<03-24 2001年01月22日公開>
毎年、2月中旬、ちょっとポカポカした春を感じさせる暖かな日。この日からスギが花粉を飛ばし始めます。暖かな冬は早めに、寒い冬は遅めに飛び始め、約60日の間、スギ花粉症の方には大変な毎日が続きます。スギ花粉の事をよく知って、なるべく軽い症状ですむようにがんばりましょう! スギ花粉の量は前年の夏の気候によって変わります。気温が高く、よく日が照った夏の翌春は花粉の量が多くなります。桜の咲く頃になり、ヒノキ花粉(当地では5月の連休頃)が飛んで、スギ・ヒノキの花粉症の季節は終わりになります。
吸い込んで | 鼻水・くしゃみ・鼻づまり・アレルギー性鼻炎、のどの痛み・のどの痒み 咳・ゼーゼー・痰・のどがつまった感じ・息苦しさ・気管支喘息等 |
目に入って | 目のかゆみ・目の充血・目やに・まぶたが腫れる・アレルギー性結膜炎等 |
皮膚につくと | じんましん・痒み・湿疹・アトピー性皮膚炎等 特に、花粉がつきやすい首やうなじの湿疹がひどくなります。 |
鼻水と一緒に飲み込んで | 腹痛・下痢・吐き気・アレルギー性胃腸炎等 |
全身的には | 体がだるい・関節痛・筋肉痛・微熱・胸痛・頭痛・めまい・眠れない・ 悪夢をみる・考え事がまとまらない・ボーとする・怒りっぽくなる等 |
その他(アレルギーを起こすと抵抗力が落ちるため) | 扁桃腺炎・中耳炎・気管支炎・肺炎・虫垂炎・とびひ(皮膚の化膿)等の感染症を起こしやすくなります。 |
☆特に、花粉の飛散がピークの時期を超えたころから、それまでの頑張りがきかなくなり、ひどい症状を起こし始めます。最悪の場合はアナフィラキシーなどを起こす人も出てきますので、花粉症の後半は疲れなどをためないように注意しましょう。
花粉は空気が湿っている朝方や雨・雪の日は飛びません。なるべく遠くまで花粉を飛ばして、子孫を残そうとするため、空気が乾燥すると飛ばし始めます。したがって、次のような日にはよく飛びます。天気の良い小春日和りの昼少し前から夕方、特に雨や雪の隆った日の翌日は要注意! また、降り始めの雨には、空中に飛散していた花粉(花粉は濡れると殻が破れて内容物が漏れ出すため、花粉エキス入りの雨になります)や大気中のチリ(ダイオキシンなどの汚染物質が含まれます)を多く吸着している可能性が高いため、体にあびないようにしましょう。特に、アトピー性皮膚炎やじんましんなど皮膚のアレルギーがある人はスギエキス入りの雨を浴びて悪化する可能性があります。
スギ花粉は風に乗って数十キロも飛びます。だから、近くにスギ林がなくても、症状がでます。近くにスギの林があれば症状は確実に起こります。スギのある場所を確認しておきスギ花粉の季節には近づかないようにしましょう。スギの木は先端が尖っていて特徴的です。見慣れると遠くからでもすぐわかるようになります。
日中、風で吹き飛ばされた花粉は夕方の風がなくなる時(夕なぎ)に再び地上に降りてきます。この時間帯の外出や窓を開けての換気はなるべくしないようにしましょう。
スギのアレルギーがある場合、杉材でもアレルギーを起します。杉板に触って接触性皮膚炎を起したり、杉材を切るときにでる杉材の粉で喘息発作を起したり、じんましんを起すことがあります。アレルギーが強い場合、スギの葉の乾燥したものの粉でも反応するため、花粉の季節以外でも杉林の中で遊んだだけで、症状の出ることがあります。
花粉を吸い込まない、 目に入れない、皮膚につけないようにします。外に出かける時はマスク(花粉用)をしましょう。目の症状がひどいときは花粉用メガネ(眼鏡店にある)または度の入っていない眼鏡を使用します。えりの高いコートやジャケットを着て首に花粉がつかないようにします。
