5−3 はじめのいっぽからのお答え−生活編
l−1:
《L−1:“アレルギー”の子は食べられるものが少ないので栄養が心配だ?》
いつの頃から我が国でもこんなに栄養を気にするようになったのでしょう? 私が小さかった頃に比べたら「こんなに食べて良いのか?」と思うくらい沢山の量と種類を食べています。卵なんて普段は食べられませんでした。牛乳も飲んでいませんでした。学校給食でも初めの頃はあの悪評高かった脱脂粉乳でした。牛乳になったのは小学校の高学年だったように記憶しています。肉なんてめったに食べられませんでした。年に何回かのすき焼きの時も肉はもちろん豚肉(それも関東風)で、本格的(関西風)な牛肉のすき焼きを食べたのは中学の修学旅行の時でした。「ウソ〜! これが本当のすき焼き! でも、うちの方が絶対美味しい!」って印象でした。今でもすき焼きは豚肉の方が好きです。豚肉と言えば、お正月に伯父さんの家で出された揚げたての豚カツの美味しかったことを今でもよ〜く覚えています。その代わり魚はお刺身、煮魚、焼き魚でよく出ました(でも、東京生まれの東京育ちの私ですから、魚屋さんで買う時には既に切り身になっていましたので魚の本体は知らないのです)。後は野菜の煮物と漬物(母は糠漬けを作っていました)に味噌汁ですね(実家に帰る度に母の手料理を食べて来ます。写真を見て頂いてもお判り頂けると思いますが、その殆どが惣菜です。この時はこの他に“酢豚”が出ました)。これで、十分だったのだと思います。私も高校卒業するまでは55kgしか無かったです(卒業後、運動を止めたら急激に太りました)。でも、これが普通でした。私の周りには今ほど太った子はいませんでした。しかし、今は右を見ても左を見ても太った人の方が多いくらいです。「太っている方が健康!」の風潮さえあるのですから困ったものです。
人間を除く全ての動植物は長い時間を掛けて、自らの身体・機能を環境に合わせて適合させて来ました。寒い土地のものは寒い環境に合わせ、暑い土地のものは暑い環境に合わせて生き長らえて来ました。こうして私達日本人と当然、日常的に食べるものも違っていたはずの欧米の人達との身体・機能等の違いが生み出されて来たのです。。しかし、今の日本人はどちらかと言うと外国の人達の食べ物を食べています。外国では「日本食が健康には効果ある!」と評価されているのにです。
現代社会を背景にしたアメリカの映画やテレビドラマを見ると、家庭でも職場でもテーブルの上には必ずと言って良いほどビタミン剤の瓶がいっぱい置かれています。それが向こうでは普通なのです。向こうの食生活では、皆さんの言う栄養は十分に取れないのです。しかし、最近は別ですが、我が国の一般家庭にどれくらいのビタミン剤を始めとする栄養剤が置かれているでしょう? それ程、我が国ではそれらの必要性を感じていなかったのです。
これはお医者様が診断することですが、私は「アレルギーの子達だけが特に栄養不足になる」という心配はしていません。又、「アレルギーが無い!」と言われている子達(=何でも食べられる子達)だけが「栄養が充足している」とも思っていません。むしろ、「“アレルギー”が無い!」と言われている子達の方が食べている食材の種類が少なく、カロリーばかりが高くて、ビタミンやミネラルの少ない、健康上問題のある食事を取っているケースが多いように思っています。その反面、“アレルギー”の子達の食事はカロリーも少なく、野菜や発酵食品中心でビタミンやミネラルに富み、日本人としては理想的な食事であると思っています。当店では、“アレルギー”の有る無しに関わらず、健康を気遣う人達には“アレルギー”の子達の食事を勧めています。
l−2 :
《L−2:“アトピー”の上に好き嫌いが激しいので栄養が心配だ?》
