前述の「8.アレルギーでどんな症状がでるの?」や「9.食べものと症状の出方には関連があるの?」とダブってしまいますが、予想された“原因”が間違っていては、注意すること・治療法も違って来ますので、当然“結果”も違ってきます。
素人同然の私が言うのもなんですが、まだまだ“アレルギー”についての見識が浅い有名なお医者様も大勢いらっしゃいます。多い例としては
@大豆のアレルギーがあった場合に大豆製品としては一番反応が起きにくい(但し、“本醸造”の場合)「お醤油とお味噌」を替えるように指示するのに、一番肝心な“油”は替えるように指示しない。“油”はまず最初に替えた方が良い商品です。
A小麦にアレルギー反応が出ているのに、「小麦を止めちゃったら食べるものが無くなるでしょう?」と言って、小麦を止めさせない。この子の場合は、小麦製品の摂取を止めたら良くなりました。
B生卵のぶっ掛けご飯を離乳食として食べさせたら、食べてから約15分後くらいに吐き出す子がいた。しかし、どうして吐くのか想像できないので、「出来るだけ食べさせないようにネ」と、指示はそれだけだった。しかし、母親は「栄養があるから」と、期間を開けて何度も食べさせたが、結果は毎回同じだった。電話での相談だったが、「吐く直前はぐったりしていないか」確認を取ったところ、「ぐったりしている」ということだったのですぐに卵を摂取することは禁止し、角田先生の診断を仰いだ。先生の診察でも「アナフィラキシーの前兆」と判断され、卵の摂取は禁止された。
Cキウイフルーツを食べさせたら呼吸困難を起こした高校生。「ビタミンCが豊富」だからと、それでも食べさせようとする母親。本人は「もう食べたくない」と母親に訴えるが、母親は聞く耳を持たない。同様な事例のあることを話し、キウイフルーツは禁止、メロンやパパイヤ、スイカ等は注意するように話した。
D牛乳に強い反応を起こしている子。乳製品は止めているが中々良くならない。皮膚科の先生から指示された石けんが牛脂で作られたものであった上、「エデト酸塩」等の酸化防止剤が使われていた。カサカサぐらいの肌であったらこの石けんでも大丈夫だと思うが、ジュクジュクになっているくらいの肌であるならばこれではダメだと思う。牛脂や大豆油が含まれず、酸化防止剤等も含まれていない石けんの方が良いと思う。
E「肌は清潔にした方が良い」ということで、シャワーを使用するように支持された。しかし、この子は水道水中の“塩素”にも合わなかった。そのために、シャワーを使うたびに肌は痛み、却ってひどくなった。シャワーを使う場合には、シャワー用の塩素除去装置(シャワー用浄水器)を取り付けた方が良い。しかし、基本はお風呂のお湯の中にビタミンCを入れて“塩素”を除去した方が良い。
又、色々なことをやり過ぎて、何が合って何が合わないのかが判らなくなっている場合もあります。「この先生を信じてみよう」、「この方法を試してみよう」とお考えになったのでしたら、最低でも半年は続けて下さい。色々なものに手を出しますと、その度に傷つくのはお子さんです。段々と親を信じなくなってしまいます。それよりもお子さんとよく相談し、どういった治療を受けるか選択し、家族が一丸となって取り組んで下さい。
よく「本人とお母さんだけが指示されたとおりの食事を実践している」ご家族がありますが、他の家族が食べた、他の家族のためにお母さんが料理しただけでも、アレルゲンに接する機会が増えますので、症状が良くならないケースが多くあります。匂いで喘息発作を起こした子。アレルゲンの含まれていた食品を食べた手で頬づりするために、ほっぺたがいつまでも良くならなかった子等々、例を挙げたら限がありません。
「症状が出ている」ということは、絶対に「原因はある」のです。まず、第一の原因は「“アレルギー”の“体質”である」ことです。この“体質”の部分は一生変わりません。しかし、「“体質”があること=“症状”が出ること」ではないのです。“症状”が出るためには“条件”が必要となります。この“条件”を努力して減らすこと、これが「“症状”を良くすること」に他なりません。何度も書きましたが、この“症状”を悪化させる“条件”は一様でなく人様々で、複雑に絡み合っています。