<03-18 2000年12月04日公開>
寝具に掃除機をかけて、ダニの糞や死骸・カビ・花粉・猫など動物の毛やフケ
・食べ物のカス・煙草のチリ・土ぼこり・自動車、特にディーゼル車排気微粒子等、吸い込んだり触ったりしてアレルギーを起こす原因となる家のホコリを取り去り、寝ている間だけでもアレルギーを起こしにくくします。これがアレルギーを軽くするための、一番効果的で、確実で、慣れてしまえば一番簡単な方法です。
ダニアレルギーは40歳以下のほとんどのアレルギー体質の人が起こしている、または起こす可能性があるため、ダニ抗原を減らすことはアレルギー対策の中で重要な位置を占めています。すでにダニにアレルギーを起こしてしまっている人、花粉やカビなど他の空中に飛び散る可能性がある物質にアレルギーを起こしている人、まだダニにアレルギーはないが食物にアレルギーを起こしている乳幼児、家族にアレルギー性疾患を持っている人でアレルギーの進行を予防したい人やその子どもは寝具への対策を十分に考えて実行しておく必要があります。
ダニにアレルギーがある場合には、1週間に3回以上寝具に掃除機をかけるとダニのアレルギーのもとであるダニの糞や死骸が激減し、症状が良くなります。だいたい、1日おきが目安になります。
温度が上がり湿度が高くなる5−9月のダ二繁殖期,空気が乾燥し増えたダニ・カビが飛び散りやすくなる9月末−11月の症状期にはていねいに掃除機をかけます。12月〜2月の乾燥して寒い時期には多少回数を減らしても構いません。カビの場合も、同じくらいの回数が必要です。カビも3日目から急激に増加します。
使用しているすべての寝具に掃除機をかけます。敷きフトンには掃除機をかけているが、枕や毛布・タオルケットにはかけていない人が時々いますが、これでは意味がありません。問題となるのは、寝具に住み着いているダニが排泄した糞やダニの死骸、そのかけら(これらにはアレルギーを起こす原因となくダニの蛋白質であるダニ抗原が含まれています)、カビの胞子など寝具の中からから飛び散るホコリ、周囲から寝具に付着したホコリです。とくに、枕はフケが多量に付着し、ダニの餌となるため、掃除機でフケを吸い取ってしまう必要があります。また、タオルケットや毛布にはダニ抗原の多いことが調査でわかっています。したがって、使っている寝具すべてに掃除機をかけないと意味がありません。敷きフトン・掛けフトン・毛布・タオルケット・肌掛け・枕など、使用しているすべての寝具のホコリを掃除機で吸い取ってしまいます。同時に、寝具周辺の室内のホコリも掃除する必要があります。
週に1回、時間をかけて吸引力を強くして掃除機をかけるよりも、弱めの吸引力で間隔を短く回数多くかける方がダニ・カビは減少します。ダニ・カビの餌となるフケの落ちる敷きフトン・枕は毎日、掛フトン・毛布・タオルケットなど上に使うものは2日に1回掃除をする確実にダニ抗原は減ります。週に一回の掃除機がけでは寝具のダニ抗原の量は多い状態が続きますが、回数が増えると少ない状態で維持することができます。
同じ家に同居している他の家族の寝具にも掃除機をかけないと効果が半減します。家族の寝具もできれば同じくらい、最低でも週1回は電気掃除機をかけるようにしましょう。いくら本人の寝具に掃除機をかけてダニ・カビを減らしても、ダニ・カビだらけの寝具に寝て体中にダニ・カビをつけたお父さんやお母さん、兄弟、おじいさん、おばあさんがダニ・カビを撒き散らしながら家の中を歩き回っているのでは、良くなりません。その状態で抱っこされると症状が始まってしまいます。新陳代謝の激しい若い人の寝具ほど、汗が出て湿気が多く、餌となる垢やフケが多いため、ダニが多くなります。家族の中でも、兄弟や若いお母さんお父さん、特に小さな赤ちゃんや乳幼児の寝具はきちんと対処しましょう。お年寄りの寝具は掃除機をかけると回数が少なめでもかなりダニは少なくなります。
花粉にアレルギーがある場合、天気が良く花粉が飛んでいる時に、寝具を屋外で干した場合は、部屋の中に取り入れる時に掃除機をかけ、花粉や自動車の排気のチリ・ゴミ焼却によって出た微粒子や土ホコリ(ダイオキシンを含みます)などを取ります。スギ花粉症がある場合、花粉が空気中を飛んでいる時間帯には、寝具を屋外に干さないことが原則です。
