毎日新聞−2000年(平成12年)12月16日(土)
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今年4〜10月の光化学オキシダント注意報の発令は、全国で廷べ259日、被害届け出人数も1479人に達し、ともに過去10年間で最も多かったことが15日、環境庁のまとめで分かった。光化学オキシダントは1970年代には被害届が4万人を超えたこともあったが、近年は1000人を超すことは珍しく、環境庁は日照時間が平年に比べ長かったことが一因と分析している。
この期間中に注意報が発令されたのは全国の22都府県。都府県単位での発令をまとめた、延べ日数は259日で昨年同期の100日の約2.6倍になった。都府県別では、埼玉県が40日で最も多く、茨城県、東京都、大阪府の23日、栃木県の21日だった。
被害届け出人数は、5月に宮城県で起きた1149人の集団被害を含め1479人で、昨年同期の402人を大きく上回った。
光化学オキシダントは、工場や自動車から排出される窒素酸化物などが紫外線により光化学反応を起こして発生する汚染物質。日差しが強く、気温が高く、風が弱い日に発生しやすく、大量に発生すると光化学スモッグと呼ばれる。
【吉川 学】