河北新報−2000年(平成12年)10月07日(土)
みやぎ |
東北福祉大(仙台市青葉区)の臨床心理相談室が、不登校に悩む親子らに積極的な利用を呼び掛けている。相談員に臨床心理士をそろえ、施設面を充実させているが、4月の開設以降の利用者は伸び悩み気味。相談に当たる教授らは「ぜひ不登校の親子らの一助になりたい。一度訪れて欲しい」と話している。
相談に当たっているのは県臨床心理士会会長の宇田川一夫教授をはじめ、臨床心理士の資格をもつ教授ら3人と大学院生。大学が設置し、臨床心理士が応じる専門の機関は東北でも珍しく、子どもとの遊びを通じて対人関係を築く「遊戯療法」を施すプレールームなど、施設面も充実している。
相談室は相談業務を通じて「心」の専門家となる臨床心理士を育成することも目的にしている。県は平成14年度をめどに86すべての県立校にスクールカウンセラーを配置する方針で、その担い手を育てる役割としての期待も大きい。
面接を受ける人や方法に応じた“相談料”がかかる。相談は“電話予約制”で、申し込みは月・火・木・金曜日の午前9時半〜午後4時に『022−717−3322』へ。
いっぽのコメント 不登校の子が増えていく中で親も、学校も、関係機関も一生懸命取り組んでいると思う。しかし、実際のところ、このような機関を利用する人は少ないようだ。お金の問題なのか、身内の恥を晒すようで抵抗感があるのか。 しかし、何事も「早いうちに手を打て」である。学校に戻ることだけがゴールではないと思う。学校に行かれない子ども達が心を落ち着かせていられる場所、相手が早急に必要だ。しかし、そう簡単にはできないと思う。それでも、利用者が増え、関係者が集い、知恵を寄せ合って、自分達の手で作り上げていくぐらいの気持ちにならなければ実現は不可能だろう。一日も早く、親も子も心を開いて相談できる場をなって欲しいと切に願っている。 |