朝日新聞−2001年(平成13年)8月28日(火)

これからも一緒だよ
心に事件刻み……池田小80日ぶり再開

 事件を心に刻み、生きることの意味をかみしめて−大阪教育大付属池田小(大阪府池田市)は27日、仮設校舎で2学期の始業式を開き、児童ら殺傷事件以来80日ぶりに学校を再開した。28日から始まる授業では、事件に対する感情を整理し、多様な体験を共有することで心の傷の克服を図る「トラウマワーク」を週1回開く。
 午前9時10分から校庭で始まった始業式では、殺害された8人の児童のめい福を祈り、黙とうをささげた。山根祥雄校長は「みなさんが落ち込んでしまうことを8人の友だちは願っていないと思う。前よりもっと力強く、優しく生きてくれると信じています」とあいさつした。
 緊張をほぐすゲームで子どもたちに笑顔が広がった後、6年生の女児があいさつ。「事件が起きるまで、命の大切さをこれほど深く考えたことはありませんでした。8人の友だちの心も一緒にして、今までのように仲の良い、楽しい学校にしていきましょう」と呼びかけた。
 同小は児童が死傷した1、2年生の4学級に新たに副担任を配置した。死亡した8人の机は各教室に置かれ、5人が死亡した2年南組では級友の手で遺影と花が置かれた。また、遺影が飾られた玄関ホールで手を合わせる児童もいた。

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