好き嫌いが多いのは当店ではどうしようもありませんが、以前、料理教室の指導にお出でいただいたことがあるアレルギー食品店の老舗『グリーンファミリー』の倭さんに「料理の一番の調味料は愛情だ!」と教えられました。「食べてくれる人の喜ぶ顔を思い浮かべながら作ると色々と手を掛けたくなる。そうすれば一味も二味も良くなる!」とのこと。
そう言えば、以前、あるホテルで100名規模で会食会をお願いしたところ、そこの料理長さんが当日の朝になっても未だ酢の物の味に納得されていなくて、「酸味が足りないので何か他の酢(この時はりんご酢でお願いしていました)は無いですか?」と連絡が入りました。私は「少し酸味がきついですが」とお断りして梅酢をお届けしました。それとりんご酢をブレンドしてやっと料理長さんの納得出来る味を作っていただくことができました。「限られた調味料でも、ご自身が納得できる味を出すために、妥協しないで追求していく」、本当にプロの厳しさを見せられた思いでいっぱいでした。そう言えば、あるテレビで、あるチェーン店のラーメン屋さんでしたが、「季節や気温に合わせてスープの濃さや油の量を変えている!」と言っていました。それは、取りも直さず「お客様に喜んで欲しい!」という思いからでしたが、プロの方達でもこのような様々な工夫や努力をしているのです。経験や理論や技術ではプロの方達にはかなわなくても愛情だけは負けないで欲しい。愛情は押し付けるものではありません。又、代償を求めるものでもありません。あなたの努力(=愛情)がお子さんに通じなくてもかんしゃくを起こしたり、諦めたりしないで下さい。諦めてしまえばそこから先へは進めません。あなたのお子さんの人生が掛かっているのです。頑張って下さい。
クセの無いもの・甘いもの・柔らかいもの・脂っこいものは努力無く食べられる人が多いようですが、反対にクセのあるもの・苦いもの・酸っぱいもの等は努力無しには食べられるようにはならないみたいです。ですから、どちらにしても努力する以外には無いように思います。以前から行われてきた方法として
@家族全員で、 無理強いはしないで、ゲーム感覚で楽しみながら食べる。(負けず嫌いな子には効果あり!)
A本人も食事作りに参加させる。(自分が作ったものは意外と食べる)
B微塵切りにしたり、すったりして加工時に混ぜ込む。(しかし、“アレルギー”の子達は意外と微妙な匂い
にも敏感で、バレバレでダメだったケースが多かった)
そこで、例えば、何年か前に 野菜スープ がブームになりましたよね(旬でない時期にも大根を求め、私は呆れかえっていましたが、あのブームもすぐ終わってしまったこと、未だにそれを売っている自然食品店があることにも驚いていますが)。我が国の場合は味噌汁で十分なのですが、私が小さかった頃は、母親から「汁は塩分が多いので飲まなくて良いから具を食べなさい!」と言われたものでした。しかし、今では具である野菜よりも、汁の方に野菜の栄養分は溶け出し、身体に必要な活性酸素消去作用の働きをするものも多く存在することが判ってきました。ですから、 汁だけでも飲むことを勧めています。とにかく何の野菜でもドンドン煮て野菜スープを作り、飲みやすい・食べやすい味付けと形に変えて出してみたらどうでしょう? 私はこれを応用して、おひたし等にするための野菜の煮汁は漉してゴミを取り除いて保存しておいて、味噌汁や他の野菜の煮汁・ご飯を炊く際の水代わりに使い、この作用を最大限利用するよう心掛けています。
l−3:
《L−3 :保育所や学校に入ったら皆と同じ物が食べられないといじめられるのでは?》
