アレルギーっ子の生活

<04-21      2001年06月21日(木)公開>

【遺伝子組み換え食品】

 最近出まわってきている遺伝子組み換え食品は、自然の状態にある現在の作物に
@栽培時に使用される農薬に抵抗性をもつ遺伝子を組み込んだもの、
A虫を殺してしまう物質を作るように遺伝子を組み込んだもの、
B農家で栽培された作物の種子から次の世代が発芽しないように遺伝子組み換えされたもの(ターミネーターテクノロジー)
3種類が組み合わされて出回ります。

 急激かつ無理やりに、遺伝子を変えてしまった食品には異種の蛋白質や糖、脂質などが生み出される可能性があります。人類が昔から親しんできたものには慣れ親しむことができても新しい物質にはなかなか適応できないというアレルギーっ子たちの性格を考えると、アレルギーっ子は新たに作り出された物質に敏感に反応し、アレルギー反応(避けようとする反応)を起こしてしまうことが予想されます。特にAは植物毒を栽培植物中に正常では考えられない量で存在させることになり、アレルギーっ子はそれを異常と判断するでしょう。それは遺伝子組み換えをしていない同じ作物にもアレルギーを起こしてしまうことを意味します。

グルホシネート・アンモニウムの神経系への影響

 なたね・なたね油、大豆・大豆油、トウモロコシ・コーン油、ジャガイモなどの遺伝子組み換えされた作物が出回っています。表示義務の確立と安全な食品を確保しておくことが望まれますが、日本では遺伝子組み換え食品の表示が義務付けられ、2001年4月から表示が始まりますが、表示は一部の食品にとどまりました。使用していても表示義務のない食品は、しょうゆ、大豆油、コーンフレーク、水飴、デキストリン、コーン油、ナタネ油、綿実油、マッシュポテト、ジャガイモのデンプン、冷凍・缶詰・レトルトのジャガイモ製品、酒類などです。アレルギーっ子が注意して使わなければいけない植物性油脂が表示対象に入っていないため、これまで同様、安全な厳選されたアレルギー用の油を使う必要があります。

 遺伝子組み換えされたラウンドアップ耐性ダイズは、組み換えされていない大豆に比べて、環境ホルモンの一種である植物エストロゲン量が増えていると言われています。この点も不安が残ります。

 また、遺伝子組換え作物に耐性が導入され栽培時に使用される含リンアミノ酸系除草剤(グルホシネート・アンモニウム:商品名バスタ、グリホサート:商品名ラウンドアップ)は毒性が低いとのふれこみで普及してきましたが、脳内の神経情報伝達化学物質であるグルタミン酸からグルタミンへの反応を阻害する作用があるため、神経系への影響が考えられています。ラットへの投与では狂暴性が増し、仲間にけがをさせるという例も報告されているため、その点でも不安が残ります。

 遺伝子組み換えされていない、食品を選んで食べるようにしましょう。 

改正JAS法「遺伝子組み換え食品」の表示

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