花粉を家の中に持ち込まないようにします。家族全員でやってください。一人が持ち込めば症状は出てしまいます。特に、室外着のまま寝具の上にのってしまうと花粉が寝具に付き、夜寝た後に悲惨な状態になってしまいます。外から家に戻ってきたら家に入る前に、服や髪の毛を払って花粉を落とします。ただし、この時に吸い込んだり目に入ったりしないように注意。重症な方は払ったりせずに次の方法を行います。
玄関近くに着替える場所をつくり、外出服を室内服に着替えます。特に、花粉がつきやすいオーバー・コートとズボン、靴下は交換するようにしてください。外から帰ってきたら手・顔をあらい、うがいをするようにしましょう。髪の毛についた花粉は掃除機をかける手もあります。ただし、鼓膜が破れると困るので耳の穴には絶対に掃除機をあてないように注意して下さい。
花粉の飛ぶ日・飛ぶ時間には寝具や洗濯物はあまり外に干さないようにしましょう。干した場合は部屋の中に入れる時に掃除機をよくかけて花粉をとってください。
洗濯物は午前中の花粉が飛ぶ前に干して早めに取り入れるか、室内で干すか乾燥機を使ってください。扇風機を使って洗濯物に風を当てると室内でも乾きがよくなります。
花粉が飛びちる時間帯は部屋の窓は開けないようにします。
ただし、地面がアスファルトやコンクリートの場合、花粉は行き場所がなく、スギが花粉を飛ばし終わった後もしばらくの間空中をただよい続けます。そのような場所は自動車の排気ガス(特にディーゼルの排気微粒子)も多く空気が汚染されているため、花粉症を悪化させます。外気を取り入れる換気には注意が必要です(湿った土がある場所では花粉は地面に落ちると殻が割れて内容物を放出し、花粉の旅はそこで終わります)。午後は窓を開けない方が良いでしょう。特に、夕方は風がおさまる時間帯(夕なぎ)があり、このときに日中に飛び散った花粉が地上近くに落ちてくるため、換気は注意しましょう。
室内に飛び込んだ花粉は掃除機で吸い取ってしまいます。花粉の飛んでいる季節の間は、花粉の飛び終わった夕方に床面を掃除すると床面の花粉が少なくなります。床面に花粉が落ちていると、疲れて帰ってきたお父さんがやれやれと床の上にごろ寝をしたとたんに花粉を吸い込み、くしゃみ・鼻水だらけになってしまいます。また、せっかくお風呂に入って花粉や汚れを落としても、床に花粉や土ぼこり、猫犬の毛、自動車の排気物質などが落ちていれば再び汚れをつけてしまいます。
夕方、家に帰って来たら室内用の服に着替え、床に掃除機をかけて花粉やほこり・汚染物質を取り除きましょう。花粉は気温が上昇し空気が乾燥する午後から夕方に飛ぶこと、土ぼこり(ダイオキシンなども含んでいます)・ディーゼル車排気炭素微粒子なども日中から夕方に多くなり室内に舞い込むため、朝に掃除機をかけるよりも、汚れがひどくなった夕方にかけるほうが効果的です。
掃除機の排気で花粉を巻き上げますので、一番良い方法は排気が室外に出るセントラルクリーナーを使うことです。フィルターがしっかりした掃除機(ダニ用の0.3ミクロンまで採れるフィルターがついたもの)でも排気の方向を考えれば充分です。ふき掃除でもいいのですが、床をふくときに花粉を吸い込む可能性があるので注意します。掃き掃除では花粉が舞い上がるだけです。おすすめできません。夕方の床の掃除機は子供たちにとって絶好のお手伝いのチャンスです。家の仕事の手伝いを覚えること、家族のひとりとしての責任を覚えるのに良い仕事になります。家族で話して役割分担を決め、みんなでやりましょう。
窓を開けて換気ができないので、掃除機の紙パックは殺虫剤・殺菌剤のついていないものを使いましょう。殺虫剤・殺菌剤のついているものを使うと排気にこれらの薬が飛び散り、部屋の空気が汚れ、花粉症を悪化させます。その他、室内の化学物質による汚染源を少なくしておかないと、窓を開けると花粉と大気汚染、窓を閉めるとダニ・カビと室内化学物質汚染と逃げ場がなくなってしまいます。