猫や犬のアレルギーがある場合も同じです。猫・犬の毛や屎尿が混じった土・砂ぼこりが飛んできて寝具に付く場合があります。
朝起きてから、寝具をたたみながら掃除機をかけます。夜の間に寝具に落ちた、人のフケを取り除くためです。朝、そのまま寝具をしまっておくと十分な餌と適度の湿度と温度な中で、ダニ・カビは夕方までに増えてしまいます。増えてから対処するより、増える前に対処した方が効果的です。
ダニやカビの餌となるものを寝具に持ち込まないようにします。寝る時は、衣服や身体に付いた食べ物のカスをきちんと落とすか、拭きとって、または、汚れた服を着替えてから寝るようにします。寝具の上で食べ物を食べることは厳禁です。
夜、寝具を準備する前には部屋の床面に掃除機を掛けるか拭き掃除をして花粉や土ぼこりなどを取り去り、その後、朝に掃除機を掛けた寝具を静かにホコリがたたないように敷いて寝るようにします。何かの事情で夕方になって寝具に掃除機をかける場合にも、まず寝る部屋の床に掃除機をかけるか拭き掃除をしてホコリを取ってから、寝具に掃除機をかけるようにします。
シーツは、フトンがすっぽり入るものを使うと掃除機をかけやすくなリます。フトンカバーをそのままシーツに使うと便利です。シーツや枕カバーは汚れるとカビが生えやすくなります。できれば週に1回以上、最低でも2週に1回は洗って下さい。カビのアレルギーがあったり、アトピー性皮膚炎で皮膚のカスが大量に落ちたりする場合は、寝具内部や表面で皮膚から落ちたカビや細菌が増えますから、連日に近く洗わなければいけません。特に、カビの菌糸や酵母菌(カンジダなど)は、掃除機をかけても減らすことができないため、洗い落とすしか方法がありません。
寝具は日光にあてる、乾燥機を使う、室内に干すことなどでなるべく乾燥させダニ・カビが増えないようにします。乾燥するとホコリが取れやすくなるので乾燥後は必ず掃除機をかけます.干した後に掃除機をかけないで使用すると、飛び散ったホコリでひどい症状を起こすことがあります。
寝具のホコリはたたき出さないようにします。たたくと寝具の内部に入り込んでいたダニ抗原やカビが表面に浮き上がってくるため、そのまま、使用すると症状を起こしてしまいます。また、寝具を叩くと、叩いた人の髪の毛や顔、手、衣服などにホコリがつき、そのままでアレルギーのお子さんを抱っこしたりするとアレルギー症状を起こす事があります。狭いベランダなどでは、叩き出したホコリが窓から部屋の中に入ってしまうでしょう。広い庭があって、寝具を叩いてもホコリが体につくことがなく、大気中に飛び散るようなら良いのですが、いまの住居環境ではむずかしいことでしょう。ホコリは掃除機をかけて吸い取ってしまいます。
寝具は乾燥させるため、押入れの中か部屋の隅で、すのこや網の上に保管し、湿気を飛ばすようにするといいでしょう。椅子や手すりのようなものに寝具を掛け、乾燥させてもいいでしょう。押入れの中にしまう場合はいっしょにしまってある他の寝具のホコリがつかないように注意します。また、押入れの壁や棚板にホルムアルデヒドが揮発する合板を使っている場合には、寝具を押入れに収納すると合板から揮発したホルムアルデヒドを吸着してしまうため、部屋の中に置いておいた方が良いでしょう。
高温多湿の夏の間に寝具の中でダニは増えますが、寝具内は湿度が高いため寝具内のホコリは飛び散りにくく、掃除機をかけても十分に吸い取れません。高温多湿の気候から低温乾燥の気候に変わる季節(初秋)、空気が乾燥すると、寝具は数日で急激に乾燥してくるため(布団は急に軽くなります)、それまで寝具内にたまっていたホコリが飛び散り始めます。この時期、掃除の間隔を短くして(最低でも2日に1回程度)、ていねいに寝具に掃除機をかけホコリを吸い取るとアレルギー症状が起きにくくなります。
