<04-01 2001年02月12日公開>
野菜を食べず、肉と卵と牛乳とお菓子づけになり、扁桃腺や気管支炎、中耳炎を繰り返している子、体を大きくしようと牛乳をガブ飲みして貧血になってフラフラで病院を訪れる中学生、朝も昼もまともに食べずアイスやジュースで命をつなぎ、動けなくなって点滴に通う大学生など、これではヒトとしての生存は危うくなります。
ヒトが生き延びるための食べ方の基本があります。
哺乳動物としての生物的な消化能力によって、ヒトが食べる食べ物は決められています。あまりにそれからはずれた食べ方をすると、消化・処理するために大きなエネルギーを使ってしまい、体はクタクタに疲れてしまいます。ヒトの歯は穀物や芋類、野菜などの植物を食べるようにできています。消化能力も穀物や芋に含まれるでんぷんを処理する能力を高く持っています。それこそが、ヒトが生存するために必要な食べ物なのです。
生活する周囲の環境、自然環境によって栽培される作物は決定されてきました。化学の力でどんな所でも色々な作物が栽培されるようになってきましたが長い間にその土地で作られ、体にあまり負担をかけずに食べられてきた作物はその土地に住む人たちにとっては生きるための大切な食物です。「栄養があるから」とか、「健康に良いから」と他の土地、他の自然環境から持ってきた食べ物は体に負担になるものが多く注意して食べることが必要です。例えば、日本人のパン食、牛乳、卵、牛肉やブロイラー(鳥肉)中心の肉食などは体に合いにくいことを覚えておいて下さい。お米を中心にした和食、野菜や豆およびその加工法、海草は日本人に合った食べ物・食べ方です。それに汚染の少ない新鮮な魚貝類、きちんと育てられたブタ肉・地鶏などを加えれば立派な食生活ができあがります。さらには日本な中でも住む場所によって食べ方は違ってきます。
ヒトの食べ方は@、Aだけでなく人の持つ知識や情報、経済的条件、宗教等によって変わってきます。間違った情報や知識は健康状態を悪くさせます。日本人が体に合った食べ方を捨ててしまい、体に合いにくいアメリカやヨーロッパの食べ方を無批判に持ち込んでしまったのは、欧米に追いつきたいという願望や戦後の食糧難で持ち込まれたパン食や脱脂粉乳、肉食の奨励が原因の一端でしょう。
現代の子供たちは加工食品の強い味付けによって味覚が麻痺してしまい、本当においしいものを見分ける力を失っています。甘いもの、しょっぱいもの、油だらけのものを好み、化学調味料が入っていないとおいしいと感じることができなくなってきています。じっくり煮た大根の甘さ、新鮮な野菜の甘さがわかる鋭い子供たちの味覚や嗅覚を取り戻さなければいけません。
アレルギーは体に合わない食べ方を無理して続けていると、耐え切れなくなったときに現れます。食べ方の基本は、哺乳動物としてヒトが持っている消化能力を十分に発揮した食べ方です。