<07-03 2001年11月20日(火)公開>
アトピー性皮膚炎になると皮膚の抵抗力が落ち、様々な感染症を起こしやすくなります。感染症を起こすと、病原体の作り出す毒素のために皮膚は障害され、赤く脹れたり、滲出液がでてジクジクしたり、皮がはがれ落ちてボロボロになってしまいます。また、病原体の作り出す毒素にアレルギーを起こすとその菌がいるだけでアトピー性皮膚炎は悪化します。黄色ブドウ球菌が分泌する毒素に対するアレルギーの有無を検査できるようになりました(黄色ブドウ球菌エンテロトキシンAおよびBのIgERAST)。この検査が陽性の場合、皮膚で増えた黄色ブドウ球菌が毒素をつくると、アトピー性皮膚炎を悪化させる可能性があります。皮膚の消毒はこれらの病原体を皮膚からなるべく減らすために補助的に使用する治療法です。ただし、以下の点に注意します。
@皮膚にはもともと正常な状態では、常在菌という細菌やカビ・酵母菌の仲間がいてヒトと共生関係にあります。これらの菌はヒトには被害を起こしません。この菌が皮膚に存在するため、多少の病原菌がついても増えることなく正常でいられるのです。消毒しすぎて、正常な常在菌まで取り去らないようにします。 |
黄色ぶどう状球菌、抗生剤の効かない黄色ぶどう状球菌(MRSA) |
@イソジンをおちょこに少量入れます。
A綿棒につけて消毒したい部分に塗ります。
1分ほどたつと細菌やカビ・ウイルスは死んでしまいます。
B超酸性水または水・湯でしめらせたカット綿でイソジンを拭き取ります。イソジンを塗った後にお風呂に入っても良いでしょう。残った水分は清潔なタオルで拭き取ります。
Cその後に軟膏を塗ります。
ただし、気温が高い時期にお風呂上がりで体がほてっているうちに軟膏を塗ると痒くなってしまう場合があります。体が冷えてから軟膏を塗って下さい。
注1)余ったイソジンは入れ物に戻さないでください。雑菌が入ってしまうと使えなくなってしまいます。
注2)流しに流さないで下さい。水を汚染します。使った綿やティッシュペーパーなどに染み込ませて燃えるゴミに出して下さい。
超酸性水の特徴
@イソジンなどの消毒薬に比べて皮膚の荒れが少なくて済みます。普通の水や汗などで薄まるとPHが上がり効果がなくなります。つまり、長時間効果が持続しないため皮膚の損傷や正常の常在細菌を乱すことが少なくて済みます。
A使用後はただの水に戻るため、環境に対する悪影響が少なくてすみます。
Bきちんと密封して光の当たらない暗いところに保存すれば1ヶ月ほどは効果が持ちます。ただし、殺菌効果を充分期待する場合は2週間以内に使用してください。
C超酸性水は機種により違いますが3〜20ppmほどの塩素が含まれています。塩素でまける方はアスコルビン酸(ビタミンC)を超酸性水500ml当たり耳かき1杯分ほど(100mg)入れて中和して使用して下さい。ただし、塩素を中和してしまうと、殺菌作用は落ちてしまいます。
<使い方>
@清潔な湯飲みちゃわんかコップを用意します。これに使用する分だけ超酸性水を入れます。
Aカット綿か化粧用のパフに超酸性水をひたして患部を洗います。
スプレーする場合、気管支喘息がある人は吸いこまないように注意します。
B清潔なタオルで水分を拭き取ります。その後、軟膏を塗ります。
C冬などで超酸性水が冷たい場合は温めて使って下さい。