読売新聞−2001年(平成13年)05月16日(水)
偏食や不規則な食習慣などが原因と考えらねる子供たちの健康問題が深刻化していることを受け、文部科学省は13日までに、食生活の改善指導をどう充実させるかを検討する調査研究協力者会議を設置した。
15日に初会合を開き、栄養士の資格を持つ学校栄養職員を教育現場で積極的に活用するため、「栄養教諭(仮称)」制度の創設も視野に入れて検討する。
同会議は、全国学校栄養士協議会の田中信名誉会長や女子栄養大の香川芳子学長ら専門家をはじめ、小・中学校長、教育委員会の代表ら関係者15人で構成。栄養教諭の創設は、給食の栄養管理などに取り組む学校栄養職員の専門性を教育活動に生かすのが目的で、児童・生徒の発達段階に応じた指導力向上をはじめ、健康教育に関する専門技能を備えた職員の育成を検討する。同省では2002年度予算の概算要求に関連施策を盛り込みたい考えだ。
小・中学校では現在、食生活を含む健康教育は家庭科や保健体育の分野で行われている。しかし、最近、児童・生徒の間で偏った栄養摂取などが原因とみられる肥満や糖尿病などが増加しており、不規則な食習慣が精神面でも悪影響を及ぼし、いわゆる「すぐキレる子供たち」を生んでいるとの指摘もある。