寝具を敷いた後にはかなり大量のホコリが空気中に漂います。窓を開けて十分に換気ができるようにしてから、静かに敷き、ホコリを立てないようにして下さい。大気が汚染されていて窓を開けて換気ができない時には、空気清浄器の使用を考えます。
毛布はホコリが付着しやすいので、自宅で洗濯できるタオルケットや綿毛布を使います。タオルケットや綿毛布は最低2週に一回は洗うようにします。自宅で洗濯ができない毛布を使う時は定期的にクリーニングに出して使います。
長期間しまっておいた寝具を使う時は、使う直前に洗えるものは洗ってから、洗えないものは必ず何回か掃除機をかけてダニ・カビを減らしてから使いましょう。
最近、こんなお母さんに遭遇する機会が増えました。「しまってあった衣類は洗ってから使って下さい」と言うと「洗ってから使っています」とのこと。しかし、いっこうに症状が改善されませんし、服はカビの匂いがします。詳しく聞くと「夏前に洗ってから、しまっておき、秋になって寒くなったので出してそのまま使った」ことがわかりました。使用直前に洗わないと意味がありません。秋口には症状が強く出やすいので、夏のあいだしまってあったものを出す時は注意が必要です。また、この時期に久しぶりに実家に帰った時はしまってあった寝具を使うことが多く要注意です。事前に掃除機をかけて干しておいてもらうか、実家に着いたらすぐに掃除機をかけないといけません。
食べ物のアレルギーは食べても症状が出ますが、触っても症状を起こします。食べこぼした食べ物のカスがホコリとなり、それを吸い込んでも症状が起こります。食べ物のカスは掃除機で吸い取ってしまいます。
土ぼこりには、土に住むダニの死骸や糞、カビ、猫や犬の糞・毛、金属アレルギーの人ではニッケルやクロム、ディーゼル車の排気から出る炭素の微粒子・ゴミ焼却の灰(ダイオキシンなどを含有します)などが含まれ、アレルギーの原因となります。これも掃除機で吸い取ってしまいます。
赤ちゃんが小さい時はお父さんやお母さんがやります。寝具に掃除機をかけることは結構重労働なので、お父さんの仕事にするのが一番いいと思います。健康のためと自分だけジョギングするより、子供や自分のためになる掃除機がけのほうが健康づくりには最高です。子供のために掃除機をかけはじめますが、子供よりも親の体調がよくなってしまう場合も多いのです。アレルギーっ子の親はやはりアレルギー体質を持っていることが多く、寝具に掃除機をかけることで親が長年悩んできた鼻づまりが治ったり、頭痛が治ったりしてしまいます。もちろんお父さんが炊事をして食事を作り、お母さんが掃除機をかけてもかまいません。そして、子供には5〜6歳頃までは大人のお手伝いをさせ、小学校になったら、自分でもできるように練習させ、小学校の高学年になったら自分で掃除機がけがきちんとできるように教えてあげて下さい。最終的には、アレルギーを持っている子供たちが症状なく、自分で自分の寝具を扱えるようになることが目標です。
せっかく寝具や床などお部屋に掃除機を掛けてきれいにしても、掃除機のフィルターの性能が悪いと、排気にダニの糞や死骸のかけらやカビの胞子などが出てしまい、部屋中にアレルギーの原因をまき散らすことになってしまいます。アレルギーっ子のお母さんやその他の家の人もアレルギーの人が多いはずですし、ダニやカビのアレルギーのある子供が寝具に掃除機をかける練習をする時も、フィルターがきちんとしていないと、掃除機を使った直後に喘息発作や鼻炎を起してしまったりしますので、是非、0.3ミクロンの細かいホコリまで取れる高性能フィルターの付いた掃除機を使いましょう。ダニのフンや死骸のかけらのほとんど、カビの胞子などは排気中に出なくなります。東芝・ナショナル・シャープ・三菱・日立など家庭電気会社の上位機種はほとんどにこのフィルターが付いています。良くパンフレットをみて、買って下さい。価格は2〜6万円です。家の外に排気できるセントラルクリーナー(家の構造内に組み込んだ掃除機)が最良です。セントラルクリーナーの場合、排気は屋外に出るので部屋の中は汚れません。排気で室内のホコリを巻き上げてしまい、吸い込んで具合が悪くなることもありません。モーターのオイルが焼ける臭いで化学物質過敏症を起こすこともありません。しかし、この掃除機は家を建てる時から考えていなければ実現できません。普通の掃除機でも、ホースを長くして掃除機本体を室外に置いて排気を屋外に出す方法もあります。ただし、吸引力が少し弱くなります。外国製の高くて(20〜30万円以上)重く大きい掃除機は必要ありません。吸引力が強くても一回に取り除けるダニ・カビの量は限られています。予算があるのなら軽くて簡単に扱える国産の掃除機を各階に1台というように、持ち運びしなくてもすぐ掃除機が使えるように台数を増やしたほうが得策です。