寝具に花粉がついていると寝た時に吸い込み、夜の症状がひどくなります。外で遊んだり出かけたりした花粉だらけのままで寝具の上に乗ると、寝具が花粉だらけになってしまいます。きちんと室内着に着替え、床に掃除機をかけて床の花粉や土ぼこり・排気ガスなどの汚れを取り除いてから、寝具を敷くようにしましょう。寝具には掃除機をかけて、花粉をとるようにします。花粉の多量飛散日には夜寝る前にもかけるとよいでしょう。花粉が髪の毛に付いたままになっていると、寝たときに枕元に飛び散り吸い込んでしまいます。花粉症がひどいときは毎日髪の毛を洗ったほうがいいでしょう。寝る場所の床の花粉と、寝具の花粉が減ると、夜の鼻水・鼻づまり、咳などの症状が軽くなります。
空気清浄器は空中をただよっている花粉に対しては効果があります。使ってもかまいませんが、頼りすぎてその他の大切なことを怠らないようにしましょう。床の上に落ちた花粉には効果がありません。こちらは掃除機をかけることが必要です。フィルターは定期的に取り替えましょう。
食事はアレルギーを悪化させないような食べ方をしましょう。油物は少なく、砂糖の少ない和食にして、お米をしっかりと食べ、煮た野菜や野菜の汁物をきちんと食べるようにしましょう。
タバコの煙、排気ガス、特にディーゼル車の排気微粒子やゴミ焼却排出ガス中の微粒子など(ダイオキシンを含んでいます)、殺虫剤、農薬、ヘアスプレーなど汚染物質は花粉症の症状を悪化させるので吸い込まないようにしましょう。
寝不足・疲労・過剰なストレスは症状を悪化させるので、リズムあるゆとりをもった生活を送るようにします。
症状がひどい時や体調が悪いときは無理な激しい運動は避けます。花粉症がひどい時に無理して激しい運動をすると、急に吐き気・めまい、低血圧、意識喪失、呼吸困難、胸痛、じんましん、全身のむくみ・全身が赤くはれあがるなどの強い症状(アナフィラキシーショック)を起こす事があるので、注意します。
ヒノキは庭の生け垣などに使用されていますが、林業においてはスギの植林に続いて西日本を中心に全国に植林されました。そのヒノキたちが花粉を飛ばす樹齢になってきており、今後花粉症が増加すると予想されています。ヒノキはスギと同じ仲間のため、スギ花粉症の方はヒノキ花粉にも症状を起します。スギに約一ヶ月遅れ、スギの花粉が終わりになる頃、ヒノキ花粉は飛びます。4月〜5月頃が季節になります。対策はスギの場合と全く同じです。
カモガヤ、ハガハグサ、コヌカグサ、ホソムギ、ヒロハウシノケグサ、ハルガヤ、イネ(水稲)、麦、アシ、ススキ、シラゲガヤ、コズズメノチャヒキなど
カモガヤなどは5月〜7月が、アシやススキを中心に8〜9月が花粉の飛ぶ時期です。イネ科の花粉も風に乗って飛ぶ風媒花なので、花粉の季節になると吸い込むことが高くなります。5月の連休明けに飛びはじめ、春の衣替え、新学期の疲れなどと重なるため、症状が強く出る場合があります。スギ花粉は毎日症状が続いて具合が悪いため、気をつけている人が多いのですが、イネ科の花粉症の場合は、症状の起こり方が多少違います。雨などで花粉が飛ばず全く症状がない時期の後に、天気が良くなり乾燥し、いっきに花粉が飛んで吸い込み、急に強い症状を起す時があり注意が必要です。また、この時期は気温が高くなり、マスクをしにくくなります。そのため、花が咲く前に刈り取ってしまうか、つぼみの状態の時に生えている場所を見つけておき、風が吹いているときは風下にいないように気をつけましょう。
ただし、スギなどの樹木花粉と違い、草の花粉はあまり遠くまでは飛びません。また、朝露で花が湿っている間は花粉が飛びにくいので、窓を開けての換気や寝具・洗濯物を干すことは午前中に行います。この時期は気温が高くなり、室内の化学物質汚染源があると揮発しやすくなり被害が大きくなる時期でもあります。そのためスギ花粉の時と違って、十分な換気が必要です。できる限り充分に換気をします。午後、花が乾燥し、風が強くなってくると花粉は飛びはじめます。この時間帯は換気には注意します。
