読売新聞−2001年(平成13年)05月10日(木
生後三か月の長男の適切な養育を怠り、死亡させたとして埼玉県狭山市の夫婦を保護責任者遺棄致死の疑いで逮捕した同県警は九日までに、この夫婦の三男(当時生後四か月)が今年一月、顔に負ったやけどは主に高熱の固形物を押し当てられるなどしてできた可能性が高いとの見方を囲めた。このやけどを巡り同県警に傷害容疑で逮捕(処分保留)された母親の横山愛容疑者(27)は「(ミルクを飲ませる際)誤って計量カップのお湯がかかった」と容疑を否認したが、この説明が矛盾している疑いがあるとして県警は改めて捜査している。
三男は今年一月十日、顔に約三週間のやけどを負って、同県所沢市内の病院に入院したが、不審に思った病院が所沢児童相談所に連絡。狭山署は同月16日、三男の顔にポットの熱湯をかけたとして愛容疑者を傷害容疑で逮捕したが、さいたま地検川越支部は、「関係証拠の収集が間に合わなかった」として処分保留で愛容疑者を釈放。しかし、その後の調べで、三男のやけどの跡は、熱湯のしぶきなどによるまばら状のものではなく、皮膚全体に広がっていることが確認された。