アレルギーっ子の生活

<03-12         2000年10月23日公開>

【アレルギーの起こり方:悪い条件の重なり】

 アレルギーの病気が激しく起こる時、何か単独のアレルギー反応で最悪の状態を招くわけではありません。強いアレルギーがあった場合、乳児の場合は別ですが、ほとんどの例では、いくつかの悪い条件が重なっている時に、アレルギーのあるものを食べてしまったり、吸い込んだり、触ったりして発病します。それらの悪い条件が重ならないようにすれば、病気は起こりにくくなります。

次のような悪い条件が重ならないように注意が必要です。

@強いアレルギー状態

    アレルギーのあるものを食べてしまった後
    ダニアレルギーの季節(5−6月と9−11月)
    花粉アレルギーの季節(スギ2−4月、カモガヤなどイネ科花粉5−7月、
    キク科花粉8月−12月など)
    その他、アレルギーのあるものと濃厚に接触してしまった後

A激しい運動・過労・寝不足・精神的不安定・生活の乱れ

各種アレルギー症状の発症の原因と誘因

 特に新学期は注意。最も注意してほしい季節は新入学時です。この時期は生活のペースが自分で決められず、行事や部活に左右されるので、充分な注意が必要です。その上、中学・高校入学時は親の規制から離れて自分自身で生活をやりくりする初期の段階であり、下手をするとかなり疲労が重なるまで他の家族は気がつかない場合があります。重症な症状が出て初めて気づく時もあり、ご両親は多少なりとも気配りやアドバイスをする必要があります。

B思春期

 成長ホルモンの分泌が増加し、性ホルモンの分泌が開始される時期です。ホルモンのバランスが崩れアレルギーを起こしやすくなっています。

C感染症を起こしている時
C感染症

 溶血連鎖状球菌感染症菌(溶連菌)や腸管の病原性細菌の感染、カンジダなどカビの感染、インフルエンザや百日咳、気管支炎、肺炎などの感染症、ウイルス感染症はアレルギーの発病を加速させます。粘膜が荒れ、アレルギーの原因物質を吸収しやすくさせます。解熱鎮痛剤の使用がさらに吸収を高めてしまいます。発熱後数日間・吐き気や嘔吐などで食物を摂取していないときはさらに注意が必要です。

D空気や水、土、食べ物などの環境汚染がある時

 様々環境汚染がアレルギーの発病と深くかかわっています。

 例えばこんな例があります。夏には食べても症状が出なかった卵が、ダニのシーズンに入ったら途端に、食べるとじんましんが出るようになった。食べても軽いかゆみがでるだけだった小麦製品が、5月になりイネ科花粉・カモガヤ花粉飛散の季節になったら、ウドン食べて運動をすると喘息発作を起こすようになった。ダニの少ない、寝具にダニが少ない、いい環境の病院では納豆を食べても何でもなかったが、自宅に帰ってかび臭い寝具に寝始めたら、納豆を食べると痒みがひどく出るようになったなど多くの例があります。

 特に注意したい時期は、中学校・高等学校の入学時、5〜6月の連休明けで、この時期は全ての悪条件の重なる可能性が高くなります。この時期は、実際、アナフィラキシーや突然死の一番多くなる季節です。

 もう一つ気をつけて欲しいことがあります。様々な悪条件が重なった時、特にアレルギーの状態が悪い時は、今まで気をつけていた(又は、アレルギーがあることは知っていなかったが、知らないうちに避けていた)アレルギーのある食べ物を、なぜか、食べたくなります。アレルギーの状態になった時は判断力や自制心が低下しているため、押さえ切れずに食べてしまいます。食べてしまうと、様々な悪条件の上に重なり、即座にアレルギーの病気を起こしてしまいます。具合が悪い時、自分がアレルギーを起こしている物がわかっていること、そんな時に限ってて食べたくなるけど食べてはいけないことを知っておくことが大切です。

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