イネ科花粉飛散の時期に、カモガヤ花粉症の中学・高校生が運動中に急に具合が悪くなり、来院されることが多くみられます(吐き気・めまい、低血圧、意識喪失、呼吸困難、胸痛、じんましん、全身のむくみ・全身が赤くはれあがるなどの強い症状−アナフィラキシーショック)。あまりに花粉症が多く、中学1年生の男の子が運動中に具合が悪くなって救急車で病院に搬入された事件があったため、カモガヤの花粉が飛ぶ前に草刈りをすることを学校全体で決定し、実施した中学校もあります。
イネ花粉症はイネ科の食物、特に小麦が症状を悪化させる傾向が強く、イネ科花粉症の季節に、パンやうどんフライなどを食べて運動をして、強いアレルギー症状を起す人が目立ちます。5月〜7月の季節は小麦の食べ過ぎに注意します。その他、イネ科の油(米油、コーン油)およびその加工品も気をつけましょう。
秋になると水田地帯では稲刈りが始まります。イネ科の花粉症がある場合、刈り取ったイネワラの粉、モミガラ、脱穀のときの粉塵、ワラを燃やした煙でもアレルギー(特に気管支喘息発作)を起します。吸い込まない、触らないように対策が必要です。
6月から7月にかけて水田では農薬の散布(空中散布も含めて)が行われます。この時期はちょうどカモガヤなどの花粉飛散時期と一致するため、花粉症の発症とかかわりを持っているのではないかと思われます。農薬からは逃げるしかありません。または、人に害が及ばないように散布方法を変えてもらうしかありません。宮城県では、数年前に、飛行機やヘリコプターによる空中散布の被害が騒がれ、学校にプールからも農薬が検出されたため、空中散布を止めるところが増えました。
水田の水稲の花粉は、宮城県では7月末から8月にかけて飛散します。
日本人の生活の中にはキクの花がたくさん存在します。たんぽぽ4〜9月、フランスギク(マーガレット)5〜6月、ハルジオン5〜7月、ブタクサ8〜10月、ヨモギ9〜10月、ヒメシオン8〜10月、アキノキリンソウ8〜10月、セイタカアワダチソウ10〜11月など多数、人工栽培のキク(サイネリアなど)年中。
キクの花はアレルギーの起こりやすさから2種類に区別できます。
タンポポやマーガレット、ヒマワリ、コスモスなどの小さな花がいっぱい集まって1個の大きなきれいな花になるグループでは、花粉は虫が運ぶ虫媒花です。この仲間の花粉は風で飛びにくいため、風が強い時や花を取って遊んだり、家の中に飾ったりしたときに問題になります。
2つ目は、小さな花が数個〜10個ほど集まって茎についているグループで、ヨモギ、ブタクサなどがこの仲間です。このキクの花たちは風媒花で多量の花粉を風に乗せて飛ばします。したがって、アレルギーの人が吸い込んで花粉症を起す可能性が高くなります。
キクの花もイネ科と同様、突然症状の強くなることがあります。特に、虫媒花の花粉によるアレルギーの場合は、直接多量の花粉に触ったり、吸い込んだりして、じんましんやアナフィラキシーなど重篤な症状を起すことがあります。
ヨモギのアレルギーがある場合は草団子のヨモギを食べても、アレルギー症状をおこすことがあります。また、キク科の植物からとった油(紅花油、サフラワー油)はアレルギーを悪化させる誘因となるので食べないようにしましょう。
ポイント1 |
花粉は植物の精子です。さまざまな方法でめしべのところまでたどり着きます。そこで固い花粉の殻を割り、中に入っている1組の遺伝子情報を胚珠(植物の卵子)まで運びます。花粉と胚珠が合体すると、めでたく新しい命の誕生となります。ところがすべての花粉がめしべまでたどり着くわけではありません。多くの花粉は、地上や草木の上に落ち、そこが適当に湿っている場合は殻が割れて、その一生を終わりにします。その場所がヒトの鼻の粘膜であればアレルギー性鼻炎が、目の結膜であればアレルギー性結膜炎、汗で湿った皮膚であればアトピー性皮膚炎、肺の粘膜であれば気管支喘息を起こします。
