毎日新聞−2001年(平成13年)05月13日(日)
【ワシントン共同】除草剤耐性の遺伝子を組み込んだ遺伝子組み換え大豆の栽培では、通常の大豆よりも除草剤の散布量は多くなっている一方で、単位面積当たりの収穫量は低いとの調査結果を、米アイダホ州の民間研究機関「ノースウエスト科学・環境政策センター(NSEPC)」が12日までにまとめた。NSEPCは「除草剤の大量使用は、薬に耐性のある雑草を生み出すことにもなりかねない」と警告している。
NSEPCは、モンサント社がグリホサートという除草剤に耐性を発渾する遺伝子を組み込んで作った大豆に注目。98年の米農務省のデータなどの分析では、作付面積当たりの除草剤の使用量は、米国最大の大豆生産地のアイダホ州など九つ
の州で、通常の作物に比べて10〜30%多かった。
これに対し単位面積当たりの収量は、米国内の大学などで行われた栽培実験の結果を総合すると、遺伝子組み換え大豆は、通常の大豆より5〜10%少ないことが判明した。