BRice(ブライス)の今後の取り扱いについて

※現在当店が扱っております『おこめ安心パンシリーズ』は、材料の仕入先も製造場所も工場内では一切小麦製品を扱っていないところに変更して作っていただいておりますので、現時点では基本的には“コンタミ”の恐れはないと考えております。しかし、何が原因で発症するか判りませんので慎重にご利用いただくようお願い申し上げます。                          2005年11月15日(火)


 突然の「取り扱い中止」のため、これまでご利用いただいておりましたお客様には大変ご心配とご迷惑をお掛けしてしまいましたこと、心よりお詫び申し上げます。
 小麦の混入があったのかどうかについては当事者側とメーカー側の検査の結果は出ましたが、まだまだ原因については解明されておりません。
 しかし、角田先生とご相談の結果次のように一定の「線」を引いて取り扱いを再開することに致しましたのでお知らせ致します。

 BRiceは、「小麦アレルギー対応品」からはずし、小麦アレルギーの強い方(特に、小麦グルテンにアレルギーのある方には)には食べないように指導する。

理由:
 これまでお米を粉にしていた○○製粉の工場の同じラインで米粉と小麦のグルテン粉※2を混ぜた「ミックス粉」も製造していて、そこを掃除してBRice(ゆきひかり)用の米粉を作っていたそうです。そのために“コンタミ※1”が起こってしまったのではないかと考えられています。

経緯:

 患者さんは6歳の男子。小麦にアレルギーがあり、ラスト6。
 過去に台湾産のビーフンでもアナフィラキシーを起こし、入院。
 現在、小麦・牛乳除去中。
 9月11日に購入したBRiceを、同月22日に幼稚園の昼食用に自宅から持参した同品を食べ、約30分後頃より全身の蕁麻疹、呼吸困難、全身浮腫のアナフィラキシー症状を呈したため主治医を受診し、入院治療を受けた。主治医は患者の病歴、症状から「小麦によるアナフィラキシー」と判断し、「おそらく小麦によるアナフィラキシーで、食べた量も少量ではない」と言われた。

ご両親のコメント:

@自宅には小麦製品は置いていない。
A小麦を使用する行事がある時は幼稚園を休ませ、週2回の給食の時は代用食を持参していた。
B幼稚園ではこのお子さんの小麦アレルギーを理解し、この日の給食時間も担任がついていて、これで「事故」は起きていなかった。
CBRice(ゆきひかり)を食べ始めた時期あたりから気管支炎になることが多く、なかなか治りにくい状態が続いた。

検査の結果:

 今回アナフィラキシーを起こされたお子さんが召し上がったBRice(ゆきひかり)を財団法人 日本食品分析センター仙台営業所で検査した結果は、  

検査方法(使用小麦タンパク検出キット製造メーカー) 1回目 2回目
ELISA法(モリナガ測定キット※4/株式会社森永生化学研究所) 13.4µg※3/g 14.1µg/g
ELISA法(FASTKIT エライザ※5/日本ハム株式会社) 2µg 2µg/g
ヘルシーハットさんよりの資料より

でした。
 
 BRice(ゆきひかり)のメーカーである「株式会社 おこめ安心食品」さんが調べた結果は

検体名 試験法1(モリナガ) 試験法2(日本ハム)
BRice(ゆきひかり)   9/12 2µg以下 2µg以下
BRice(ゆきひかり)  11/13 2µg以下 2µg以下
ビザ            11/13 2µg以下 2µg以下
米粉 2µg以下 2µg以下
財団法人 日本食品分析センター 千歳研究所

だった。

株式会社 おこめ安心食品さんのコメント:

@現在弊社が使用中の原料は、その製造ラインと同一ラインにて小麦製品を製造している(別会社・別工場)という客観的な事実があるので、小麦タンパクの微量混入の可能性を完全に否定することは難しい。
Aライン洗浄の徹底と商品管理により、現在も弊社の自主基準を満たす原材料となっているが、行く行くは専用ライン化をはじめ、より安全なものを提供できるよう準備に着手した。
B表示等を含め保健所と十分協議を重ねながら進めていく。