紙パックの防虫・防菌剤は掃除機のスイッチを入れると部屋の空気中に飛び散り、鼻粘膜や気管の粘膜を刺激し、神経の働きをおかしくさせ、アレルギーを起こしやすくします。防虫・防菌剤の付いていない紙パックを購入しましょう。各家庭電気会社とも必ずありますので、電気店で注文して下さい。
各社とも工夫をしてかけやすくしてありますが、一番使いやすく、小学生でも寝具に掃除機がかけられるようにするためには、次のような方法があります。
東芝社製の寝具用のノズルを購入します。2本あるローラーの1本をはずし、その下にあるしきり板をはずします(2本のビスで止めてありますのでこれをとります)。ローラーを元に戻します。これで、余り力を入れなくても、寝具に掃除機をかけられるようになります。連結管が付属していて、どのメーカーの掃除機でも接続できます。
東芝社製のビシバシヘッドはヘッドが振動して寝具をたたきます。やや大きめで動きが重く子供の力ではちょっと無理ですが、ていねいにホコリを取りたい場合は便利です。
サンヨーのアトピットローラーは寝具の上で動かす時に力があまりいらないため、毛布やタオルケットに掃除機をかける時は楽で便利です。また、山清のダニ用フトンなど、生地を傷めやすいフトンにも掃除機が掛けられます。ちょっと値段が高めですがあると掃除機がけが楽になります。吸引力が弱いので、小さい寝具用ノズルとうまく組み合わせて使いましょう。
ダニだけでなく花粉やカビ・食べ物のカス・動物の毛やフケ・土ぼこりなども寝具から取り除くためには掃除機をこまめにかける必要があります。そのためにはアレルギーを起しにくい木綿でできていて、掃除機がかけられ、できれば洗える寝具が望ましいと思います。
木綿が一番良いのですが、今まで使っていたフトンが木綿+化学繊維であれば当面はこれでもかまいません。羊毛,羽毛はそれ自体が蛋白質なのでアレルギーを起こしやすいため使用は控えます。とくに、すでにネコなどの動物の毛やフケにアレルギーを持っている場合にはアレルギーを起こす可能性が高く、使わない方がいいでしょう。また、羽毛フトンは羽毛が飛び散らないように特殊な生地を使っており掃除機をかけると生地が壊れてしまうため、普通のフトン用ノズルでは掃除機がけができません。掃除機をかける場合にはサンヨーのアトピットローラーを使って、生地を傷めないように行うことが必要です。
ダニが発生しにくいといわれる防ダニフトンを使っている場合でも、寝具の周囲から飛んできて付着したホコリは電気掃除機をかけて吸い取る必要があります。
お奨めのフトン | |
ドクターヌーブU | 木綿100%、自宅で丸洗いできるフトンです。ダニやカビ、化学物質など、どんな汚れも洗ってしまえば取り除くことができます。 ドクターヌーブ 〒362-0075 埼玉県上尾市柏座1-11-15 連絡先フリーダイヤル 0120-178-237 電話048-774-0089 |
山清ダニアレルゲンカットふとん | 木綿70%、ポリエステル30% 。 木綿の高密度織をしてダニを通さないようにしたカバーを使用。周囲からのホコリの付着があるため、掃除機はやはりかけないといけません。アトピットローラーを使います。 且R清 〒179-0073 東京都練馬区田柄3-16-19 連絡先フリーダイヤル 0120-236-007 電話 03-3577-0007 FAX 03-3577-3488 http://www.yamasei.co.jp |
安心ふとん “ピューリスト” |
