アレルギーっ子の生活

<04-42      2001年09月16日(日)公開>

【野菜の汚染を避ける】

ダイオキシンによる野菜の汚染 近くにダイオキシンの発生場所があると野菜は汚染される。 @ダイオキシンは水に溶けないため野菜の表面に付着する→緑黄色野菜が汚染されやすい→表面部分を取り除くと汚染が軽くなる。 A地下には浸透しにくい→土中に育つ野菜は汚染が少ない。 B気孔から取り込まれて野菜中の油脂に蓄積する(葉に蓄積される) 野菜は、食物繊維や葉緑素が多量に含まれ、ダイオキシンやPCBなどの環境汚染化学物質を体外に排泄する手助けをしてくれます。また、活性酸素の害を抑えてくれます。したがって、十分な量を食べるように奨めています。しかし、そんな大切な野菜もそれ自体が汚染されていては、効果は半減です。

 野菜類は、使用された農薬、栽培された場所の近くで合成樹脂を焼却したために生じたダイオキシンを含む灰が降りかかることなどで汚染されます。

 多くの農薬は水溶性のため、水で洗い流すことができます降り注いだ汚染灰中のダイオキシンは水に溶けないので、野菜の表面および土のごく表層にとどまり、地上で育つ野菜は汚染が強くなります。汚染物質を取り除くための下ごしらえの原則 汚染された食材、または、汚染の可能性がある食材を使う時 @流水で洗うか水につける A茹でこぼしをする、おひたしにする B湯通しする Cお茶の一杯目は捨てる D皮をむく、外側の葉を取り除く E塩や酢で洗う、醤油や味噌につける、漬物にするまた、灰が葉の表面の気孔から入りこみ、葉の中の脂肪組織に蓄積されます。したがって、青味の強い野菜(ほうれん草や小松菜、ユキナなど)は濃度が高くなります。

 次のように処理をすると汚染が多少軽くなります。

 流水で洗う、水につけておく、ゆでこぼしをする、おひたしにする、湯通しすることで野菜に付着した一定の農薬・化学物質は取り除けます。

 厚生省「平成10年度食品中のダイオキシン汚染実態調査結果について」では、市販のほうれん草を流水(水道水)で洗い、ざるにあげ、水を切ると汚染は66%に減少し、洗浄後のほうれん草を煮沸したお湯のなかで2分間ゆでた後に湯を切ると19.8%まで減少することを報告しています。また、茶の葉が汚染されていたとしても、お湯を注いで抽出した液(飲むお茶のこと)にダイオキシンはほとんど出ないことも報告されています。

 最初にお湯注いだらすぐに捨てることで、茶の場合は、葉の表面に付いたホコリ(飛散した焼却灰などの汚れを含む)を取り除けます。

 キャベツや白菜などは、外側の葉を何枚か取り除けば、降り注いだ焼却灰や葉の気孔から葉の内部に入り込んだ汚染を一定取り除くことができます。塩や酢で洗ったり、醤油や味噌に漬け込むと、野菜の汚染物質は漬け汁の方に多少移動します。糠漬けの場合は、糠に含まれる油脂にダイオキシンなどの脂溶性の汚染物質も移動すると思われます(ただし、糠は汚染されます)。

 若い人が好む野菜の炒め物では、ダイオキシン類が油脂に溶けやすいため、炒める時に使った油脂にダイオキシン類が移行し、人体への吸収を高める可能性があります。

 植物に含まれる食物繊維や葉緑素は、ダイオキシンなどの脂溶性汚染化学物質などを吸着して体外に排泄し、私たちの健康を守ってくれます。汚染されていない野菜を作り、手に入れて、充分に食べることが必要です。

 平成11年現在、厚生省の調査ではホウレンソウ・小松菜などの葉もの類と牛肉のダイオキシン汚染は同程度ですが、野菜のダイオキシンは食物繊維や葉緑素に結合しているため、人体への吸収は軽いと思われます。一方、牛肉などの脂肪分に含まれるダイオキシン類は吸収されやすいため、人体への影響は強いと考えた方が良いでしょう。したがって、野菜類の汚染と肉・魚・卵・牛乳などの汚染は濃度が同じ程度でも考え方を変えなければいけません。

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