“いじめ”は、する側にとっては理由は何でも良いのです。私が幼かった頃は勉強のできた子、先生に可愛がられた子がターゲットでした。人の体型や家の経済状態等を理由にすることは殆ど有りませんでした。しかし、私の気付かなかったところで、私の仲間達(=身体にハンディを持っている人達)の殆どが水を掛けられたり、水の中に落とされたり、石を投げられたり、棒を持って追い掛け回されたりしたそうです。さすがに現代では表立ってそんなことをする人は少なくなりましたが、未だに部落(という言葉が未だに存在していることに驚きを感じずにはいられませんが)の人達や朝鮮の人達、ホームレスの人達に対する差別(もいじめの一種です)や小動物に対する残虐な行為の数々が新聞等に載っていましたので、隠れたところでの陰湿ないじめが横行しているだけなのだと思います。今は「自分が該当しない理由であれば何でも良く、理由を無理やり捜し出して、自分のうっぷんを発散させているだけなのです。だから、弱いものばかりを狙う」のです。アレルギーだけが原因ではないことをまずご認識下さい。
次に、本人の体質との兼ね合わせでご判断下さい。本人にとって、具合が悪くなったり症状が出てしまった時の大変さと、皆と同じ給食を食べられない大変さとでどちらを選択するか、自分で判断するように接してあげて下さい。その時でも判断の材料をきちんと説明した上で判断させて欲しいのです。店内でお菓子を選んでいる時のお母さんとお子さんの会話を聞いて一番多いのが「あなたが食べるものなのからあなたが選びなさい! お母さんは知りませんよ!」です。お母さん! ご自分が子供だった時のことを思い出して下さい。お母さんにそう突き放されてご自分で判断出来ましたか? その結果についてもお母さんは突き放していましたか? お子さんの判断した結果や行動の結果にはお子さんに責任を持たせることは大切なことです(現代社会の中ではこれの出来ない人が多すぎます)。しかし、お子さんが成人していない以上最終的な責任は親にあると思います。日々の親子の会話・付き合いは全てお子さんを育てるためのものです。それを忘れずに接して欲しいものです。
当店のお客様のお子さんの中には、同級生より「毎日お母さんにお弁当作ってもらって良いな!」とか「好きなものばかり入れてもらって良いな!」と羨ましがられている子、学校給食の量では足りないのでお弁当を持参している子もいることをご報告しておきます。お子さんはお母さんが心配されるほど弱い子でないかも知れません。逆に、平気を装っていても実際には傷ついている場合もあります。守り過ぎて、お子さんを弱い子にしてしまわないようにして下さい。お子さんをよく見て、お子さんとよく話しをして、親の考えを押し付けるのではなく、お子さんにもしっかり考えさせ、1つ1つ問題をクリアーしていって下さい。
正しい食生活をしている“アレルギー”の子供達は間食もあまりせず、「ご飯大好き!」な大食漢が多いのです。小学校前のチビ助達が、この1年で10kg痩せて73kgになった私の2倍も3倍も食べるんですよ。信じられますか。「うちの子はご飯全然食べなくて!」と平然と言っているお母さんは考え方にも食生活のどこかにも間違いがあるはずです。
l−4:
《L−4 :父親・おじいちゃん・おばあちゃんからも「こんなものは食べられない! 自分だけは違うものを食べる」と言われている。》
後で出てきます《G−5》へのお答えと似てしまいますが、相手が分別のあるはずの大人であるだけに情けないですね。これで子供や孫の手本になれるのでしょうか? 未だ一人前になっていない子供と同じです。このことは嫁対舅・姑との関係もあり、お母さんを苦しめている一番の原因となっております。はっきり言って、一種の“いじめ”であり、一種の“幼児虐待”です。可愛い我が子・我が孫が“アレルギー”と一生懸命闘っているのです。応援して当り前なのではないでしょうか?
