アレルギーっ子の生活

<05-26     2001年11月15日(火)公開>

【赤ちゃんのうんち】

 正常な母乳栄養の赤ちゃんのうんちは、ゆるくてトロトロの酸臭(すっぱい臭い)のするうんちです。酸臭は腐りかけている時のサインです。酸臭がすることで赤ちゃんに「これは口にしてはいけないよ」と教えています。そして、母乳を飲ませるたびに、飲ませている最中からブリブリとうんちをします。したがって、うんちの回数は一日6〜10回もします。これは、非常に生理的な反応です。お腹に食べ物が入ると、うんちをすることは、動物の本能だからです。

 母乳で育っている赤ちゃんと一緒に生活したことがあれば、このことは当たり前に判ります。しかし、最近は状況が違います。赤ちゃんのうんちを、見たことも臭いを嗅いだこともない親が多くなっています。大人と同じようなうんちをすると思っているため、人工栄養の時に出る、形があるうんちを正常なうんちと考えてしまいます。母乳便やアレルギー用ミルク(乳糖を加えた明治のびやか)などのトロトロ便は「下痢」と思って病院へ駆けつけることになります。

 緑便は、便がアルカリ性に傾き、便中のビリルビン色素が酸性の時の黄色から緑に変わったことによります。普通はあまり心配はいりません。

 MA−1などの乳糖が含まれていないアレルギー用のミルクを飲んでいる時に、乳幼児冬季嘔吐下痢症(ロタウイルス感染症)になると、下痢もないのに白色の豆腐のような白〜灰色の便をすることがあります。普通の人工ミルクを飲んでいる赤ちゃんがこの病気になると激しい嘔吐や下痢に悩まされるのに、アレルギー用ミルクを飲んでいる子は白い便が出るだけで元気なことがあります。

 便を見て、臭いを嗅いで、そこから健康状態を推測することは大切なことです。是非、正常な母乳便を体験し勉強して欲しいと思います。できれば、出産前に正常な母乳便を見て、臭いを嗅いでおくと良いでしょう。

「アレルギーっ子の生活」最新ページへ戻る       第5章『アレルギーっ子の日常生活』の目次ページに戻る       前ページ(No.05-25)に戻る       「アレルギーっ子の生活」第6章『アナフィラキシー』のindexページに進む