読売新聞−2001年(平成13年)05月10日(木)

人生案内

久田 恵

学歴第一の義父母と合わない  2歳と1歳に英単語……キレそうな20代主婦

 二歳と一歳の息子がいる二十代の主婦。子どもにとっては今は遊ぶことが仕事で、のびのびと育てたいと考え、外でお友達と遊ぶことを中心に育児をしています。でも、義父母は私と正反対の価値観を持っていて、子育てについて細かく口を出してきます。
 長男を妊娠中も「おなかの赤ちゃん、頭の良い子かしら」と、健康よりも頭の良しあしを心配していました。「三歳までは脳が最も発達する時期」が口癖で、「英語のCDを聞かせなさい」などと言いだし、英単語を折にふれて教え込んでいます。長男が興味を持っているわけでもないのに必死です。
 義父母はすぐに学歴で人を判断し、私の母親をばかにしています。いつかキレて、「いい加減にして下さい!」とどなってしまいそう。そうなる前にアドバイスをお願いします。  (熊本・C子)

 二歳と一歳。今は「遊びが仕事」。あなたの言う通りだと思います。
 私も同じ考えで子育てをしました。息子は、小学校入学時に、クラスで字が読めない、書けないたった一人の子どもでしたが、何ら問題はありませんでした。
 孫の教育熱に淫かされた義父母さんは、英語ができること、知識があること、学歴があることを「頭が良い」証拠だと勘違いしているのでしょうね。今のところは、彼らの行為を笑ってみていてもさほど害があるとは思いません。
 が、これ以上エスカレートしていくようなら、一度、きちんと言うべきでしょう。
 その際、理屈には理屈で闘うのが最も効果的。のびのび教育の本などを一読し、それなりの理論武装をして、「私には私の考えがあって、あえてこの教育方針でやっている」と断固主張し、ギャフンとさせるのもいいかもしれませんね。
 水を吸い、光を浴びて自力で育っていく植物のように子どもたちが育てられればいいな、と思います。

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