 最近上記の製粉ラインはBRice(ゆきひかり)専用になったそうです。しかし、同じ工場内で今までどおり小麦グルテン粉を入れた「ミックス粉」も作っていますので“コンタミ”の危険性は減りましたが無くなっていません。

角田先生のコメント:

@14μg/gの微量混入でアナフィラキシーが起こるかどうかはわかりません。
Aこの症例が他に何を食べていたのかが 不明。給食での発病のようですので、周囲でパンを食べているならそちらの可能性のほうが高いと思われます。
B小麦アレルギーの軽い方には良いでしょうが、グルテンに強く反応する方には薦めないほうが無難だと考えている。

今回の事故の問題点:

@株式会社 おこめ安心食品さんの対応の悪さ。被害に遭われたお子さんやそのご家族に対して、BRice取扱店に対しての説明や報告、検査の遅さ、検査対象品がおかしいなど。
A米粉製造時に同一のラインにて小麦製品も作っていたことを明らかにしなかった。検査で出ようが出まいがその旨表示すべきだった。
B過去にもBRiceに小麦粉の混入が疑われた事故(蕁麻疹)が発生していた(昨年の10月、四国にて。その時にはBRiceから5.5µg、原料の米粉からは4.8µg検出)ことを知りながらその対策を怠った。

当店より株式会社 おこめ安心食品へ送った質問:

1.ショックを起こされたお子さんの親御さん宛に送られた文面の中に「原材料の米粉・甜菜糖・塩は各ロットごとの検査を現在行なっております」とありますがこれはいつからですか? 米粉を製造する工場で小麦関連品を扱っているのにそれまでは検査していなかったのですか?
2.事故が起きたのが9月。「製造品を毎日サンプルとして保管しております」はずなのに、結果が出るまでにこんなに時間が掛かったのは何故なのですか?
3.取り扱い先に伝えなかったのは何故なのですか? 注意を促すべきだったとは思いませんでしたか?
4.事故が起きたのは「9月12日(※「22日」の間違い)」ですので、○○店さんが仕入れたのはそれ以前に製造したもののはずなのに「9月12日分」を検査に出したのは何故ですか?
5.HPに書かれていた「小麦混入といわれた検体は特殊な環境下に有った物と思われます」とはどういう意味ですか?
6.今後の対策としてはどうされるお考えなのでしょうか?

当店からの要望:

@定期的に「小麦タンパク」の“コンタミ”が無いか検査を実施すること。
A事故が発生した場合、検査を的確に、速やかに実施し、結果は速やかに報告すること。
B「小麦製品を製造している工場で製粉している」旨表示する。 

 コンタミ(=contamination 汚染)=混入
2 小麦粉を手に取り、水の中で揉んだ時に残る(水に溶けにくい)部分。アルコールに溶けやすいプロラミン別名グリアジン)」とアルカリに溶けやすいグルテリン」に分けられる。一般に言われる「小麦アレルギー」はこれらではなく、水に溶けやすいアルブミン」に反応するのです。
3 µg(マイクログラム)=100万分の1g。“14.1µg”という値は、「空気中に浮遊しているくらいの数値(ヘルシーハット資料より)」。食品衛生法による表示義務は概ね「10µg/g以上」となっています。食品衛生法による表示義務は概ね「10µg/g以上」となっています。これはあくまでも“表示”のための基準であって、“症状が起きる、起きない”の基準ではない(角田先生より)。
4 検出対象小麦タンパクが「グリアジン(=小麦グルテン)」。
5 検出対象小麦タンパクは水溶性タンパクから塩可溶性タンパクも含み、幅広い上に加熱変性に弱い。

    2003年12月20日(土)

                                         はじめのいっぽ店主 服部

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