読売新聞−2000年(平成12年)10月02日(火)
三面 |
ノート反省文に「ごめんなさい」
30日午後10時10分ごろ、埼玉県新座市内のマンション一階通路に、このマンションに住む中学2年の男子生徒(13)が倒れているのを住人が発見した。生徒は胸などを強く打っており、まもなく死亡した。新座署は、生徒の部屋に自殺をほのめかす走り書きがあったことなどから、飛び降り自殺したものとみて調べている。
同署や生徒の通う中学校によると、同校では29日、2年生全員に、校内で菓子を食べたことがないかどうか調査。この生徒を含め、食べたことがあると答えた21人に、反省文を出すよう指導した。生徒は翌30日夜も母親に注意されたという。
生徒のノートには、「罪を償うために学校でゴミ拾いをします」などとの反省文に続き、「死にます。ごめんなさい。たくさんばかなことをしてもう耐え切れません」と記されていた。
同校の校長は「現実を重く受け止めている。二度とこうしたことが起きないようにしたい」と話している。
いっぽのコメント 「学校は勉強するところ」である以上、お菓子を食べた、食べないに関わらず、持ち込むこと自体持ち込むこと自体悪いことであることは誰でも知っている。でも、多分この子も、同じように持っていって食べた子もほんの悪戯心であったと思う。私も「咳が出ると授業の迷惑になるから」と偽って飴を持って行って、授業中先生に自己申告して堂々と舐めたことがある。これは本当に飴が舐めたかった訳ではない。只、目立つことがしたかっただけのことである。先生を困らせて楽しんでいたに過ぎない。同じように“早弁”や校外への買い物や授業中の抜け出しもよくした。全て禁止事項である。 見つかり、叱られれば謝った。いけないことだとは知っていたから。廊下に立たされたり、正座させられたり、罰掃除もしょっちゅうだった。しかし、それでも、し続けた。何かあれば「全て自分で責任を持つ」くらいの覚悟はしながら。 しかし、この子のように「たくさんばかなことをしてもう耐え切れません」とは考えたことはない。このこと以外にも何か合ったのかもしれない。学校からどう言われたのかも判らない。お母さんからどう注意されたのかも判らない。でも、死ぬことはなかったんじゃないのか。残念だ。14歳、15歳の年齢で全てまともなことしかしない人間なんてどこにもいやしない。皆悪戯と悪さをして、叱られて、教えられて成長していくもんなんだ。 子どもは子どもらしく生きろ! 大人の真似や背伸びは止めろ! 勉強だけが大事なんじゃない。学校に行くことだけが大事なんじゃない。「良い子」で生きることが大事なんじゃない。一生懸命生きることが大事なんだ! 失敗しても、挫折しても、挫けずに、諦めずに、自分の夢を追いかけて欲しい。精一杯自分の人生を楽しんで欲しい。 君が一番した“馬鹿”は自らの人生を、自分の手で幕を下ろしてしまったことだ。あなたが死んでしまってはあなたも、ご両親も、学校もやり直せないじゃないか。そのチャンスをあなた自身の手で放棄してしまったと言うことなんだよ。でも、君だけが悪いんじゃない。生きていれば楽しいことがあることも、何度“馬鹿”をしてしまったって何度でもやり直せることも、「命が一番大切なんだ」と、ご両親からも学校からも教えて貰っていなかったんだものね。 天国でのびのびと過ごして、皆が君のした“最大の馬鹿”を真似をしないように見守ってあげて下さい。 合掌 |