<03-15 2000年11月13日>
内分泌は、組織の発生や分化、成長、体内の恒常性を維持するために大切な働きを担っています。
正常な状態では、
@内分泌臓器の細胞でホルモンが合成される
A内分泌臓器に蓄積されたホルモンが血中に放出される
B血液中ではホルモン結合蛋白と結合し、標的臓器まで運ばれる
C標的臓器で受容体と結合する
D遺伝子(DNA)まで運ばれ、メッセンジャーRNAが作られて、生理作用を起こす蛋白質分子が生産され、様々な作用を起こす
―以上,、大きく分けて5つの段階を経てホルモンの作用が発揮されます。この各段階が化学物質で障害(かく乱)されます。
例えば、女性ホルモン(エストロゲン)をかく乱するDDTやノニルフェノール、ビスフェノールAなどはエストロゲン受容体に結合してしまい、必要でないときでも常にエストロゲン作用を起こすようにDNAに働きかけます。
抗男性ホルモン(抗アンドロゲン)作用を生じるDDEやビンクロゾリンなどの化学物質は、男性ホルモン受容体に結合してしまい、男性ホルモン作用を起こさないようにしてしまいます。
ダイオキシンやPCBは、アリルハイドロカーボン受容体(Ah受容体)に結合し、肝臓のミクロソームにあるチトクロームP450酵素に作用し、さまざまな物質の代謝を変化させ、抗男性ホルモン、抗女性ホルモン作用、甲状腺ホルモンの低下、免疫の異常、アレルギー反応の異常、口蓋裂などの奇形を生じさせてしまいます。