朝日新聞−2001年(平成13年)8月28日(火)
【パリ27日=国末憲人】反グローバル化運動で知られるフランスの中小農家組合「農民同盟」が、遺伝子組み換え作物(GMO)の実験農場に乱入して作物を破壊するキャンペーンに乗り出した。「花粉が飛散し、農家の作物に影響を与えることを恐れるため」との理由だ。背景には、GM0開発を支配する大手企業への反発もある。
26日午前、南仏モンテリマール近くで、農業化学企業が経営する農場を、カマやナタを手に100人余りの農民が急襲。約2,000m2の畑に植えてあった遺伝子組み換えトウモロコシを次々と引っこ抜いた。農民らはトウモロコシを「成果」として県庁前に積み上げ、気勢を上げた。
22日には南仏ニーム近くの実験農場で150人の農民がトウモロコシを引き抜いた。農民側は「9月半ばまで、フランス全土で破壊活動を続ける」と公言。環境保護団体や緑の党の一部にも同調する動きがある。
反グローバル化活動を続ける農民同盟の指導者ジョゼ・ボベ氏は「閉鎖施設内での研究に異議を吐なえる唱える訳ではない」と説明する。