合成繊維製。テイジン“ミクロガード”生地使用。 ヤサカ産業(株) 〒107-0052 東京都港区赤坂4丁目4番16号 クレスト赤坂103号 連絡先フリーダイヤル 0120-451-396 電話 03-3505-1251 FAX 03-3505-2864 http://www.yasakasangyo.jp |
クリニックふとん | 合成繊維製。東レ防ダニふとんわたケパックα、高密度織のふとん生地アンテルU使用。 カービックジャパン(株)〒104-0042 東京都中央区入船2-2-3 連絡先フリーダイヤル 0120-22-6471 電話 03-3297-6176 FAX 03-3297-6373 http://www.Kirbic.co.jp |
普通に使われている半そば枕はパンヤの片側に薄くソバガラを入れたものですがパンヤにダニがつきやすく、ソバガラの粉でソバアレルギーを起すことがあるため、おすすめできません。ソバのアレルギーがある場合、またはソバアレルギーを予防するために、ソバガラ枕は家中から一個残らず取り除くかポリ袋の中に密閉して閉まって下さい。
ポリエチレン製のパイプをカットして詰めたパイプ枕がお勧めです。ただし、使われている合成樹脂に過敏な場合は、他の方法を取らなければいけません。塩化ビニール製の合成樹脂で作られた柔らかいパイプはフタル酸エステルなど化学物質が揮発するので、固い合成樹脂(ポリエチレン製)の方を使いましょう。
枕にはダニの好物であるフケが付着しやすいこと、また、パイプ枕は静電気でホコリが吸着させやすいため、掃除機を毎日かける必要があります。カバーは時々洗って下さい。パイプ事体もネットに入れたままで時々丸洗いし、ホコリを洗い流して下さい。購入は近くのデパートまたは寝具店で。ヒノキやキリ、スギなどの木材の小片を使用した枕もありますのが、それぞれの素材にアレルギーがなければ、使用してもかまいません。木の破片の粉でもアレルギーを起こすことがあるので注意します。
洗濯や掃除機がけがきちんとできれば、普通の木綿100%のシーツ(フトンカバーをシーツとして使うことが多い)で充分です。
アレルギー用シーツ | |
アンテルU |
高密度合成繊維使用のシーツ。ホコリを逃がさないように高密度織してあります。電気掃除機を持っていけない旅行などで、ダニやカビが繁殖した寝具を使用しなければいけない時、このシーツで寝具を覆ってしまいます。 |
べッドは、板の間に足の長い(40cm以上)ものを使います。低いベッドはベッドの下に掃除機が入らず、掃除ができません。二段べッドは床板が一枚板の合板で、湿気が逃げず、ふとんと床板の間にダニ・カビのはえることがあります。合板からはホルムアルデヒドが揮発します。また上と下で遊ぶことも多く、ホコリが出やすいので好ましくありません。二段べットではふとんを上げ下ろしできないために掃除機をかけるのも大変です。
アレルギー用ベッド | |
カービックベッド | 折りたたみ式パイプベッド。床から40cmの高さで、床が網になって通気性をよくしてあります。 株式会社 カービックジャパン 連絡先 フリーダイヤル 0120-22-6471 |
敷フトン・掛けフトン・毛布・タオルケットなど片面1分ぐらいが目安です。枕にもかけます。寝具を掃除機をかけやすいように敷き直し、たたみながら掃除機をかけていきます。
2人以上でやる時は片方が掃除機をかけ、片方が寝具のたたみ方運び方をすると楽にできます。
2組以上の寝具がある場合は、2枚並べた敷フトンの上に、毛布や掛けフトンを横に2枚の敷フトンにまたがるように重ねて敷いてから掃除機をかけるとよいでしょう。ダニやカビ、化学物質を含んだホコリは、目に見えない相手です。よく考えて、かけ残しがないようにしましょう。東芝の寝具用ノズルや東芝のビシバシヘッドなど小さなノズルを使う場合は、延長管を取ってしまい、短くして使います。寝具にぞうきんがけをするように掃除機をかけます。サンヨーのアトピコローラーは延長管をつけて長くして使います。