角田先生はお父さんやおじいちゃん、おばあちゃんにもちゃんとそこのところを丁寧にお話し下さいます。私もお母さんに頼まれてお話ししに行ったことがあります。彼らはことの深刻さを実感していません。孫がダメなものを食べた後で具合が悪くなったとしても、彼らが責任を取って介護する訳ではありません。基本的に、無責任です。だから好き勝手なことを言っているしやっているのです。「自分の子に“アレルギー”の子なんていなかった。だから、可愛い孫が“アレルギー”になったのも、アレルギーに苦しめられているのも嫁のせいだ!」と思い込んでいる方もいます。それでお嫁さんに辛くあたる人もいます。しかし、総て「孫可愛さ」から出てきていることですので、お母さんも感情的にならず、丁寧にお話しになれば判って下さる日も近いと思っています。
当店のお客様の中には、理解の無かったおじいちゃん・おばあちゃんの目の前で、食べてはいけないものを食べさせ、症状を出させて理解させたお母さんもいらっしゃいました。その後、このおじいちゃんとおばあちゃんはお嫁さんに今までのことを謝り(おばあちゃん本人が私に話してくれました)、すごく協力的になって下さいました。切羽詰っての苦肉の策だったとは思いますが「これくらいの反応で済んで良かった!」と言わざるを得ません。しかし、そこまでしないと理解してもらえない場合、それ以外の選択の余地が残されていない時に限って、最悪の場合も考えて、角田先生のいらっしゃる日が続く期間のはじめの方の日の朝にさせます。何が起こっても対処出来るようにした上でのことですのでそこのところをお忘れなく。
こんな例もありますので、その日まで頑張って下さい。そのしわ寄せは全部お母さんに来てしまいますが、お子さんを守るために頑張るしかないのです。お父さん! お母さんを支えてあげて下さいね。お母さんは孤立無援でも必死にあなたのお子さんを守っているのです。あなたが支えないで誰が支えるのです。当店のお客様の中でも、お父さんが協力的なお宅のお子さんは改善も早いですし、精神的にも安定しています。お子さんとお母さんだけが一生懸命頑張っていても、周りの人の理解と協力がないと限界があるのです。
お母さんのご両親に理解が無い場合はまだ良いのですが、お父さんのご両親に理解がない場合は、本当にお母さんを苦しめます。「付き合いたくない!」訳ではありませんが、子供の身体を考えると付き合いを控えざるを得ないからです。ここでお父さんに理解があれば未だ救われるのですが、理解が無い場合は最悪です。お母さん一人が悪者になり、孤立してしまうからです。ですから、お母さんには強くなって欲しいのです。家族がダメなら外に仲間を捜し、我が子を守って欲しいのです。あなたのお子さんを守る最後の砦はお母さんしかいないのです。
l−5:
《L−5 :ダニに強いアレルギーが出るが『ダニアレルギー用の布団』を使った方が良いのか?》
「ダニアレルギー用の布団」にもメーカーによって色々な違いがあり、一概に「これが良い!」とは決められないいのです。あるものは外側の生地が高密度に織ってありダニが中に進入できないタイプ。あるものは中綿に防ダニ用の薬品処理をしていて、外側の生地も高密度に織ってあるもの。あるものは中綿に薬品処理をしていないのだけれど、定期的にメーカーに送って洗濯してもらう必要があるもの等々です。どれも1組で6万円〜12万円と高く、しかも、高密度に織ってある生地を使っている場合は布団用のブラシも専用のに換える必要がありますし、何よりも洗濯や掃除機をかける際の「引っ張り過ぎ」に注意をしなければすぐにその効果が薄れてしまいます。ましてや、その子の分だけ換えても他の家族の布団が普通のでしたらその上で遊べば中からダニの糞やホコリが出て発作を起こすでしょう。敏感な子でしたらその布団の上を歩くだけで発作を起こすことも考えられます。だからと言って、「全員の分を買いなさい!」と言いたいのではありません。それしか方法がない場合は買うしかないでしょう。しかし、そうした布団を使ったとしても、布団の表側には寝ているうちに落ちたフケを狙ってダニが寄ってきます。ハウスダストも付いているでしょう。結局、サラッとでも掃除機は掛けなくてはならないのです。だったら、ちょっと大変でも後ろの方にある排気口のところに0.3ミクロン以下の細かいホコリまで取れるフィルター(メーカーによっては『ミクロフィルター』とか言っています)が付いている掃除機で、毎日家族全員の布団をかけられたなら、そんな布団は必要ないと思います。
