朝日新聞−2001年(平成13年)8月28日(火)
以前、本欄で「試用期間延長後、突然解雇された」という投稿が掲載されていた。必死で職を見つけようとしている人に対し、3カ月の試用期間を過ぎても同じ条件で働かせる。あげくの果てに仕事がひまになったといって解雇する。あまりにひどい。こういう企業は許せない。
どこの企業でも、消費するお金の中で一番多いのは人件費だと思う。だからこそ、企業の方もその人の能力や適性を観察し、人材を選んでいるはずだ。それなのに、こんな形で解雇するというのでは労働者は納得できないだろう。
私はスーパーで立ち仕事をしていましたが、7月に中小企業の事務のパートとして採用されました。ところが、勤務し始めたとたん、腰から足が痛み、いすに座ることさえつらくなりました。病院では「これまでの仕事による節肉疲労。安静にすれば良くなる」と静断されました。
仕事を変わったばかりですので、無理をして2週間出勤しましたが、痛みはなくなりません。やむをえず「治療のため3日間休ませて欲しい」と会社に伝えて休みました。すると、夕方には、「もう来なくていい」と電話で解雇を言い渡されました。
まじめに仕事をこなし、退職する正社員から仕事の引き継ぎもほぼ終わったのに。病欠を認めない会社にあきれて「それなら結構」と辞めてしまいましたが、不当に解雇された怒りは収まりません。
約4年間、派遣社員として働いていますが、3回保険料を「払い損」しています。
派遭社員の場合、会社がその人の様子を見るため、1、2カ月たってから雇用保険に加入させるケースが多いのです。ところが、リストラとなれば、「まず派遣社員から」が日本の会社の不文律。雇用保険に入って6カ月未満であろうが、容赦ありません。この場合、6カ月以上保険料を納めなければ失業手当を受け取れないため、保険料は払っても、手当はもらえません。
弱い立場の人から削減するのは許せません。雇用保険制度も改善できないでしょうか。