 麦みそ 水飴(小麦麦芽から作ったもの) |
中 | ウスターソース 粉のシナモンなど香辛料(混入している場合がある) カレールー(小麦でとろみをつけてある) 国産小麦、小麦胚芽 |
強 | 輸入小麦で作られた食品 パン、うどん・ソバなどのめん類、 クッキー・ビスケット・ケーキなど小麦を使ったお菓子 麩(ふ、小麦の蛋白質グルテンのかたまり) 輸入小麦で作られ、農薬の残留した学校給食のパン |
●アレルギーの軽い場合は、国内産小麦で手作りします。
もし小麦を食べる場合はパンではなく、なるべくウドンで食べましょう。地域によって小麦の加工調理法に差があります。きれいで豊かな水やカルシウムの少ない軟水がある地域ではウドン・麺にして食べ、きれいな水が手に入りにくい地域では少量の水で調理できるパンやナンのようなものになってきたようです。同じ小麦を食べる場合でもウドンや麺のほうがアレルギーを起こしにくいのです。ウドンや麺にすると一緒に野菜スープも食べることになり、体にとってはより良い食べ方になります。
パンにすると、小麦では不足するエネルギーを多量の油脂(牛乳、卵、バター、マーガリン、植物性油脂など)や甘いもの(砂糖、果物、ジャム、ジュースなど)から補給することが多くなるため、健康な食事からはかけ離れてしまいます。日本は、比較的水が豊富です。日本人が昔から食べてきたウドンや麺の方が人の体にやさしい食べ方のようです。
●小麦の麺がだめな方は、米で作った麺や雑穀から作った麺が販売されてます。
同じイネ科の仲間のデュラムセモリナ(スパゲッティ)、オートミールは小麦より反応の弱い事があり、小麦アレルギーが軽い場合には、回転法で使ってみましょう。デュラムセモリナ粉は水で溶いて焼くだけで膨らんでパンケーキになるため、イースト(ビールコウボ)にアレルギーがある場合は便利です。ただし、食べすぎは厳禁です。また、食べて反応するものは除去して下さい。その他、米も小麦と同じイネ科の植物のため、米アレルギーに対する注意も必要です。
●お米から作ったアレルギー用のパンが販売されていますが“乳化剤”が含まれているもの、小麦の“グルテン(=タンパク質)”が使用されているものがありますので注意が必要です。
反応 | 米が含まれる食品 |
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軽 | 白米、低アレルギー米 キビ砂糖(食べ過ぎは厳禁) 米みそ、米しょうゆ |
中 | みりん、酢 日本酒、甘酒、ビール(カビにアレルギーのある場合は禁) 米から作った水飴 玄米、胚芽米、米ぬか もち米 |
強 | 米の油を使った食品 油を使った加工食品、冷凍食品、レトルト食品、 スナック菓子など“植物性油脂”を含んだ加工食品 |
●白米をよく洗って糠や汚れ(農薬や保管場所での汚染)を取って炊くと、反応が弱くなります。
●無農薬米や省農薬米を使うと、反応が弱くなります。
●もち系の米より、うるち系の米の方が反応が弱くなります。
●普通の白米がダメな場合は、白米を再度精米したものや酒米(三度精米した低アレルギー米)、酵素処理した低アレルギー米などを使ってみます。ただし、酒米は蛋白質・油が少ないため、他の方法で適量の蛋白質・油の補充が必要になります。
●米がどうしてもダメな場合は、あわ・きび・ひえなどの雑殻を使ってみても良いのですが、同じイネ科植物なので、アレルギーを起こすことがあります。特に農薬の残留がある雑穀は米よりも強く反応する場合があり、注意が必要です。
●または、外国の穀物を使ってみます。アマランサス・キノア・コーリャンなどがありますが、雑穀の場合と同じ注意が必要です。
●雑穀がダメな場合は、デンプンであるサクサク粉(さごやし粉)で主食を代用する場合がありますが、蛋白質・油とも少なく、長期間続けることは避けます。
●砂糖はイネ科のキビ砂糖は避けて、てんさい糖(さとう大根から作った砂糖・ビート糖)にします。ただし、甘いものや果物を多く食べると腸内細菌が乱れ腸内にカビや病原性細菌が増えるため腸管粘膜がボロボロになり、食物アレルギーが悪化し、米のアレルギーも強くなり、お米を食べれる可能性が小さくなってしまいます。甘いものは止めて、野菜をきちんと食べて腸内を健全に保った場合、お米は食べても症状が出にくいようです。
●みそやしょうゆは、大豆みそや大豆しょうゆ、または、雑穀みそ・しょうゆを使ってみます。食べられるものを、見つけて下さい。●アルコールは止めておきます。アルコールも腸内細菌を乱します。特に、ビール(ビール酵母:サッカロミセスを使用)、日本酒(コウジカビ:アスペルギルスを使用)は飲みすぎには注意します。もちろん子供は必要ありません。
●穀物(白米を中心に)、野菜を主とし、動物性タンパクは汚染されていない餌を食べている育ちの良い豚肉を脂身を避けて食べましょう。汚染の少ない新鮮な魚介類を中心に食べ過ぎないように食べます。
●食用油は、アレルギー用のからしな油・ぶどう油・オリーブ油・なたね油などを使いますが、なるべく少なくし、毎日にならないように使います。米油やコーン油及びその加工品は食べないようにします。
●米・小麦のアレルギーがある人はイネ科植物の花粉もアレルギーを起こしやすくなります。イネ科の花粉の飛ぶ5月−7月を中心に10月頃までの季節にアレルギー症状を起こす場合は花粉症の対策が必要です。
●反対にイネ科植物の花粉にアレルギーがある人は、花粉飛散時期には米・小麦、特に小麦に対する注意が必要です。
イネ科花粉 (5月〜7月)カモガヤ・ハルガヤ・ナガハグサ・コヌカグサ・ ヒロハウシノケグサ・ホソムギ・イネ(水稲)・小麦・大麦など (8月〜10月)アシ・ススキなど |
イネ科食物 米・小麦・大麦・オートミール・ライムギ・ハトムギ・ とうもろこし・砂糖きび・あわ・ひえ・きび・コーリャンなど |
●小麦製品を食べた後に運動をすることで起こる食物依存性運動誘発性アナフィラキシーは、小麦のグルテンタンパク中に含まれ、水に不溶性のタンパク質であるグリアジンが主な原因であると考えられています(1、2)。
IgE検査の「小麦」の中にはグルテン、グリアジンは含まれていないため、「小麦」とは別に測定する必要があります。グルテンまたはグリアジンのIgE(グリアジンそのものを測定するIgE測定キットは、まだ日本では発売されていません)を測定して陽性のときは、小麦による食物依存性運動誘発性アナフィラキシーを起こす可能性があります。また、グルテンまたはグリアジンのIgEを測定しておくと、運動誘発性アナフィラキシーの発病予防に役立てることができるかもしれません。
(1)山村有美、森田栄伸、山本昇壯:小麦製品による蕁麻疹と運動誘発アナフィラキシー、アレルギーの臨床20:53-57、2000
(2)E.Vargonen, E.Vainio and K.Kalimo: Life-threatening recurrent anaphylaxis
caused by allergy to gliadin and exercise, Clinical and Experimental Allergy27:162-166,1997