読売新聞−2000年(平成12年)10月09日(祝)

   割りばし死亡事故

両親、賠償提訴へ

病院と当直医に8,900万円・・・

 転倒して綿あめの割りばしがのどに突き刺さり、杏林大学医学部付属病院(東京都三鷹市)で治療を受けた保育園児が死亡した事故で、園児の両視は8日までに、適切な診断を怠ったなどとして、同病院と治療した当直医を相手取り、約8,900万円の損害賠償を求める訴えを起こすことを決めた。園児の誕生日となる今月12日に東京地裁に提訴する。訴えるのは、東京都杉並区、都立高校教諭の杉野正雄さん(49)、文栄さん(43)。

 杉野さんらによると、三男の隼三(シュンゾウ)ちゃん(当時4歳)は昨年7月10日、盆踊り会場で、割りばし付きの綿あめをくわえたまま転倒。のどに傷を負い、救急車で同病院に運ばれたが、耳鼻咽喉科の当直医から傷口に塗り薬をつける治療を受けただけで帰宅し、翌日の同11日に頭がい内損傷で死亡した。解剖の結果、頭がい内からは7.6aの割りばしが見つかった。

 杉野さん夫婦は、同病院は詳細な問診のほか、CTやMRIなどの画像検査を行って正確に診断することを怠ったと主張。同病院では隼三ちゃんの死亡後、CT検査で頭がい内に割りばしが残っていたことを知っていたのに、「先天的に異常があったのかもしれない」と説明したり、「助かっても植物状態」と配慮のない発言をしたりして、精神的苦痛を与えたとしている。

 事故をめぐっては、警視庁荻窪署が今年7月、治療した当直医を業務上過失致死容疑で書類送検し、東京地検で捜査している。

 私には、「幼い子どもが口に何かをくわえながら歩いていた」こと自体信じられない。転べばこうなることが予測されるからだ。
 亡くなった後でくだらない言い訳をしたとされる医者も医者なら、子どもにその時に教えなかった親も親だと思ってしまう。

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