掃除機の吸引力の強さの調節。フトン用ノズルを寝具にあてて吸引した時、反対側で空気が吸い込まれることが分かる程度の強さにします。あまり強すぎると寝具にピタッとくっついてしまい、寝具の上をノズルが滑りません。弱すぎるとホコリを吸引できません。タオルケットや毛布・綿毛布など薄手の寝具はアトピットローラーなどを使うとスムーズにかけられます。
薄手の寝具(毛布・綿毛布やタオルケット、肌掛けフトンなど)に掃除機をかける時は、敷きフトンなど厚手の寝具の上に広げてかけます。畳やジュウタンなど、ホコリで汚れた場所の上に広げて掃除機をかけると、畳やジュウタンのホコリも吸い込んでしまうため、寝具の片面にホコリが付着してしまいます。厚手の寝具はたたみながら行えば、畳やジュウタンの汚れを吸着しません。
子どもたちが自分で寝具に掃除機をかけることを覚え、自分でできるようになるためには長い時間が必要です。目に見えないダニやカビを吸い取ったことをきちんと自分で確認するためには高度な抽象的な考え方が必要です。そのため、かけ残しなくできるようになるのは、小学校5・6年以上でしょう。それまでは、大人の方の援助が必要です。幼稚園からお手伝いをし、小学生になったら寝具用ノズルを扱えるように練習し、中学生で一人前、というのが一般的です。少しずつできるように、生活の中に組み込んでいきましょう。
母さんが妊娠しました。新しい家族が増えるための準備が必要です。今までお母さんがやってきた寝具への掃除機がけをお腹が大きなお母さんの代りにやってくれる人をつくらなければいけません。お父さんが最適です。もう既にお父さんが担当しているお宅では続けて下さい。かわいい赤ちゃんが生まれた後も、がんばれるように準備しておきましょう。もし、お父さんがだめな場合は何か他の方法を考えなければいけません。
かわいい赤ちゃんが生まれて家にやってきました。お兄ちゃんお姉ちゃんになって少し成長するかなと期待もしてみます。しかし、ちょっと困ったことがおきます。赤ちゃんを起こさないようにと赤ちゃんの近くは掃除機がかけにくくなります。さらに、赤ちゃんは水気が多く、汗もいっぱいかき、おしっこもいっぱいします。そのため、赤ちゃんの寝具の周りはカビやダニだらけになる場合があります。
敷きっぱなしの寝具で寝たきりの赤ちゃんの背中やお尻の下にカビが生えることがあります。ベビーベッドは敷板が一枚板の場合が多く湿気が逃げないので、寝具と板の間にカビが生えてしまいます。赤ちゃん用の寝具と敷板の間に空気層をつくると湿気が逃げて、カビが生えにくくなります。フトンカバーの中にパイプ枕用のパイプを入れ、フトンと敷板の間に敷きつめるようにします。
アレルギーっ子のお兄ちゃんお姉ちゃんが増えたダニやカビを吸い込んで気管支喘息の発作を起こすのもこの頃です。赤ちゃんがお家にきたら、掃除こまめにできるように工夫しましょう。
ダニを中心に話しを進めてきましたが、ここで注意を1つしておきます。いままで掃除をしていなかった場所を、「ダニにアレルギーがある、さあ大変」といきなりジュータンを剥がしてフローリングに変えたり、畳をひっくりかえして掃除を始めたりすると、今まで溜まっていたホコリが周囲に飛び散り、アレルギーのある子どもは具合が悪くなってしまいます。畳替えや、ジュータンの張り替え、大掃除など家庭内に溜まっているホコリを多量に飛び散らせるようなダニやカビの対策は、アレルギー症状を起こす前、つまり、体調がいい時期に、予防的に実施する必要があります。
気管支喘息などのアレルギー症状を起こしている時には、症状を悪化させないため、ホコリが大量にたつことはしないことが原則です。大掛かりな掃除は症状が落ち着いてから実施することにして、まずはホコリが出ないようにすること、つまり、使っている寝具に掃除機をかけ、洗える寝具や衣類を洗うことを優先させましょう。
大掃除をおこなう場合は、ホコリが飛び散らないように掃除機を用意し、十分に換気をしながら行い、掃除を終わったらホコリがついた服は着替えて、手についたホコリは洗い流し、髪の毛のホコリは掃除機で吸い取るか頭を洗って流してしまいます。大掃除後は部屋の中にホコリが飛び散っている可能性が高いので、室内の掃除も念入りにするようにします。