アレルギーっ子の生活

<04-12       2001年04月29日公開>

【お米の油によるじんましん】

 毎年、あすなろ会(アレルギーっ子の親の会)主催のサマーキャンプがおこなわれます。その年は松島の野外活動センターでした。子供たちみんなで恒例のカレーライスを作っているときのことです。突然、みんなが騒ぎはじめ、人だかりができています。その中からボランティアの学生さんが小学校高学年の女の子を連れてきました。
 その子の顔はあっけに取られています。見ると、両方の手首から肩まで、および、顔が赤く腫れ上がっています。Tシャツで覆われている部分は何もなっていません。その子は、カレーの材料を煮込む前に、フライパンで油を使って炒めていました。後で確認したのですが、その子はアレルギー検査(IgE)で米が陽性でした。
 実は、炒めるときに使った油は調理士さんが持ってきた米の油だったのです。本来は菜種油を使う予定でした。この子は、熱くなった米の油のしぶきを浴び皮膚の赤みとむくみを起こしたのでした。
 応急処置でステロイド剤を使い、何とか症状は落ち着きました。米の油は、加工食品に多用されています。特に、油で揚げたスナック菓子や冷凍食品等に使われ、「植物性油脂」と表示されています。
 普通に食べるお米は非常にヒトの食性にあった食べ物で、IgEが陽性でも他のアレルギーの状態や体調に注意して食べればほとんどのアレルギー体質の方で大丈夫ですが、米の油は腫れや発赤などの反応を激しく起こす可能性があり食べることは極力避けた方が良いでしょう。特に、油が酸化している可能性がある加工食品は止めるようにしましょう。米の油を大量に食べてお米のアレルギーになってしまうと、普段食べるお米でもアレルギー症状を起こすようになるかもしれません。


 ※当店で(例え“アレルギー用”であっても)「米油」を扱っていない理由はここにあります。

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