アレルギーっ子の生活

<03-21        2000年12月25日公開>

【家の空気の管理、換気・空調・冷房・暖房】

☆換気☆

結露には除湿と換気が、暖房時は換気が必要となります

 室内の充分な換気が必要です。室内の隅々まで換気が行き届き、常に空気が動いていればカビは生えにくくなります。昔ながらの隙間だらけで換気が十分行き届いた日本家屋がカビ対策・化学汚染物質対策には最適です。
  断熱性が高くても換気が十分される家、強制的に24時間吸気・排気を行う集中換気システムなど換気システムが整った家が現代ではより良いでしょう。ただし、台所やお風呂場など湿気が多く発生する場所には、充分な換気ができる換気扇が必要です。また、室内の化学汚染物質の排除には集中換気システムだけでは不十分で、窓によるこまめな換気も必要です。
 換気は部屋中または家中の空気が動くように考えて行ないます。屋外の風向きを調べて、開ける窓を決めます。対角になるように窓を開けます。換気扇を使用する場合も同様にします。ただし、窓を開けて換気する時間は、換気方法 換気は風の流れを考えて窓を開けます。風の入り口と出口が対角線上になるようにします花粉や大気汚染物質が少ない時間帯を選びましょう。また、様々な化学物質は空気より重いため、下方、つまり、床面にたまりやすいため床直上の低い空間の換気を考える必要があります。低い位置にも換気窓があると効果的です。

☆暖房・空調☆

 ホコリや排気で室内が汚れないものが基本です。カビ・ダニを増やさないように、湿度は60%以下、60%を目安にし、結露をなるべくおさえるようにします。特に、寝室はダニ・カビの温床となりやすいため、湿度60%を越えないようにします。冬季の間、室温は20℃を越えないようにします。20℃を超えるとダニが発生しやすくなります。
 ジュータン・カーペットを取り外した場合、床面は冷たくなります。手軽に自宅で洗えるものをつくって敷くことになります。キルティング用の布をうら・おもて2枚にあわせて、自宅の洗濯機で洗える大きさにして数枚つくっておき、交互に使用すると換気扇を使う場合も、部屋の隅々まで空気が動くように換気扇の反対側の窓を開けますよいでしょう(最低でも2週間に一回は洗濯をしましょう)。掃除機でホコリやダニ・カビは毎日吸い取ってください。
  ストーブ・ファンヒーターガスや石油は燃える時に窒素酸化物(二酸化窒素など)を発生し、のどや気管支、目などを刺激します。従って、排気が室外へ排出されるタイプのもの・電気ストーブ等排気が室内に出ないものが望ましいでしょう。室内に排気するタイプのものを使うときは、1時間に1回5〜10分以上の換気が必要です。ガスや石油が燃えるときにかなり大量の水がつくられますので、加湿機は必要ありません。むしろ暖房している部屋のとなりの部屋は湿度が上昇し結露(外気との温度差のため、窓ガラスや壁に水滴がつくこと。結露した付近は温度が高くなり、カビやダニが発生しやすくなります)します。特に北側に面している部屋は壁が冷たくなるため結露が多量につきます。結露がつけばそこはカビが発生します。この部屋は窓をあけて換気するか、除湿機が必要です。フィルターにはホコリ、カビなどがつきます。週1回以上は掃除するようにします。

☆ホットカーペット☆

 ダニは50℃以上になると死んでしまいます。従って、電源を入れて使用中にはダ二の発生はおさえられますが、電源を切ってしまえばふつうのカーペットと同じです。できるならば使用はさけたいところですが、どうしても使う場合は、@使用期間中はl日5時間以上電源を入れて加熱しダニが増えないようにしておく。Aカーペットカバーが交換できるものを使い、頻回にクリー二ングに出し、毎日掃除機をかけて、よごれ、ホコリ、ダニを少なくする。B使用期間がおわって、収納する時はクリーニングを充分にする。秋に再び使用する時は、クリーニングに一度出し、よく掃除機をかけ、カーペットの電源を入れて充分加熱させ、ダニを殺してから使用する。カーペットカバーはキルティングの布をつかって手作りすると洗うことができます。数枚つくり、交互に洗濯をしてください。

☆コタツ☆

 コタツのまわりは人が集まり、フケ、食べ物のカスが多く、ダニも発生しやすい場所になっています。コタツを使う時は、コタツのまわり、上がけのふとんの周囲、下の敷物の周囲に充分掃除機をかけます。敷物にはホットカーペットと同じ注意が必要です。

☆エアコン☆

 エアコンのフィルターはカビがつきやすいのでときどき掃除機でホコリを吸い取っておきましょう。さらに、カビは熱交換機(薄い金属の板がいっぱい並んでいる)やファンの羽や、吹き出し口の近くにも生えます。これらは消毒用のアルコール(エタノール,薬局で売っている)でガーゼやティッシュペイパーを湿らせて拭き取りますが、多くの場合は手が届かないところに生えています。電気屋さんに頼んで分解掃除してもらうか(有料)、次のようにします。まず、十分な換気のもとでエアコンを動かします。アルコールをスプレーできる容器に入れて、吸気口から、または前面のパネルをはずして、熱交換機やファンなどにアルコールを吹きかけます。そうすると、吸気といっしょにアルコールが吸われ、アルコールが付着した場所のカビはほとんどが死滅します。
  エアコンはスイッチを入れた直後(特にしばらく使わないでいたものを使い始めた時)にカビが大量にふき出しますので、電源を入れた直後は充分換気します。自動車のエアコンも同じ注意が必要です。窓を開けて、できれば走り出してからエアコンのスイッチを入れ、十分に換気してから窓を閉めてください。

☆除湿機☆

 加湿機は使用しません。むしろ結露しないように除湿機が必要です。のどが痛くなるのは乾燥のためだけではなく、石油やガスが燃えた時に出る窒素酸化物などの排気ガスも影響しています。換気が必要です。のどがかわいた時は直接水をのんで、のどをうるおしましょう。

☆座ぶとん、クッション☆

 座ぶとんやクッションの中もダニは増えます。使用する場合は、毎日、掃除機をかけるようにします。

☆空気清浄器☆

 空気清浄器は空中に浮遊しているダニの死骸や糞のかけら、カビの胞子、花粉、煙草の煙の粒子などを取り除くことができます。それらが、空中に漂っているためにアレルギー症状が起こっている場合、空気清浄器で取り除くことで症状は軽くなります。ただし、ホルムアルデヒドや窒素酸化物など化学汚染物質は十分には取り除けませんし、床の上に落ちてしまった物はこれも取り除けません。また、空気清浄器を使っているからと、安心して室内でたばこを吸うなどはもってのほかです。まずは、適切な換気・掃除機によるホコリの除去をきちんとおこない、それらができないとき、不充分な場合に併用します。

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