毎日新聞−2001年(平成13年)05月18日(金)
法律で定められた障害者の雇用率を守っていない日本航空の歴代3社長に対し、大学教授らが損害賠償を求めた株主代表訴訟の和解が17日、東京地裁(小林久起裁判長)で成立した。日航は
@2010年までに法定雇用率を達成するよう努力する A達成まで雇用率を会社のホームページで公開する Bスロープなどの導入で支援態勢を整える |
ことを約束した。
株主側は「法定雇用率を問題にした初の訴訟で、障害者雇用の具体的な目標を出したことは画期的だ」と評価した。
「株主オンブズマン」代表、森岡孝二・関西大教授ら3人が提訴した。株主側によると、障害者雇用促進法が従業員56人以上の企業に1.8%の障害者雇用を義務づけているのに、同社の雇用率は1.29%(99年)だった。未達成の代償として国に雇用納付金約5000万円(年間)を払ったのは取締役の注意義務違反と主張し、1億1000万円を会社に賠償するよう求めていた。株主側は和解により賠償請求を放棄した。
株主側の松丸正弁護士は「雇用率の公表すらせず、納付金を払ってすませる企業がほとんどなのに、日航が目標を掲げ情報公開に踏み切る決断をしたのは前進だ。企業に効果が及ぶことも期待したい」と話した。
日本航空広報部の話 当社が障害者雇用努力を継続していることを理解して頂けた結果であると考える。 |