<07-06 2001年11月25日(日)公開>
ヒトを含め動物は生きている限り様々な病気やけがをします。
急性の病気の場合には、病気になったその場でできることも多く、その場でやらなければどんどん悪くなってしまうこともあります。簡単で確実なその場(家庭やけがをした場所)でできる対処の方法を身につけておくことは、健康に生きていくために大切な知恵です。
あなたは、なぜ病気になると熱が出たり、咳をしたり、吐いたり下痢をしたりするのか知っていますか? 何故、病気の時にぐったりして寝てしまうのでしょうか? ヒトの体は常に外界の過酷な環境にその身をさらしています。寒さや暑さ、乾燥や湿潤、風、雨、ほこりや様々な病気を引き起こす病原菌などに取り囲まれながらも体の内部は呼吸・消化・代謝などを絶え間なく行ない、体を健康で活動的な状態を保っています。哺乳動物は体に異常が起こるとそれを解決して正常な状態にするために、色々な方法を使っています。病気を治そうとするこのしくみをまず理解することが正しい病気の対処法を身につける第一歩になります。その後に、体の病気を治そうと頑張っている力を落とすことなく、うまく援助してあげる。この援助の方法がこれからお話する病気の対処法ということになります。
体の中に病原体(細菌やウイルス、カビなど)が入ってくると、体は様々な手を使って病原体を追い出し正常な状態に戻そうと持っている力を注ぎ込みます。しかし、ヒトの持っている力は無限ではありません。他のところに力が使われていれば、10ある力が6ぐらいしか残っていないかもしれません。持っている力を最大限発揮できるようにするためにはどうしたら良いのでしょうか? まずは、安静。体を休めて無駄なエネルギーを使わないようにして、病気を治すことに持っている力すべてをつぎ込めるようにしましょう。病気の時にぐったりして寝てしまうと、あわてて熱さましを使い、熱を無理矢理下げて元気にすると病気が治ったかのように思われる人がいますが、これは間違いです。病気の時はぐったりして寝て、体を休めることが正しい病気のかかり方です。病気が治れば元気になります。次は食事。普段の食べ方で病気のかかりやすさ、病気のひどさが変わってきます。病気の時はきちんとした病気の時の食べ方をしましょう。