今でこそ、毎年行われるアレルギーっ子達のキャンプでは、前以て日光に当ててから掃除機を掛けた『寝袋』を使うようになりましたが、以前はキャンプ場の布団や毛布を使っていて、喘息の子のほぼ全員が毎晩発作を起こしていたそうです。しかし、ある年から、キャンプ場に到着したらすぐに部屋の掃除をし、布団や毛布にも掃除機をかけるようにしたところ発作を起こす子が激減したそうです。それ以降、掃除機をかけることの効果を実感されたそうです。1枚に1分から2分程度で良いようです。朝のジョギングや散歩をされている方ならこちらの方が一石二鳥です。運動不足の方でも一石二鳥です。肥満(生活習慣病)予防とお子さんの喘息を起こさせないためにも頑張ってみる価値は『大』です。
ちなみに、掃除機を掛けていない布団には約20万匹、4畳半のジュウタンには約100万匹のダニがいるそうです。これに毎日掃除機をかけていると約3ヶ月で二ケタの数字になるそうです。こうなったら最低でも週3回しておけばダニの数は増えないようです。小学校に入ったら徐々に本人にさせるようにして、布団に掃除機をかけることが当り前に思えるようにしていきましょう。
l−6:
《L−6 :この子の着ているものだけ“アレルギー用の洗剤”を使って洗えば良いのですネ。》
食べものでも言えることなのですが、例えば、お母さんがお父さんのために目玉焼きを作ったとします。作った後で、卵にアレルギーのあるお子さんを抱っこしたとしたらどうなるでしょうか? 又、朝、パンを食べたお父さんがその口・その手で牛乳や卵にアレルギーのあるお子さんに「行って来るよ」とチュウをしたりほっぺたをなでたりしていたとしたらどうなるでしょうか? きっと良くならないと思います。常にアレルギーの原因となるものを付けられているからです。目玉焼きを作った後のお母さんの着ているものには卵の成分が付着しています。パンを食べた後のお父さんの口や手にも同じように卵や牛乳の成分が付着しています。それを、お子さんに付けているのです。
洗剤も同じように考えてみて下さい。何故、お子さんがいわゆる『普通の洗剤(=合成洗剤)』ではもちろんダメで、生協等で売っている洗濯用の粉末洗剤(=石けん)でもダメなのに当店の洗剤だと大丈夫なのか?
その答えは、その『材料』にあります。合成洗剤は論外ですが、いわゆる本来の『石けん』と名の付けられるものは様々な『油』を原料として作られています。一般的には『牛脂』です。袋や箱の裏や脇に「天然動植物性油脂100%」と書かれていましたら“動物性油脂”である「牛脂」の割合の方が「植物性油脂(ここでは何の植物からのかは判りません)」よりも多い石けんだ(含有量の多い順に書くことになっていますので)と言うことです。牛乳に強いアレルギーがある子なら「牛」から採った「油」で作った石けんではダメかもしれないぐらいの予測はつきますよね。牛乳アレルギーが無い子や軽い子ならこれでも大丈夫なのです。しかし、牛乳アレルギーの強い子やジュクジュクしているくらいの重症な子はこれではダメなのです。有名な『シャボン玉石けん』も『アトピコ』も『釜出し一番』も牛脂で作られています。
では、「“植物性油脂”なら良いか?」と言いますと一概にそうとは言えないのです。“植物性油脂”には「大豆油」も「紅花油」も「ひまわり油」も「椿油」も「コーン油」も「米ぬか油」も「小麦胚芽油」も当店のお勧めのシャンプー『アルティーヌ100シャンプー』の「オリーブ油」や粉石けん『ファミリー』の材料の「パーム油」も入ります。当店では花粉症の方には花粉のある植物の「紅花油」や「ひまわり油」や「椿油」で作ってあるシャンプーや石けんは極力使わないようにご指導しているくらいです。お子さんの体質やアレルゲン等を考えて、使うものを選択することは結構重要なんですよ!
