アレルギーっ子の生活

<04-16      2001年05月26日(土)公開>

【日本人の好きな活性酸素を抑える食べ物】
★味噌汁★カレーライス★ラーメン★

 現代の食事の中で、常に好まれているメニューがあります。それは、味噌汁とカレーライス、ラーメンです。この3つのメニューには、活性酸素を抑えるという点で共通性があります。

 味噌汁は、大豆や米、麦を煮て麹(コウジ=アスペルギルス・オリザ)によって発酵させた味噌を使い、野菜を煮たものです。したがって、活性酸素を押さえる低分子の抗酸化剤が多量に含まれています。毎日、朝と夜に、野菜たっぷりの味噌汁を食べることで、過剰な活性酸素を処理でき健康状態が維持されます。もちろん、大豆や野菜は農薬や化学物質の少ないものが望まれます。

 カレーライスは、野菜を煮込んだものに、さまざまな香辛料を加え、さらに煮込んだものです。使う香辛料は、さまざまな種類の植物の種子、葉、根などが使われます。したがって、植物をじっくり煮込んだという点では味噌汁と共通しています。ただし、今日本の家庭で作られているカレーライスは市販のインスタントルーを使っていますから、このルーの質が問われます。インスタントルーは植物性油脂(何が原材料か表示がない)、牛乳(アレルギーの問題)、小麦(アレルギーの問題)、香辛料そのもの(アレルギーの問題)があります。アレルギー用に、成分表示されたルーがあるので利用しましょう。いろいろな香辛料をそろえて、その時の体調に合わせて香辛料を使い分けることが、インドの家庭では実際に行われているようです。

 ラーメンは、日本人が、中国の食文化の中から学んだものを日本風に作り上げたものです。インスタントラーメンやカップラーメンなどが多量に手軽に食べられていますが、実はラーメンほど手間暇と時間がかかる料理はありません。アレルギー用にラーメンをスープ、麺、チャーシュウと作ると、朝から作り始め、食べられるのは夕方になってしまいます。ラーメンもスープはさまざまな野菜を入れてじっくり煮込んであります。味噌や醤油を使うと、味噌汁と同じ効果を期待できます。問題は、麺の質(小麦のアレルギー、小麦の化学物質残留)や添加物(つなぎの卵、カンスイなど)、植物性油脂(何が原材料の油が使われているのかわからない)、カップ麺では容器から溶け出す環境ホルモン物質であるスチレンの問題があります。

 味噌汁・カレーライス・ラーメンは出来上がるまでに長い時間が必要です。味噌汁は数十分でできますが、味噌を作ることを考えると、一番長く数年、カレーライスでは、香辛料を作る時間を入れると数日から数週、ラーメンではスープで1日となります。

 環境からの化学物質の影響が強い生活を強いられている日本人が、味噌汁・カレーライス・ラーメンを好む理由は、活性酸素を押さえられることを、体がわかっているためでしょう。夜、酒を飲んだ後に、ラーメンを好んで食べる理由はここにあります。アルコールで多量に発生した活性酸素をラーメンスープが処理します。二日酔いの朝は、野菜たっぷりの味噌汁が体を正常に戻してくれます。

 世のお父さんたちは、外食や加工品、タバコ、仕事のストレスなどで足りない低分子の抗酸化剤を「健康ドリンク」「栄養ドリンク」で補っているようです。しかし、これらのドリンク剤では補えない、天然のビタミンや食物繊維は天然の植物性食品でしか補うことができません。

 日本人なら日常的に食べられる、野菜たっぷりの味噌汁を十分に利用しましょう。味噌汁あっての日本の食事です。アレルギーも朝晩の食事に味噌汁や野菜スープが入ることで軽くなります。

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