<05-03 2001年10月06日(土)公開>
アレルギーがあると「いつ、どのようにお風呂に入るのか?」も大切なことです。
●入浴の準備。こんな物を用意しましょう。
体洗い用固形石けん、石けんシャンプー、入浴用タオル・スポンジ、湯上がり用タオル(洗い立ての清潔なもの。前日に使用したものはだめ。)
●体を洗う…体の汚れを取ります。合成洗剤はなるべく使わず、石けんを使いましょう。特に薬用石けん(合成洗剤です)は刺激が強いので使用は厳禁です。石けんは原料となる油の種類によっては皮膚に合わないことがあります。例えば、牛乳アレルギーの場合には牛脂から作られた固形石けんで痒みが出ることがあります。体に合った石けんを見つけましょう。石けんはタオルやスポンジでよく泡立てて泡で体を洗うようにします。湿疹がひどいところやじんましんが出ているところは手でそーっとやさしく洗います。汚れを取ろうとゴシゴシ擦ってしまうと、皮膚がはげ落ち、細菌やカビの感染を起こしてしまいます。汚れをうまく取るためには、まず体を(特に外陰部や足・脇の下などを)お湯で軽く洗てから浴槽に入り、お湯に充分浸って皮膚を柔らかくしてから石けんで体を洗います。ただし体を温め過ぎると痒みがひどくなってしまうので、ぬるめのお湯にします。石けん分はよく洗い流します。
●顔を洗う…赤ちゃんや乳児・幼児の場合は、石けんは使わずに、きれいなタオルで顔を拭いてあげます。アトピー性皮膚炎がひどい時は、きれいなタオルで顔を押さえるようにして汚れを取ります。学童以上は使えれば石けんを利用してもかまいませんが、顔のあぶら分を取りすぎないように注意します。顔には体の中から出てくる自然な脂が一番良いようです。汚染された油脂を食べると顔に分泌される皮脂が悪くなるため、顔の湿疹はひどくなります。
●頭を洗う…まずお湯をかけて髪の毛の汚れを取ります。石けんシャンプーは手に一度取り髪の表面に塗った後、よく泡立てます。頭皮に高濃度のシャンプーがついてしまいますので、直接髪に振り掛けないようにします。1度か2度同じように洗い、石けん分はよく洗い流します。その後に、必要ならば、リンスをします(食酢を薄めたものかクエン酸を薄めたものを使います)。
●体を拭く…まず、風呂場の中で、よく洗った小さなタオルで体を軽く拭きます。風呂場から出たら、湯上がり用のきれいなタオルで体を拭きます。一度使ったタオルは必ず洗濯をします。そのまま干しただけで翌日も使うと、前の日に体から落とした細菌やカビ・ウイルスなどを、再び体につけてしまい、アトピー性皮膚炎に感染症を併発してしまいます。
●消毒・軟膏…体がほてっているうちに軟膏を塗ると熱がこもり、痒みが強くなってしまいます。汗や熱が、一定飛んだ後に消毒・軟膏の処置をします。
●赤ちゃんの入浴…赤ちゃんは、本来の哺乳動物の状態ではお母さんのお腹にしがみついて生活しています。サルの赤ちゃんを見るとよく分かるでしょう。サルの赤ちゃんはいつでもお母さんのお腹の毛にしがみついています。赤ちゃんは胸の前にお母さんがいると安心しますが、胸の前に何もないと不安で泣いてしまいます。赤ちゃんはびっくりし、両手を開いて左右に伸ばす動作をします(モロー反射)。その後、手を握り、腕を曲げしがみつく恰好をします。これは、お母さんの胸から離れてしまった赤ちゃんが、つかむ場所を変えて毛をつかみ直している動作にも見えます。赤ちゃんが安心しておふろに入るためには、お母さんがだっこした状態で入ることが一番望ましいのです。ただし、体を洗う時、お父さんが入れる時、お母さんが一人で入れなければいけない時などは、そんなことはできません。そこで、赤ちゃんを仰向けにしてお風呂に入れる時は、お母さんの肌の代わりに、胸の上にお湯で濡らしたタオルを乗せておきます。タオルを赤ちゃんの胸にかけておくと、赤ちゃんはお母さんの胸に抱かれていると錯覚して安心します。
@入浴によって体が温まると、軽く出ていたアレルギー症状が強くなり、痒みが強くなってしまったり赤い斑点が出てしまったりすることがあります。慌てて軟膏を塗ったりしないで、少しの時間待ってみましょう。身体が冷えると症状が良くなる場合が殆どです。
A使った石けんやシャンプー、リンスが合わないことがあります。入浴後の症状が続く時は、他の製品に変えることも考えてみて下さい。
B風呂場の床や浴槽の中、浴槽のフタ、タライ、体洗い用のタオルやスポンジがカビている(ヌルヌルになります)ことがあります。時々点検して掃除をしましょう。
C水道水をそのまま沸かすと水道水中の塩素で皮膚がピリピリしたり、喘息の発作を起こすことがあります。薬局で売っているアスコルビン酸原末(=ビタミンC)500mg程度、または、お茶を湯のみ茶碗1杯分お湯に入れると塩素が取れます。
Dシャワーを使うと多量の塩素を浴室内に充満させることになります。シャワー用の塩素除去機(ゼンケンのバスシャワー・レインボーなど)も販売されてるので、それを利用することも考えてみましょう。