l−7:
《L−7 :石けんはどんな石けんを使っているのですか?》
この質問はよくお母さん方にするものです。石けんやシャンプー等は直接身体につけるものだけに慎重に選ぶ必要があります。《L−6》の答えの中にも書きましたが、
当店では、牛乳にアレルギーがあっても「カサカサ」ぐらいの子には『牛脂』の石けんで試します。牛乳にアレルギーが無くても『ジュクジュク』の部分があるお子さんには『牛脂』の入っていないもの(製造時に混入も無いもの)をお勧めしています。まずその石けんが何から作られているのかをお調べ下さい。「アレルギー用」だの「敏感肌用」だの「ベビー用」というような“セールスポイント”に頼らないで下さい。きちんと他の商品との違いを知り、ご自分でしっかりと判断して選んで下さい。
他のところでも書いたと思いますが“アレルギー”は“ダイエット”、“成人病予防”とともに恰好の商売の対象として狙われています。たいした材料が使われていなくても、宣伝1つで“ブーム”となり、高い値段がつけられて売られたものが過去には沢山ありました。お金を無駄にしただけでしたら「授業料!」と思えば済むことです。しかし、アレルギーっ子の場合は、合わないものを使えば身体に変調を来たしてしまいます。お母さんはお金を、お子さんは(一時的とはいえ)健康を失ってしまうのです。慎重になりすぎても損はありません。ちゃんと説明を求めて、納得出来る答えの返ってきたものだけ試すべきです。
石けんの“選択”も大事ですが、『洗い方』も重要です。擦るような洗い方は“厳禁”です。アトピー肌は特に“刺激”に敏感です。刺激しないように洗って下さい。当店では手で泡立てて、サラっと撫でるように洗うように指導しています。石けん分をよく落とすことも重要です。残っていますと汗をかいた時に“刺激”となってしまうからです(これは洗剤の場合も同じです)。しかし、“シャワー”は使わない方が無難です。水温が上がれば更に“塩素”がきつくなりますし、直接肌にブチ当てますので“刺激”が強くなり、肌を傷つけますので……。
l−8:
《L−8 :浄水器は無いですが、ミネラルウォーターを買って飲んでいます。》
「安全と水はタダ!」とは我が国を象徴する言葉でした。しかし、今では「“水”を買う」ことが常識となりつつあります。それは、我が国の水道水が「まずくなってきた=汚れてきた=原水が汚染されてきた」ことを証明しています。誰がきれいだった私達の“水”を汚したのでしょう? それは、私達自身に他なりません。工場廃水や自然破壊も原因の一部とはなっていますが、私達の家庭から出された排水が私達の飲み水の原水を汚してきた大きな原因であることを忘れてはいけないと思います。そのために“塩素”による殺菌処理をせざるを得なくなってきたのです。私達は“安全な水=美味しい水”を求めると同時に、原水を汚さないための努力もしなければなりません。原水がきれいであったならば“塩素”による水中の雑菌の処理をしないで済む筈だからです。各家庭で気を付けて欲しいことは
@洗濯や食器洗いの際の洗剤は自然に回帰する“石鹸”にし、その使用量も極力減らす
A食器に付いた汚れ(特に油)は拭き取ってから洗う
Bお米のとぎ汁を流さない
こと等です。
国産・外国産含め、各ミネラルウォーターにはそれぞれに特徴がありますので、それをよく理解して飲む必要があります。普段“軟水”に慣れている私達が「“硬水”を飲んだら下痢をした!」とはよく聞きます。飲み水にカルシウムやマグネシウムを求めない方が無難です。ミネラルウォーターを購入している場合の問題は、“飲む”と“食べる”ところでしか使っていないところです。
例えば、お米を研ぐ場合、ミネラルウォータをお使いのお母さんは洗うところは水道水でし、炊く時に入れる水はミネラルウォーターを使っている方が殆どだと思います。洗うところからミネラルウォーターを使ったらもったいないですものね。しかし、お米を研ぐ際には“最初に入れた水”が重要なのです。この水がお米に浸透してしまうのですから。水道水だけを使ってお米を研いで炊いた場合にはビタミンB2が約50〜60%も消失してしまうそうです。野菜も水道水で洗っただけでもビタミンCが減ってしまうことが判っています。
