毎日新聞−2000年(平成12年)10月27日(金)

アブラムシが大量発生 古川の大豆ピンチ!

 古川地域の転作大豆栽培で、今年初めて「ジャガイモヒゲナガアブラムシ」の被害が多発し、収量や品質への懸念が出ている。県への情報では山形県・庄内地方でも同様の被害があった。遺伝子組み換え種と無縁で需要の大きい国産大豆栽培に暗雲が漂い出した形だ。

 古川地域は1996年を皮切りとする全国有数の大豆集団転作地。JA古川によると、今年はおよそ900fで栽培した。5、6月に種まきを行い順調に生育したが、8月中旬から9月にかけ、このアブラムシが900fのほぼ全域に発生した。県農業振興課の話では、葉裏ごとに数十匹から数百匹がびっしりついている佃も少なくなかった。葉の汁を吸うため、葉が褐角化して落ちる被害が続出した。現在、収穫作業に入っているが、1200`以上と見込んでいる収量や品質に何らかの影響が懸念される。昨年までは1枚の葉に数匹程度で被害の心配はなかった。

 アブラムシ(アリマキ)は日本だけでも200種余いるとされる。ジャガイモヒゲナガアブラムシは通常緑色で体長2〜3_。名の通りジャガイモに多くつくが、大豆にも見られる。

 不思議なのは県の防除基準に従い例年通り複数回、有機リン系殺虫剤を使用したのに大発生したこと。同課では薬剤耐性種の出現とはみておらず、気温、日照、雨量などとの関係を解析中。県南地域での発生は少なかったが、山形・庄内方面でも大発生したことは局地的な現象の域を超えていることを示しており、来シーズンに向けての新たな対策が望まれる。

 【小原博人】

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