もし、花粉がアスファルトやコンクリートなどの乾いた場所に落ちると、花粉は殻が割れずにいつまでも地表近くをただよいます。さらに、そんな場所は、自動車の排気ガス(特にディーゼル車の排気微粒子)などの大気汚染物質が花粉といっしょにただよっている可能性が高く、花粉症の発症を加速させています。
地表が土や草木で覆われているところに花粉が落ちると大地に吸収されてしまい、ただよう量は少なくなります。都市や町中にいた時はスギが少ないのに花粉症の症状がひどかったのに、大気がきれいな自然の中に暮らすようになったらスギは多いのに花粉症が軽くなるのはそんなことが理由かもしれません。ただし、自然な中といっても水田の近くで農薬の散布が行われる場所などは花粉症を悪化させることがあります。
ポイント2 |
花粉は優秀な子孫を残すため近親交配を避け、なるべく遠くの場所にいこうとします。そのための方法は大きく分けて2種類あります。
@動物や昆虫に花粉をつけて運ぶ(虫媒花)−この方法をとる植物たちは、きれいな色の花や甘い蜜、おいしそうな香等を出して動物や昆虫を呼び集め、彼らの体に花粉を付着させ他の花まで運ばせます。この花粉は、花との濃厚な接触がない限りアレルギーは起こしにくいはずです。ただし、交通量の多い道端のタンポポなど汚染された花粉や大量の花粉と接触し続けた場合はアレルギーを起こす可能性があります。タンポポ・ヒマワリ・マーガレット・コスモス・栽培種などキク科の花粉の多くがこれに属します。
A風に乗せて花粉を飛ばす(風媒花)−この方法は昆虫を介することがなく、甘い蜜を作ったりきれいな花を咲かせたりする無駄なエネルギーを使う必要がありません。ただし、花粉が他の仲間のところに届く確立は虫媒花に比べると少なくなります。そのため、多量の花粉を飛ばす必要があります。花粉がめしべに届くまでの間にヒトが入ってしまうと花粉症を起こしてしまうことになります。同時に大気の汚染があった場合は発病は高められます。イネ科(カモガヤ・ススキ・ハルガヤ・ホソムギ・水稲など)、スギやヒノキ、カバノキ(シラカバ・ハンノキ・ヤシャブシなど)、キク科の一部(ヨモギ・ブタクサなど)などがこれに属し、アレルギーを起こす主な花粉が風媒花です。
ポイント3 |
空気の汚染がある場所で、花粉が飛んでいると花粉症を起こしてしまいます。自動車の排気ガス(特にディーゼル車の排気微粒子)や石油燃焼物による室内の空気の汚染対策を同時にしないと花粉症は改善しません。杉花粉は昔から存在し、おじいさんたちは杉の林の中でスギ鉄砲と称してスギボックリを便って遊ぴまわってもスギ花粉症にはなりませんでした。大気の汚染が花粉症を悪化させていることがいろいろな調査でわかってきています。例えば、交通量の多い道路沿いの地域ではスギ花粉が少なくてもスギ花粉症にかかる人が多く、交通量の少ない地域ではスギ花粉が飛んでいても花粉症が少ないことが報告されています。交通量は個人では変えることができません。個人でできる対策をできる限りとることが花粉症の症状を和らげます。(参照→空気の汚染、アレルギーを起こしやすいもの)
花粉症の地域特異性 |
日本列島は南北に細長いため、各地方に生息する植物にもかなりの違いがみられ、花粉症にも地域差があります。
北海道地方のシラカンバ、東北地方中心にカモガヤ、関東地方中心のスギ・ブタクサ、中部地方のヨモギ、中国・四国地方のネズ、近畿地方のオオヤシャブシ、九州・沖縄地方のカラムシなどです。住んでいる地域の花粉の状況にあった対策が必要になるため、この本に書いてあるスギ・イネ科・キク科花粉症など東北地方向けだけの対策では問題が解決しません。もちろん考え方は同じです。各地方特有の花粉症については別の本で勉強するか、かかりつけのお医者さんに相談してください。(→参考図書)