私達の身体にはビタミンやミネラルが必要であることは言うまでも無いことですが、そのビタミンやミネラルの主要供給源である野菜の中からは、近年の農薬や化学肥料の大量使用により更に土が荒れ、年々減ってきているのが現状です。少ないビタミンやミネラルを有効に取り入れるためにもミネラルウォータを買うのではなく、浄水器(活性炭の多いもの)を購入することを勧めています。その方が長い目で見れば“割安”ですし、本当に必要なこと(美味しさ・安全性→身体にあったビタミンやミネラルの摂取)にも役立つからです。
l−9:
《L−9 :お風呂は一番きれいな“一番風呂”に入れています。》
アトピー性皮膚炎のお子さんをお持ちのご家族がする一番多い間違いではないかと思います。「一番きれいなお湯に入れてあげた方が良いのだろう?」とのお考えからだと思いますが、そのままでは「一番きれいなお湯は一番“塩素”のきついお湯」であることをご理解下さい。お子さんはお風呂上りに痒がったりしていませんか? もし痒がっているとしたら使用しているシャンプーや石けんが合わない場合もありますが、“塩素”が原因の場合の方が多いようです。
お医者様によっては「汗をかいたらシャワーで汗を流すように!」指導されている方もいらっしゃるようです。しかし、当店のお客様の中にはお風呂場でシャワーを使っただけで具合の悪くなる方がいらっしゃいました。それが“シャワー用の浄水器”を使い、“塩素”を除去したら大丈夫になりました。この方は極端な例としても、お風呂に“塩素”を除去するために“ビタミンC※1”を入れ、お湯をまろやかにするために“トルマリン(宝石の一種で別名電気石)”入りのセラミック(又は備長炭等)を入れ、そして、少しぬるめのお湯にします。これで“一番風呂”に入れても大丈夫なはずです。お風呂に入れる度に泣いていた赤ちゃんが泣かなくなったり、夜もぐっすり寝てくれるようになった例が数多くあります。
※1 薬局でアスコルビン酸(200g 2,000円)を買って入れるか、新しいお茶っ葉に代えて最初の濃い目のお茶を茶碗に一杯入れても良い
l−10:
《L−10 :湯上りにはきれいなお湯の方が良いと思い、“シャワー”を使っています。》
《L−9》でも少し書きましたが、アトピー性皮膚炎のお子さんにはそのままでシャワーを使うと刺激が強すぎて、かえって肌を傷つけてしまうようです。それは、水の中に入っている“塩素”が原因している場合が多く、これを除去するだけで大丈夫な子もいます。髪はシャンプーやリンスやパーマ液でも傷みますが、シャワーの“塩素”でも痛みますので出来るだけ使わない方が無難なのですが、どうしても使いたい場合は“シャワー用の浄水器”を使うことをお勧め致します。
永年、我が国にはシャワーを使う習慣が無かったので“国産”のものがあまりありませんでした。ご家族の構成員・入浴の頻度・シャワー使用者の数・髪の長い短いでもこの数字は変わってきますが、外国産のもので「除去能力が40,000l(本体のみで24,800円)」の性能のものでも、実際のところ「約半年(当店調べ)」くらいしか使えませんでした。私が知っている限りでは最初に国産で作られたところのは「同2,000l」だったと思います。これではやっと一週間くらいしか持ちません。これで、交換カートリッジが約2,000円くらいだったと思います。次に別のメーカーが「同10,000l(本体 19,800円)」のものを作り(交換カートリッジ 8,000円)、現在当店が扱っていますのは「同150,000l(本体 43,800円、交換カートリッジ 13,500円)」のものです。これなら400l(250lのお風呂に毎日入れても150l使える)使っても計算上は一年は大丈夫で、以前のものよりず〜っとお得です。
l−11:
《L−11 :“入浴剤”は使った方が良いですか?》
多くの先生が様々な“入浴剤”を試され、数々の成果が報告されていますが、当店では《L−9》でも書きましたが“入浴剤”は使わずに“ビタミンC”と“トルマリン入りのセラミック”を使っています。お風呂のお湯の問題は“塩素”であり、温泉のお湯のように柔らかいお湯にするために“トルマリン入りのセラミック”を使っているのです。この方が安上がりですし、何よりも香料等も使っていませんので花粉症のひどい方でも大丈夫なのです。年配の方からも「温まって湯冷めしにくい」と好評です。