<03-20 2000年12月18日公開>
ダニは大きさ0.1-0.5mmの生物で人の住居には多数・多種が住み着いています。
アレルギ−の原因となるダニはチリダニ(ヤケヒョウヒダニとコナヒョウヒダニ)と言われる種類です。
ダニは温度25℃、湿度80%前後で急速に増えます。湿度が70%を越えると大発生すると言われています。1個の卵は約40日で成虫になり25日間生きて、約45個の卵を生みます。また、ダニは1日にその体重の3分の1ほどのフンをします。このフンやダニの死骸・卵がアレルギーの原因になります。したがって、ダニのアレルギーのもとは毎日爆発的に増えています。
以下の場所は、生きているダニやダニの死骸を数える方法を使って測定すると多いところです。
場 所 | 数 | 当たり | |
---|---|---|---|
じゅうたん | 2000匹以上 | 1メートル4方 | |
じゅうたん・畳の表面 | 800匹 | 1畳 | |
風通しの悪い部屋の畳全体 | 180万匹 | 1畳 | |
3年間使った敷きフトンの表面 綿の中 |
1000匹 20万匹 |
1枚 |
その他、ぬいぐるみ・布製のソファーやイス、カーテンのすそ等に多く見つかります。
アレルギー症状を起こす原因となる物質はダニの糞やダニの死骸、抜け殻の粉砕物などです。生きたダニが症状を起こすわけではありません。これらの中にアレルギーを起こすもとになる物質(ダニ抗原といわれます)が含まれています。したがって、ダニがいる場所からダニ抗原がホコリに混ざって空中に飛び散り、様様な場所に溜まっています。このホコリをアレルギーの子どもたちが吸いこんだり触ったり、口にしたりすると症状が始まります。したがって、ホコリのつきやすい、毛布・タオルケットや掛けフトンなど上に掛ける寝具、枕に多いことを覚えておいてください。
敷フトンにだけ掃除機をかけて、掛けフトンや毛布・タオルケットには掃除機をかけない人がいますが、それではアレルギー症状はよくなりません。寝具の一個所でもダニ抗原の多いところがあれば吸い込んだり触ったりする可能性が高くなります。
ダニは人や動物のフケ・毛、食べ物のカス、カビ、ほこりなどを食べるため、これらが多くあり、湿度・温度が適当にあると大発生します。特に、夜間でもこの条件を満たす場所(特に寝室・寝具−人の出す熱や湿度+人から落ちるフケがえさになることで最適条件になる)が発生場所になります。ただし、えさがあっても湿度が低く、温度が低くなるところは比較的ダニの数は少なくなります。例えば、保育所の冬の間のお昼寝用寝具など。また、湿度・温度が最適でもえさがなければ増えることができません。
ダニの弱点は、乾燥と加熱です。乾燥した場所では増えにくく、50℃以上の加熱で死んでしまいます。
ダ二用殺虫剤(ピレスロイド系、有機リン系)は、刺すダニ(ツメダニなど)には効果があっても、アレルギーを起こすチリダニ類には、あまり効果がありません。かえって、殺虫剤のためにアレルギー症状を起しやすくなり、頭痛や吐き気、疲れやすいなどの神経系統の障害をも起こしてしまいますので使用しないようにします。掃除機をかける、洗濯をするなどの方法での対策が望まれます。
・ダニの増えやすい場所を減らす−ジュウタン・カーペットを取る。ソファーをなくすなど。
・ダニの食べ物を減らす−寝具上に食べ物を持ち込まない。掃除機をかけてダニの餌となるフケやホコリを取り去る。
・カビ対策をして、ダニのえさとなるカビを減らす。
・ダニの増えにくい室内条件にする−除湿し乾燥させる。
冬の間は室内温度が20℃を越えないようにする。
たばこの煙、暖房の排気ガス、殺虫剤、ホルムアルデヒド、有機溶剤など化学物質、土ボコリなどで室内が汚染されないように注意する。
ダニは室内の汚れたゴミ(人のフケも化学物質で汚染されています)を食べて、フン(つまりは、ホコリ)にして、室内をきれいにしているとも考えられます。
アレルギーの人が一番嫌っている、つまり一番アレルギーを起こしている物はダニのフンです。掃除は室内の汚染とダニのフンを取り除くことにあります。
ダニを殺しても、ダニの死骸のかけらやダニのフンなどが残れば、アレルギ−は治りません。ダニのフンを掃除して排除し、室内の汚染を取り除くとアレルギー症状は軽くなります。
@ダニの住む場所をなくす
Aフケ等ダニのエサをなくす
Bダニの住みにくい環境(乾燥させる)をつくる
@たたみの上のジュータン⇒たたみのみに(たたみは殺虫剤使用のないものを使いましょう)
A布製ソファー⇒取り除くか、よく掃除機をかける。
Bジュータン,カーペット⇒塗装は天然系の物を使ったムク材のフローリング等に。ウレタン塗装などはトルエンなどの有機溶剤の揮発があるためあまりおすすめできません。合板のフローリングは接着剤からホルムアルデヒドが、クッションフロアはフタル酸エステルなどの化学物質が揮発するので注意が必要です。もし、ジュータン・カーペット類を取り除けない場合は、掃除を十分にしましょう。ジュータン・カーペットはだめになってしまいますが、ジュータン・カーペットの上に別なシートを敷き密閉してしまう方法もあります。ただし、これらも、化学物質(フタル酸エステルなど)の揮発が少ないもの(ポリエチレン製、ポリプロピレン製※)などを選びます。
Cぬいぐるみ⇒洗えるものを購入し,よく洗いましょう。または、よく掃除機をかけてホコリを取ってください。
※防虫剤などを使用していないポリプロピレン製の畳、ゴザ |
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